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真珠星  作者: 夢乃マ男
17/50

私とアイドル

そんな、私の心中を察してなのか

「じゃーん!女性席だから今日は女の子同士盛りあがろー!」

とチケットを渡してくれた。


そこには私の名前が記載されたチケットがあった。女性席。そんな配慮が世の中にある事はまぁ自覚していたが、アイドルのライブにもそんなものが存在している事に驚いた。


奈津さんの軽快すぎるトークと足取りにただただ付いていく事しか出来なかった私はいつの間にか列に並んでいた。並ばされていた?


「さて、先輩に甘えちゃいなさい!」

と、万が一逸れた時の為にと連絡先を交換した最中手に持ち替えたのはクレジットカードだった。

会場がペンライトの色でニュースになるようなグループなので最低限それくらいは買おうと予算はあったのだが、

「私の親私には甘いから」

の、言葉に甘えるメイプル祭りの甘い甘い状態の中、柴田くんには厳しいのかな?と少し現実を見た。


初対面であまりにも申し訳ないと何度も断ったのだが、


「無理矢理理由も説明せずにパワハラじみたこの状況です。これくらいプレゼントさせて!ね!」


部活には所属していないのだが、先輩を立てる上下関係を学んだのであった。

先輩からプレゼントされたペンライト2本、Tシャツ。名前入りのタオル。


先輩との双子コーデはより一層完璧になった。

名前入りのタオルは先輩の一番推している子の名前らしいが、帰りにはきっと自分の推しが生まれてるはずだからタオル欲しくなったら買ってあげるとまで言ってくれた。


この気前の良さを父と母に見習ってほしい。

先輩の推しと言いながらも、先輩の肩にかかっていたタオルには別の名前が書かれていた。


Motohashi Mutumi


知っている名前だった。

女優の名前。


「むつみん知ってるんだ!?女優さんだけどもともと流星風流のメンバーだったんだよー!」


彼女が出ている映画を観たことがある事を伝えると映画の話しで盛り上がった。


ライブが始まるまでその話に花が咲いたが、会場のスピーカーから音楽が鳴るとそこにいる人間が声を上げながら一斉に立ち上がった。

折りたたみ式の席だったので立ち上がると同時に席が折り畳まれ、バタンバタンとした音があちこちから聞こえた。

CDを聞いていて不思議だった歌詞の無い曲はライブのオープニングで流れたのである。

その音楽だけで見渡す限りの人間が声を上げ同じタイミングでペンライトをあげさげしている。


何かの儀式のようでなんだかこわくなった

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