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真珠星  作者: 夢乃マ男
15/50

待ち合わせの駅

ライブ当日柴田くんとは最寄駅ではなく現地集合する事になった。

待ち合わせ場所での道中も私は予習を怠らなかった。BGMはもちろん流星風流。

特にお気に入りの曲がある。

ものすごく明るい曲で今まさに恋愛が始まろうとしている歌詞。電流が走ったように私の感情に響いた。


この曲を今日歌ってくれたら嬉しいな。

帰り道きっとたくさん話せると思う。


いつもは制服を着せられてる姿しかお互いに見たことがないので、私達は性格や顔、背丈、運動能力や学力などが際立つ。

そう考えると制服や髪型の規制というのは教師からしたら、内面を見るために必要なアイテムなのかもしれない。


そして、制服の可愛さで志望校を決めたり制服服フェチまで存在しアイドルの衣装も学生服をモチーフに作られていたりするので、制服は何かを征服し得る世の中的にも重要なアイテムなのだと気付かされた。


また、柴田くんもその1人なんじゃないかと思い、個性を出す普段着ではなく制服の上から一枚羽織っただけと言う休日のデートでは考えられないコーディネートをしてきてしまった自分を悔いたのは待ち合わせ場所の駅に着くまでの杞憂でしかなかった。


駅はオタクで溢れていた。メンバーの名前入りのタオルを首にかけお揃いのTシャツを着た軍団に最初は呆気にとられたが、ちらほら見かける同性達は制服女子が多い。

私の判断は間違っていなかったが、どうみても学生には見えない女性も似たような格好をしているので自身の着慣れた制服に違和感を覚えた。


普段化粧もあまりしないので、張り切りすぎてさっきの女性みたいに制服に合っていないような気がしてやまない。


などと、いろいろ考えてる内に、私に向かって声が掛けられる。この状況でナンパや制服フェチからの声では無いと判断できたのは


「やっほー!二葉ちゃん!遅れてごめんね!」


と声高々に固有名詞で呼ばれたからだ。待ち合わせ時間を少し過ぎてた事に気づく。

もう一つ先に気づくべき事が有った事に振り返った瞬間に気づいた。


その声の持ち主が女性であること。

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