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真珠星  作者: 夢乃マ男
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私と私

なんでこんな自分史を振り返る事になっているのか。

やはり幼き頃に憧れたものや楽しかったものは根本的には変わらないのだ。幾度となく名作映画がリメイクやリブートされて次世代に語られていく。

リメイクされる時期ってのはだいたい子供の頃に見たものが大人になった時期に重なるらしい。

そして、リメイク版を観る際に隣には息子や、娘がいる。

その繰り返しだ。ファッションや音楽なんかもそんな感じなのだろう。

時代は繰り返されるのであろう。

そして、今は大人数アイドルのリメイクの最中なのだと思う。


無趣味で平々凡々な私は流行には敏感だったのだ。何にも興味を持たないと浮きすぎて目立ってしまう。しかし、この時代全てのコンテンツに対応できる人間なのかいるのだろうか?


なのでエンタメニュースなんかは必ず登校中に目をやるし、音楽番組や話題にあがるテレビや動画サイトも欠かさない。


それでもやはりその場を波風立てずにやりすごす会話で精一杯だ。


そんな日常を過ごしている中馴れ馴れしい男子が声をかけてきた。


「ねぇ今度流星風流のライブ行かない?アイドル好きだよね?」


少し話にうまく対応したくらいで、好き認定されてしまった。


わざわざ断る理由を探す。

変な噂が立つからとか?


私なんかの噂は立たないだろう。


なんでこいつは私を誘ったのだろう。流星風流好きなヤツなんかたくさんいるだろうに。私ですら、グループ名と数曲は知っているのだから。


アイドル好きと思いこんで、私に恋愛感情抱いたアプローチしてきたのか?

こんな目立たない私に?それこそない。


だけど、生まれてこの方デートなんかしたことがない。アイドルのライブなら、盛り上がりに欠けて失敗したなんて評判の割につまらない作品にあたってしまった映画デートみたいな結末にはならないだろう。


そして今時デートすらした事がない。いや、これをデートと呼んでいいのかわからないが。

それはそれで悪目立ちしそうだ。


少し躊躇いながらも、沈黙を続けた末

「行ってみたかったのー!!」


と返事をしといた。あの沈黙、デートのお誘いだとしたら、昔の1000万貰えるクイズ番組のMCくらい焦らしたな。

また恋愛脳と言われる考え方をしている。

それにしても、お誘いしてきたなら多少なりとも好意を抱いてくれているのだろうなぁ。

そう願う私もいる。


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