表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真珠星  作者: 夢乃マ男
1/50

偶像

街を一望できる高いビル。

ここから夜景を観る事ですら

ほんの一握りの存在。


私はそこから、さらにひとつまみされた人間だ。


私はアイドル。


暗い闇の中に際立つ窓から洩れた光。

街灯、車のヘッドライト。イルミネーション。

全てが私の目に映る。


ここに来ると思い出すのは

何年か前のステージ。ファンがペンライトを手に持ち私たちに向けてくれた。幸せな時間。

その時の光は気持ちのこもった光だった。

私たちにはそれぞれイメージカラーがあり、自分の好きな娘のイメージカラーでペンライトを光らせてくれる。私のカラーを見つけた時は嬉しかったなぁ。


思い出に浸っているとそのただの無機質な光が徐々に減っていく。

風の冷たさが光が減っていく寂しさからなのか余計冷たく感じた。


皆が見ていた私は私だったのだろうか。

普段は露出の高い服すら規制されてる反動からなのか、身に纏っているものを全て払いのけてみたくなった。


全身で冷気を感じた。


街の街灯を背に裸の私。

そんな写真が出回っても大して価値もつかないのだろうな。

雪まで降り始め、私の身体を虐める。


屋上のヘリの上をぐるぐると何周かしながら少しの時間を遊んだ。


目を開けた時に幸せな明日がまっていますように。


私はなんの意思も持たない冷たい風に身を任せる。


ほのかに積もり始めた雪が赤く染まっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ