SS 制裁-ウィル視点-
制裁-ウィル視点-
ろうそくが照らし出す暗い部屋で俺は剣を振るう。
飛び散る紅色にも先程まで動いていたものが止まる事にも、もはや何の感情も抱かない。
切り捨てたゴミがあげた悲鳴はまだ耳の奥で反響しているが、時期に消えるだろう。
「お前は…何人殺してきた、ウィル」
かつての仲間は息も絶え絶えにそう呟く。放って置けば間もなくこと切れるだろうが助け等来ない、王家に反旗を翻すものはすべて俺が処断した。
「さぁねぇ、君は潰した虫の数をいちいち数えるのかい?」
「…このようなこと…陛下が許すわけが…ぐ、ぅっ」
言葉を続けようとしたそれの傷口に剣の鞘を押し当てて黙らせる。
彼はこのことを知らないし、伝えるつもりもない。
優しい彼は反乱分子を殺すことを許さないだろう、けれど処断しなければこいつらは子供たちまで狙おうとする。
俺の大事な甥と姪を危険な目に合わせることなど許さない。
あの子たちは明るい世界で幸せに生きるべきなのだ。
「知ってるかい、悪事はバレなけば何もない事と同じなんだよ。隠し事は君たち以上に得意なんだ」
「貴様っ…」
「あぁ、そろそろ行かないと。俺の可愛い奥さんが心配してしまう」
わざとおどけたようにそう告げてそれの息の根を止め、建物を後にした。
「…血の匂いは落としていけ」
建物を出るなり背中に声がかかる、大嫌いなあいつの声。
そしてこのことを唯一しってる同士の声。
「はいはい、後始末は頼んだよシグ」
「変なあだ名で呼ぶな」
不機嫌そうな声にカラカラと笑いが零れる。
早く帰らないと、本当に妻が心配する。
けれどあいつの言うように血の匂いは落とさないと、そう思いながら俺は近くの湖に足を向けるのだった。




