表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/90

75話 決闘してるそうです


「姫様大変です!!」


剣術稽古を受けるべく準備をしていた私の部屋にマリーが飛び込んできた。

彼女がここまで慌てているのは珍しい、何かあったのかと首をかしげて見れば少し青ざめた顔でこう告げた。


「ダニエル殿下がジェード様に決闘を申し込まれました!」


「…は…?」


決闘!?って武器を持って戦うあれのこと!?


「理由はわかりませんが決闘は既に始まっているようです!」


「なんでまた……とにかく案内して!」


マリーの案内についていき辿り着いたのは騎士達の稽古場。

そこには稽古中の騎士や、通りすがりの侍女や侍従たちで人だかりが出来ていた。道を開けてもらいその中心が見える場所へと移動する。


真っ先に目に入ってきたのは地面に片膝をつく兄とそれを見下ろすジェード様。

二人とも呼吸は荒く、既に一戦交えた後なのだろう。

兄が膝をついているということは負けたのだろうか?


「アリス様!」

人の群れを掻き分けてエリックが駆け寄ってきた。


「エリック、何があったの?」


彼は特別な訓練があるとかで今日の私の護衛は他の騎士が行っていた。

ここにいたエリックならば何があったのか知ってるだろう。


「それが、私にも。訓練の最中にダニエル殿下がいらっしゃったかと思ったらジェード様に決闘を申込まれて…」


現場を見ていたエリックにも決闘の原因は分からないようだ。


困惑していると剣がぶつかる音がした。

視線を向ければ兄がジェード様に斬りかかっている。

ジェード様は剣先を交わし兄の剣を弾く、その勢いを利用して懐に入り込もうとするが兄は後ろに飛び退き距離をとる。


一進一退の攻防に視線を奪われていると隣からそっと声をかけられる。


「姫様、ここにいらっしゃったのですね」


「メアリー!お兄様とジェード様が…」


「えぇ。きっと姫様がお気になさると思いまして理由を調べて参りました」


そう言うとメアリーは私の耳許に口を寄せてこっそりと囁く。


「どうも姫様とジェード様の事がジュリア様を通じてダニエル殿下にバレたようでして。怒ったダニエル様がジェード様に決闘を申込んだそうですわ」


ジュリアから!?


メアリーの言葉に頭を抱える。

数日前にジュリアとお茶の時間を儲けた際、私は彼女に一連の話をしてしまったのだ。応援してもらいたかったのかもしれない。

しかし兄に内緒にするように口止めすることを忘れていた、言わずとも同じ恋する乙女として分かってくれると思っていたのだ。

迂闊だった。



まさかこんな、「私のために争わないで!」みたいな展開になるだなんて思わないじゃない!

お兄様がそこまでシスコン拗らせてるだなんて思わ…………いや、うん、あのお兄様ならするわ。

くそう、私の注意不足だった!



バレたくないのならもっと回りや自分の言動に気を付けるべきだったのだ、それを抜かったのは私の失態。

この状況になったのはつまり私のせいだ。



なら、私が止める。



「メアリー、私が稽古で使っていた剣を取ってきてくれる?短剣の方もお願い、大急ぎで」


「畏まりました」


メアリーは一礼すると一瞬で消えた。

本当に彼女は忍者とかスパイとかの方が向いてる気がする。


私は視線を戦い続ける兄達に向ける。

そしてマリーやエリックが止めるのも聞かず剣で火花を散らす二人の隙をついて間に割り込むように飛び込んだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ