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29話 騎士が奇行に走るそうです

バランスを失った体は宙に投げ出され、私は衝撃に襲われることを確信してぎゅっと目を閉じた。


「アリスっ!」


叫ぶような声がして体が強く引っ張られる。

落ちた衝撃は無く、何か暖かいものに包まれる。

そっと目を開けるとあろうことか私はジェード様に抱き締められていた。


「アリス様、お怪我は!?」

青ざめているジェード様に小さく大丈夫です、と呟くと彼は安堵したように深く息を吐いた。


私が落ちかけた瞬間、腕を掴み自分の方に引き寄せてくれたらしい。お陰で何処も痛くない。

もし落ちていたら…と思うと指先が少しだけ震える。実際は落ちてないのだから問題ないけれど、前世で階段から落ちた記憶が残っているせいかその恐怖を思い出して震えが止まらない。

指先を押し付けるように手をぎゅっと胸の前で握りしめる。


「アリス様、部屋に侍女は?」

不意に声を掛けられて首を横に振る。

マリーもメアリーも年始パーティーの準備に駆り出されていて今は手が塞がっている。

人手が足りないのは分かっていたし城から出るつもりも無いからと二人を準備に行かせた為、誰も待機していない。


「……そうですか…。では少しだけ失礼します、ご無礼をお許しください」

ジェード様はそう告げるとひょいっと私を抱き上げた。いわゆるお姫様抱っこという体制で。

以前も抱き上げられた事はあったけれど、人形とかぬいぐみを抱っこするような感じだった。



今の私はお姫様な訳で、これが本当のお姫様抱っこ!

………なんていってる場合じゃないから!


頭の中は軽くパニックである。

そのままぴしりと石化でもしたように硬直していると自分の部屋まで運ばれた。

ジェード様は器用にドアを開けて、私を部屋のソファーに降ろすと床に膝をついて私の手を自分の両手でそっと包む。

軽くパニックになったお陰か指の震えは止まっていた。

「もう大丈夫な様ですね」

どうやら気を遣って部屋まで運んでくれたらしい。

「あ……ありがとうございます」

「いいえ、お気にならさず。侍女がいれば何か落ち着ける暖かいものでも、と思ったのですが…震えも収まっていますから必要ないですね」

そう言ってジェード様は私の手を離す。

ジェード様の体温が移って私の手は温かくなっていた。


「助けるためとはいえ、ご無礼を働いたこと誠に申し訳ありませんでした」

深く頭を下げるその姿に今度は私は慌てる。

「謝らないで下さい、むしろ助けていただいたのですから此方が礼をしなければならないところです!」

そう告げれば顔を上げたジェード様と視線が合い突然、彼は動きを止めた。


何かおかしな事を言ってしまった?


不安になるくらいの無言の時間が続く。

声をかけるかジェード様からの言葉を待つか悩むことゆっくり60秒。


沈黙に耐えきれなくなった私は恐る恐る声をかけてみることにした。

「あ…あの……ジェード様?どうかしましたか?」

声をかけるとびくりと大袈裟なくらい彼の肩が揺れた。

かと思うと途端に顔を赤く染めた彼は「失礼しましたっ!」と勢いよく頭を下げるとらしくない慌て方をしながら勢いよく私の部屋を出ていってしまう。



「…………うぇ?」


一人部屋に残された私は自分の口から漏れる言葉を形成しない呟きを漏らすしかできないでいた。


名前呼び捨てにされた事に気がつかないアリスさん。



アリス「ジェード様に呼び捨てにして貰ってたのに気付かないなんて一生の不覚っ!!」

メアリー「姫様、恋人になればいくらでも呼んで戴けますわ!」

アリス「恋人…そ、そうね!頑張るわ!」

メアリー「マリーと私は姫様の絶対的な味方です、それゆえ『姫様の恋を応援し隊』を結成致しました!」

アリス「何それ恥ずかしい!止めて!」

メアリー「因みに団長は王妃殿下です」

アリス「お母様!?!?」



母は娘が大好きです。


そして先頭に人物紹介を追加しました。

掲載可能なキャラメーカーで作成したものですがキャラクターイメージも追加しております。

キャラクターイメージは順次追加予定ですのでお楽しみに'ω'

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