社会復帰への道 最終話 冒険
「ん……………。あれ、おはよ、フィカス。起きてたの?
「ああ。
フィカスは愛おしそうに腕の中のプリンを見つめている。
プリンはフィカスに軽くキスした。
「愚か者…。帰ってこずとも良かったのに。
「またまた、嬉しいくせに。
今度はフィカスがキスをした。
その時、申し訳なさそうに扉がノックされる。
「なんだ。セダム。
「お休み中申し訳ございません、実はメトプレン様がいらっしゃいまして、なんでも白いゴブリンをお探しとかで、もしかするとアイビーかもしれません。
「はあ…。わかった。
フィカスは大きなため息をついた。
メトプレンと大柄の大剣を担いだ剣士がそわそわと玉座の間で待っていた。
「いるのか?白いゴブリンが!早く見せてくれ!
「あれ!メトプレン!
プリンがびっくりした。
「あ、ああ、プリンセチア王子。まだこちらにいらしたのですね。
「何?知り合いか?
フィカスが怪訝そうに睨んだ。
「うん、僕にこの城がすごくいいって留学を勧めてくれた魔導師だよ。
「なにぃ………。
「そ、それより、一刻を争うんだ、早くゴブリンを。
「俺からも頼む。
後ろにのっそり立っていた剣士が頭を下げた。
「セダム、アイビーを連れてこい。
セダムに抱かれて入ってきたアイビーを見た二人は、叫んだ。
「良かった、ああ、本当に。
剣士がアイビーを抱き上げて頬ずりする。
隣で魔道士のメトプレンが何やら呪文を唱えて、杖を振りかざした。
すると、アイビーのシワシワの身体がみるみるうちに美しいエルフの少年に変わった。
プラチナブロンドのサラサラした髪が床にまで届いている。
服はアイビーの時の物なのでピチピチして窮屈そうだ。
「ラチェット、心配したんだぞ。
剣士は大事そうに抱きしめた。
「ごめんなさい、森で迷子になってしまって。
でも、プリンが助けてくれたんです。
ラチェットは美しい顔で微笑んだ。
フィカスもプリンも呆然としている。
「実は、プリンセチア王子、あなたに伝えないといけない事があります。
メトプレンはプリンの肩を掴んで真剣な顔をした。
「今、エルフの国は、恐ろしい魔王によって蹂躙され、滅びの道をたどっているんです。
我々はそれを止めるべく、必死に戦っている。
そして、あなたの大切なアイビーことこのラチェットは切り札だ。
ラチェットがあちらの手に落ちれば、国は滅びる。
どうか、どうか一緒に戦っていただきたい!
「おい………。
フィカスがメトプレンを睨んだ。
「え、でも僕は剣だってまともに振れない…
「だーいージョーブです!
私の水晶にあなたが映りました。
あなたは勇者です!
あなたこそが、ラチェットを守り、魔王を倒す、勇者なのです!
「い、行くよ!僕がアイビーを守る!
「おお、勇者プリンセチアよ!
「待て!
「フィカスも来るよね。
プリンがにっこり微笑んだ。
「あ、う…………。行く。
メトプレンはニヤリと笑った。
終わり
R18 ムーンライトノベルに
王様はひきこもり 二人が結ばれるシーン を投稿しました。




