桜ぶろっさむ
とある建築会社の前で、意を決して扉を開ける…!!
『こんにちわぁ〜…、アーキテクアスの玉虫と申しますぅ〜。
あっ、いえっ、あっ、、あのっ、全然そんなんじゃなくて、えっと、建設関係の専門紙をですねぇ〜、出版している会社で…
えっ、えぇ……。あっ、まぁはい。
すいません、営業なんですけど…
あっ、はい、すいませんでした。
あっ、まぁ、あのでも、もし良かったらですね…新聞のご購読などはいかがかなぁ…と思いましてですね…』
『……邪魔だから2度とくんじゃねーよ』
『あっ!はいっ!ですよね!!失礼しました…』
……戦闘時間、20秒。無事撃沈……
(そそくさと近くのコンビニへ移動)
…………
…………………
…………えっ?
……まさか今の…見てました?
あっ、、、そーですか!!
いやぁ…オンエアされてたかぁ…!
やれやれですよっ!!!
ハハッ…!!
いやぁー本当にこれ…危なかったですよ!!
もうちょっとで俺も手が出そうでしたからね…。
あーひやひやした…!
社長達は自分が一番強いと勘違いしちゃってるけど、その気になれば、一瞬でアバラ全部持ってくことも可能だからね?ってことですよ。
あー、勝ってた……。
今のは完全に俺の勝ちだったわ。
(説明しよう!!
営業マンは常に心のセルフケアをして、自身の尊厳を保つ必要があるのだ!!
玉虫は『喧嘩では勝てた』という中2病全開の方法でそれを行っている!!余談だが、玉虫が最後に殴りあいの喧嘩をしたのは小2の時に姉としたのが最後だ!!)
あー、、違う、あの人は悪くないって、
良い社長だった。顔は合わせてくれたじゃないか…
俺のバカ…
(彼のセルフケアは、最低な妄想をした自分に嫌気が射す所までがセットである!!)
あー…もうこの仕事辞めたい…
ずーんと心が重いもの。
刹那、会社より入電!!
『トラットラットラッ!
直ちに次の現場に迎え!!
健闘を祈る!!』
傷ついた社員に休みを与えることもなく、
神風アタックの要請か…。
行きたくない、ふざけんな…と思いつつも…、
車に乗り込み、エンジンを掛けている自分がいる…
これからまた、建築会社を見つけて…
特攻を開始するのだ…
『メーデーメーデー!こちら逃路玉虫!!これより作戦を実行する』
会社のために、命を捨てる…
誇らしいことじゃーないですか…
(次の建築会社の扉を開ける)
どーか忘れないでください…
こんな営業マンがいたこと…
たまには思い出してください…
こんな私にも家族がいて、人生があること…
桜のように散りゆく営業マンが、実は日本の本当の桜であることを…
どうか…忘れないでください……
20秒後、
『2度とくるんじゃねー!!!』
『アイッ!!』