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魔王ト俺ガ、要らない世界  作者: 津軽 毅然
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俺は……

0.2 俺は……

絶体絶命のピンチと言われたら、何を思い浮かべる。

崖に追い込まれたり、負傷して敵に囲まれたりなどを想像するだろう。

これら程度ならば、なるようになるものだが現在の俺の状況はどう考えても打破しがたい。

どんな状況か。と、問われれば取りあえずこう答えよう。


現在進行形で俺が封印されかかっている。


こんな訳のわからない回答でも理解してくれるならばありがたい。ついでに助けてくれるともっとありがたい。考えられないことだが。

「「「主に仇名し、主を殺した報いを受け未来永劫に殺してくれる!!」」」

時々こんな罵倒がとんでくるのが鬱陶しくて仕様がない。

精神までイカレた過度な教徒の勝手な思想で、封印されるとか全然笑えない。というか俺が面白くない。

「主」ってやつは俺の役柄上、大嫌いで関わりたくもないが崇拝される理由も分からなくはない。

だが嫌いな奴でも、勝手にその名を振り回してるだけの奴らにここまでされると腹が立つ。

しかもたかだか「人間」にされるというのが最も癪に障る。

我々にとって始まりの世界とも大事な世界でもあるが、人間はただそこで醜く争い、殺し合い、そして我々の名を利用しながら、のうのうと生きている俺たち悪魔や堕天使よりも欲望に生きている。

全くもって、羨ましい限りだ。


そんな思ってもどうしようもないことに黄昏ていて忘れていたが、今俺、絶体絶命だった。

だが何もできないので諦める。どうせその内に家臣たちが解いてくれるだろう.

なんだ簡単な解決法じゃないか。それに逆にここで封印されて解除されなくても、冥界が滅びなければそれはそれでいいかな。


「「「消えろ!魔王!」」」

おっと、やっとこさ詠唱が終わったようだ。周りが一斉に大きく広げた両手のひらを向けてくる。

これから封印される身としては待ちくたびれたぐらいだ。おかげでいらぬ考えまで回しちまったじゃないか。

俺を囲う魔方陣が光を放つ。

体が光に包まれ、意識が遠のいていくのがわかる。


さて、復活まで睡眠でもとるかな。出来ればの話だが。

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