僕は……
0.1 僕は……
危ないっ………!
っっっっ!
腹部に激痛が走る……と、思ったがなぜか痛みはない。
だが、その感覚とは裏腹に腹部を抑えた手には大量の鮮血が流れていた。
紅く、赤い血。僕の血だ。
体に力が入らない。瞼を動かし、苦しく呼吸をするのがやっとだ。
誰かが僕にすがって泣いているのが見える。
そうか、僕は…この人を庇ったんだ。
この一人の女性の、彼女ために……僕を、好きと言ってくれた。彼女を。
意識が……朦朧とする。
もう……思考を回す…余裕も、ない。
瞼が……自然と…閉じてしまう。体が……自分のものでは、なくなっていく……。
僕は死ぬ……の…か…………。
僕の意識は、ここで途切れた。
さて、
突然ながら僕の話をしよう。
そこ、「うわ、こいつ何言ってんの」とか思わないように。
真面目にこれからの展開上で理解しておいてほしいことでもある。
僕は幸せ者のリア充・大学生である。相思相愛の彼女と絶賛同棲中。そんでもって婚約まで結んでいる。
そんな感じの絵に描いたような、将来を約束された最強リア充………だった。
七咲紫音。僕の愛する人。
「ずっと二人一緒にいよう」。
そんな大切な約束を僕は、無意識に破ってしまった。
「生は死、あってこそ」の言葉の下。死は余り恐怖として考えていなかった。
だが今は死んでしまった恐怖よりも、紫音と一緒にいられなくなったことがとてつもなく怖くて、寂しくてしょうがない。
嫌だ。嫌だ嫌だ。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!!!!!!!!!!
……ごめんな。紫音
0.1ー終わりー
まだ、魔王出てきてないよ。