「悪役令嬢の記憶を思い出した妹を観察してみる」導入
「悪役令嬢の記憶を思い出した妹を観察してみる」企画、略して「兄観察する」企画(すごい適当)のあらすじ?的な物になります。
※これを参考にする必要はありません、皆様がイメージしやすいよう書いた物なので、これを無視していただいてもかまいません。
妹が突然倒れた。
妹であるシャルロットは、我儘を絵に描いたように振る舞う少女だった。公爵家の令嬢として生まれ、蝶よ花よと育った彼女は、金髪ゆるふわロングに、光り輝くサファアのような大きな瞳、肌は陶器のように白く美しい誰からも愛される存在であった。
そんな妹は公爵家という立場もあり、年の近い王子の婚約者候補に上がるのは必然だった。
そして彼女の運命が変わったであろう今日この日は、王子との初の顔合わせの日であった。
「シャルロット、挨拶をしなさい」
「はい。お初にお目にかかります。ロマネスク公爵家ロバートの1人娘、シャルロットと申します。どうぞお見知りおきお」
父の誘導で、礼に習ってドレスの裾を上げ、綺麗に挨拶をしたシャルロット。彼女が顔を上げ、王子の顔を見た瞬間ーーー
彼女は倒れた。
倒れた彼女はすぐに王宮の空き部屋へ連れてこられた。ベットでうなされながら寝ている我が妹。その横で見下げる俺はついにこの時が来たのかと考え深い気持ちになった。
突然だが俺は前世の記憶がある。前世の記憶は日本という平和な国で、平和な学生生活を送っているものだ。前世の俺はネット小説にはまっていて、短時間で満足感を得られる短編小説が好きだった。あるサイトの短編小説のランキングはある時から悪役令嬢物が上位に連なっていて、そのスカッとする「ざまぁ」な話が俺は大好物だった。
そう、君なら分かってくれるだろ?俺は生前読んでいた悪役令嬢物の世界にどうやら転生したらしい。だが、様々な短編を読みすぎて、いったいどのような話でどのような世界が全く不明である。
だが今回の件で、シャルロットは悪役令嬢に転生したというヒントが得られた。彼女のこのうなされよう、前世の記憶が流れ込み、脳内パニックを起こしている最中だろう。
ん?俺か?俺は毎日の睡眠から少しずつ前世の記憶を取り戻したため、倒れることはなかったが。
さて、これから妹とはどうするのだろうか。パターンとしてはいくつか考えられる。話の内容にもよるが…
①フラグは折る、または回避し、最悪の未来を避ける
②ヒロインもしくは転生ヒロインとバトルする
③引きこもる、逃走する
などがまあ王道パターンだろう。
王道パターンも捨てがたい!!
だが新しい物も見てみたい…!!
この少女、いや妹のシャルロットはどのような物語を作り出してくれるのだろうか。これから先どんな人物が出てきてどのように物語を演出するのだろうか。
俺は決めたぞ。
「悪役令嬢の記憶を思い出した妹を観察してみる」ことに。
まあ家が没落しない程度にだがな