二話
「さあどんどんいきましょーか、ヨルさん」
「はいはい……」
ヨルが疲れている。ここは私がどうかせねば!
「三個目はですね。一番好きだったヒメに関する遊びは? ですね」
「それなら……多分、宝探しかな。一番ラクだったし」
「ほう、でもほかにもいっぱい遊びをしている中、ラク以外に理由はあるんですか?」
「え? ほかに理由?」
ヨルは「うーん」と唸る。
「ありました?」
「……ない」
「そうですか。では質問を変えましょう。ズバリ、南雲ちゃんのおっぱ……」
「ヤメロオオオオオォォオオオオォォー!」
「露骨な文字稼ぎはやめてくださいな」
「それはこっちが言いたい! 夜夏さんは言いますよ、こっちが言いたい!」
「まあそれはさておきですね。おっぱい触りたかった?」
「………………それはもちろん、僕は男ですから」
「正直でよろしい。では建前のない本音を聞けたところで四個目にいきますか」
「はい、うわぁぁぁ、ねえ、これって……」
「もちろん皆さんにも見せますし、インターネットに載せますが、なにか問題でもあるんですか?」
「大アリだよ! 問題大アリだろ、JK(常識的に考えて)!」
「あら、ヨルったら最近の崩し言葉なんか使って、お兄さん困るわぁ~」
「もうどうにでもなれってもんだ! ヤケクソさぁー! …………うわぁ、本当どうしよう、明日から誰からも……」
「あのーヨルさん? 次、いきますけど……」
「いや、でも南雲ちゃんならもしかしら……あ、でも莉乃のほうが……」
ヨルの目は私を見ているのに上の空だった。
まるで恋愛ドラマで「なんでわたしのこと見てくれないのよ! わ、わたしはこんなにもあなたのことを愛しているのに……」状態。
「わ、わかりました。きちんと差し替えておきますから、ほら! 次いきますよ」
「ホント!」
「う、うん……」
満面の笑みだった。
「はい、四個目は。地球最後の日に食べたい物は? ですね、まあ定番中の定番」
「そう、だな。僕は高い食べ物とかあまりというより全然食べたいからなぁ」
「なに? 庶民にケンカ売ってんの? なんなら今から私の拳を受けるかい?」
「そういう意味じゃなくて、ほら、ヒメがカップめんばかり食べるから屋敷にあっても腐らせるだけであって」
「じゃあ姫夏がいたら毎日のように『やっぱ金持ちならこれだね~○ッテのトッ○』みたいに食べるってのかよ!」
「なんでそんなにケンカ腰なんだよ……」
「悪いか!」
「悪いもなにもべつに僕が高級食材を食べてるとか一言も言ってないのであって」
「じゃあいったいなにを食べたいんですか、ヨルは!」
「そもそも食べる暇があるのかって言いたい……」
「現実的に考えんじゃねーっ! なんだよ真面目に答えたら間違いってか、そう言いたいのか! ああん?」
私はヨルの目を睨めつける演技。
「わ、わかりましたから。じゃあ……」
やっぱり真面目だったヨルさん。
「とんかつ?」
「高級肉を使った?」
「スーパーで買ったのだよ」
「ほうほう『僕は庶民的なんだぁ』アピールですか? 痩せ我慢せずに堂々と『僕は高級食品を使った料理しか食べないんだ』って言えばラクになるだろうに」
「友城さんは僕をどうしたいんだよ、陥れたいのか!」
「滅相もございません。私はただ中野夜夏の魅力を引きだしたいだけであります。そのためにこうやって質問をしている次第であります」
「ならいいけど……」
三話につづく
なんか書けましたからそのまま投稿。そんな感じです。