一話
「はーい、ではこの私が今から夜夏くんこと、ヨルに質問してみたいと思いまーす」
私とはこの物語『一番近くの日常』の作者、友城にいであります! 皆さん短いあいだですがつきあいヨロ!
「まずは自己紹介をお願いします! なるべく面白く」
「いきなり難易度高! そんなのヒメにまかせればいいでしょ」
「いやいや、姫夏さんはいないんで主人公であるヨルに質問をしている次第であります。なので……よろしく」
「はい、中野夜夏です。皆さんよろしくお願いします」
「フツー!?」
クソ、これは手強いですわ。
「まあいっか。では一つ目。好きな子はいるの?」
「い、いきなりだな……答えなきゃダメか?」
「モロち……」
「それ以上は言うな! わかったから」
「ではどうぞ」
メモメモ。
「好きというか……その、き、気になるっていうかな、その……」
「じらすねえ~。にやにや」
「う、うるせーな……」
ヨルは男の前で顔を真っ赤にしています。いや私にそういう趣味はないです。
「冬葉だ…………。はい。終わり」
「はい、わかりました。では二個目にいきます」
「本当に終わりかよ!? ほ、ほら! ここはこう……そう! いじるところだろ! 『どこが好きなの~』とかさ、ほら!」
ヨルは腰かけているソファーから立ちあがり、私に問い詰める。
「すんません。私に男を〝いじる〟という趣味がないもので」
「趣味とかいうなよ! こっちが恥ずかしいわ!」
「なに? 言いたいの?」
「いや……そういうわけではないけど」
「なら、いいでしょ? ほら時間がないからさ」
「…………」
「では二個目。自分の名前は気に入ってますか?」
「名前か……。そうだな、そんなに深く考えたこともないな。うーん、どっちかいうと悪いとは思ってない。少なくもな」
「そんなもんなんですか?」
「そんなもんなんじゃない? 友城さんこそ、ペンネームとはいえふざけてつけたわけじゃないんでしょ?」
「そりゃそうですよ! 『もうこれでいっか』とか軽い気持ちでつけていられっか!」
「メタイ話ですけど、なんで僕の名前はこれに決めたんですか?」
「いきなりですね。つうか私に質問するんじゃねぇ! タイトル詐欺だと思われるだろ!」
「ご、ごめん……」
ヨルはいい子だった。
「まあ由来は冬葉が先に名前が出て、なら冬に対抗して夏にしようと思ってですね。名前を決めた日に花火大会が近くでやっててですね。それで夜の夏にしようと」
「したと?」
「ダメ?」
「いやべつに文句はないですけど」
「ならよかった」
「そういやみんなの名前に北、西、そして南雲ちゃんにだけなんで二個方角が入ってるんですか?」
「本当は中野ではなく南野と書いてノウノにしたかったんですがね。それじゃなんかね」
「金持ちっぽくないと」
「醤油こと」
「なんで村上シ○ージ?」
「ちっちゃいことは気にするな! ほらワカチコワカチコ」
「もういいか……」
二話につづく
ここまで読んでくれてありがとうございます。
二話はいつになるかわかりませんが気が向いたら。