故意は盲目
いらない。目の前にいる者全ては自分の目的を妨げる者たちなのだ。
「お兄様が目にするものはあたしだけ、お前たちはいらない、全て消えろ、消えろ、消滅しろぉっ!」
目に映る全ての者を右手に装備したガンブレードで斬り伏せる。長大な、それこそ愛しいと想う者が持つのと同じ武器を振るい、戦場を駆け回る。
「第二小隊全滅! 敵勢力だと? 一体だ、ああ? 違う、Gプロジェクトのガラクタだ、至急増援を……」
「第一小隊壊滅しました! 敵勢力は一体。人間ではありません、至急増援を……」
人間部隊の小隊とアクト部隊の小隊が同時に司令官に指示を請うが、目の前の暴れ狂う女はそんな時間を与えてくれない。
「あなたたちはお兄様とあたしの愛を邪魔する者、だから……」
ガンブレードを上段に構え、パワースーツを一刀の元に斬り伏せる。もはや両部隊から見て、ミーネはギアになってしまった。それが共通の見解だった。
「一時撤退、これより五分後にプロジェクトGの第二作を投入すると司令部から通達があった、後退しろ!」
人間部隊がその場より全員撤退、アクト小隊も指示を請うが先ほどより指令のレイから応答がない。
「くっ、撤退だ! 第二防衛ラインまで撤退し他の小隊と合流するぞ!」
小隊長の判断でその場より撤退、その判断は的確と言えるだろう、もしその場にいれば待つのはギアと化したミーネによる虐殺。今の彼女には一切の言葉は通じない。
「誰も……いなくなった。お兄様との障害は排除……次の敵をせ……殲滅……」
ふらふらとした足取りでその場から移動を始める、誰もいなくなった戦場に残されたのは、真っ赤に染まった地面と人間、アクトに関わらず、バラバラに散ったパーツと四肢。まさに地獄絵図といった戦場に静寂が訪れ――すぐに消えた。
真っ赤に染まった大地と全ての残骸を吹き飛ばす爆風と衝撃。しばらくは砂煙が立ちこめていたが、やがて一つの人影が現われた。
背中に翼を携え、両手に何丁もの銃を搭載した、まさに歩く砲台と形容してもおかしくない武装の少女。
「ターゲット確認できず。任務内容は現存するアクトの殲滅、メインターゲットは元ブレイカー所属ガンマ・アクトリプスとGプロジェクト試作型ミーネ・ガデンツァ。サブターゲットは元ブレイカー所属、レイとケミネ・アクトリプス。これより任務を開始します」
目指す場所は敵の拠点。その間にすれ違ったアクトは全て壊す。
銃器類が擦れあう音と、砂を踏む音を残し、少女は目的の場所へと進んだ。




