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第八十二話『アレック先生』

学校の中はまるで丸々大きな歴史的建造物のように厳かで芸術品のような品々が並んでいる。本当にこれが学校であるのだろうかと疑ってしまうほどである。やはり、周りの生徒らしき人たちは私たちを見て、驚いた顔をしているようだった。


廊下を進みながら、周りの部屋などを見てみると、大教室がずらりと並んでいるところや小さな高校の教室よりかは少し大きいぐらいの教室のようなものまであった。ここは実験するところなのだろうかなどと考えながら見ていた。


廊下を進み、さらに奥の方へと進む。そして、ブレンダさんが


「**。」


とある教室を指さして言った。それに応えるように、カジェタノさんがその大きな扉を開ける。扉は重いようで大きな重量を感じる音がした。ブレンダさんが先に入り、その後にロジェさんが続く、それについていくようにカジェタノさんに少し頭を下げてから扉の中へと入った。


その教室の中に入ると、たくさんの長い机が並べられており、オープンキャンパスで見た大学の教室の雰囲気と若干似ている気がすると感じる。正面に見える大きな机に大量の書類や本のようなものが置かれており、机の表面が見えないほどになっていた。


「*、Arekku!roje ***。」


とブレンダさんがその机の裏にいると思われる人物に話かけた。すると、その机の方から頭が見え始めた。その人物が奥の方から机の手前の方へと回ってきた。


隣にいるロジェさんは緊張しているのか、かたく手を握りしめている。そして、真剣な表情をしていた。


「Mgisute,Arekku。***。」


とロジェさんはその人に声をかけた。マギステ・アレックさん?だろうか。うまく聞き取ることができなかった。そのマギステさんと言われた人物は、足が悪いのか杖を持っていた。髪は白髪でおそらく60代前後だと思われる。しかし、姿勢はとても綺麗でこれがいわゆる「イケオジ」というやつなのかもしれないと心の中で思っていた。


その人が緑色の瞳でロジェさんを見つめている。その人は


「roje,***。」


とロジェさんに向かって言った。そして、私の存在に気づいて、


「****、***?」


と言った。その問いかけに、ロジェさんは


「asakawa, rinn、***、**。****jipangu.」


と言った。ジパング語を話せると言ったのだろうか。その言葉に、そのマギステさんは大きく目を見開いて驚いていた。さらにブレンダさんやカジェタノさんも驚いている。ブレンダさんは先ほど知り合ったばかりなので、驚くのも無理はないが、カジェタノさんまで驚くとは思わなかった。


カジェタノさんはそうなの!?と言わんばかりに私の方を見てくる。肯定するかのように首を縦にふれば、さらに驚いたような顔をしていた。そして、ロジェさんの方を恨むように見ていた。ロジェさんから教えてもらっていなかったのだということそこで初めて知った。


そのマギステさんは私の方を見た後、


「***、arekku, nikaruge.***。」


と言った。アレック・ニカルゲさん?だろうかマギステは名前ではなかったのかと思うが、もしかしなくても敬称だったのではないかと思えてくる。おそらく自己紹介をしてくれたのだろう。私も返さないとまずいと思い、


「初めまして、浅川凛です。」


と言って頭を下げる。アレックさんはその言葉に納得したかのように首を縦に振った。そして、握手を求めるかのように手を差し伸べたため、私も手を握り返す。軽く上下に振ったあと、にこやかに笑ってくれた。そして、ロジェさんの方を見て


「roje, ***。」


と言った。その言葉はなんと言ったものかはわからなかったが、ロジェさんはその言葉に緊張が解けたかのように嬉しそうに笑った。


「****。」


ロジェさんはそう返した。そして、アレックさんはカジェタノさんとブレンダさんそして、私の方を見て言った。


「***、*****。」


その言葉に、カジェタノさんとブレンダさんはうなづき、部屋の外へと出ようとした。そのことに焦ったが、ロジェさんが私に言葉を投げかけた。


「アレック先生が、私と、二人で、話したい。から、一回、部屋から、出て欲しい。みたい。ごめんね。」


と言った。この状況で今言葉が通じるのはロジェさんしかいないため、とても不安になる。できれば、ロジェさんと一緒に行動したい。しかし、重要な話をするのだろう。そんな状況で私のわがままを通すわけにはいかない。しかし、その不安をロジェさんは感じ取ったのか


「大丈夫。すぐに終わる。……カジェもブレンダも優しい。言葉がなくても、大丈夫。」


と言った。言葉はつながらないけれど、カジェタノさんとは結構親しい気もするので、大丈夫かもしれない。


「分かりました。でも、通じないの、不安なので、できれば、その、」


と言ったところで踏みとどまる。わがままは言わない方がいい。


「いえ、あの、じっくりお話しして、大丈夫なので!」


と言って、カジェタノさんとブレンダさんの方へと小走りで向かった。カジェタノさんは心配そうに私とロジェさんの方を見ていたが、ゆっくりと扉を開けて、一緒に扉の外の方へと出た。

累計4000pv突破しました!ありがとうございます。

あと二章程度で完結予定です。

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