表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/87

第七十七話『試着』

「caje!**!****。」


「roje, rinn**!*****!」


「あの……。二人とも……そんなに凝らなくても、」


「リン、駄目。大事だから。」


「えっと、」


ロジェさんとカジェタノさんと一緒に服屋にきたのはいいものの、とても高そうな商品たちに怖気付いてしまった。そんな私を見て、二人は私をお店の中へと引っ張り、さらに試着室の中へと入れられてしまった。今は、ロジェさんとカジェタノさんがどちらの服が似合うのかと言い争いをしているところである。


ロジェさんは白色の長袖のシャツで若干襟の部分が装飾が施されているものを持ち、さらに黒色の長めのスカートを手に持っている。スカートは綺麗に広がるようになっているのか制服のスカートのように綺麗な折り込みの線が入っている。シンプルな見た目ではあるのもの、どこか上品さを感じさせるような服装だ。


カジェタノさんは綺麗なワンピースどちらかというとドレスのようなものを持っている。明るめの白色の生地に綺麗な花柄が施されている。大きな襟が特徴的で先の部分はレースになっている。さらに肌が出ることを気にしているのか上に羽織れる透ける素材の上着を持っていた。


二人とも私の服装を見て考えてくれたのか、肌が見えないような服装でさらに動きやすことを意識してくれているようだった。私はそのことがとてもありがたいと思う。肌を晒すのはあまり得意な方ではないし、元の世界では学校が私服登校であることをいいことにいつもズボンを履いていた。動きやすい服装の方が嬉しい。


「rinn, **!」


「リン、こっち!」


と二人から迫られ、どちらがいいのか迷ってしまう。どちらも素敵なコーデではあるし、二人がちゃんと考えて選んでいることが伝わってくる。悩んでいると、ロジェさんが


「一回着て、から、考えるでも、いい。」


と言ってくれたので、お言葉に甘えてきてみることにした。


先にロジェさんの服を受け取り、着てみる。試着室には鏡がないので自分の姿を確認することができないのが少し残念だった。シャツを着てみると、いつもとは違う手触りでとても柔らかい。さらにスカートを合わせる。鏡がないので分からないがこれは服に着られるという状態になっているのではないかと不安になる。こんな上品なものこんな庶民が着ても大丈夫なのだろうか。


試着室のドアを開けて、ロジェさんとカジェタノさんに見せてみる。


「あの、どうですか……?」


ロジェさんとカジェタノさんはこちらをみた瞬間、笑顔でうなづき、


「rinn, **!」


「うん、可愛い。」


とどちらもいいと言ってくれた。お世辞でも嬉しい。そして、カジェタノさんは待ってましたと言わんばかりに次の服を渡した。


「じゃあ、着て来ます。」


というと、カジェタノさんは笑顔で笑った。ロジェさんも


「いってらっしゃい。」


と声をかけてくれた。試着室に入り、服を確認する。この服の方が着られているという感覚がしそうである。やはり、ワンピースと似ている。着てみると、先ほどカジェタノさんが持っていた時には見えなかった花柄がたくさんあり、とても可愛らしい服だと思った。ただ、この服はとても着にくいのかもしれない。


(後ろのボタンが閉められない……)


体が硬い自分を恨むような気持ちになった。


(受験を理由に運動してなかったから……)


どれだけ後ろに手をやっても届く気がしなかった。しかし、この状態で誰かの力を借りるわけにはいかない。女性ならともかく、ロジェさんもカジェタノさんも男の人だ。こっちから、お願いされても困ってしまうだろう。しばらくもたもたしていると、誰かが扉を叩く音がした。


「リン、大丈夫?」


ロジェさんだと思い、声をかけてみる。


「あの、ボタンが……その、留められなくて。」


そういうと、ロジェさんは


「……入っても、いい?」


と声をかけてくれた。困らないだろうか。


「あの、おねがしてもいいですか?」


「じゃあ、入るね。」


そう言って、ロジェさんが扉を開けて、中に入った。そして、私の後ろ姿を見て、


「ここ?」


と言って、背中のところを触った。それに少し驚いて、びっくりして、体が少し跳ねる。そのことにロジェさんは反応して私から手を離した。


「あ、えっと、ごめんなさい。……驚いてしまっただけで……。」


そういうと、ロジェさんは


「大丈夫。……触っても、いい?」


と聞いてきた。私は


「はい、お願いします。」


と答える。緊張はするが、留めれないことには何もできない。ロジェさんは私の服の後ろのボタンに手をかけ、丁寧にボタンを留める。その時間はとても短い時間にも関わらず、とても長く感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ