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第五十三話『ブリタンニア』

 その他にも加工肉や牛乳、チーズなど様々なものを買った。親切な人達が紙袋ではなくひとまとめできるように、ダンボールのようではあるけれど、丈夫で、木箱のようなでもあるけれど、そこまで重くはないものに詰めてくれることがあった。私はその箱と上には紙袋をいくつか乗せていた。ロジェさんも両手に紙袋を大量に持っており、これ以上は買えないだろうと思った。


ロジェさんは私に


「ごめんね、重い?買う、しすぎ、した。すぐ帰る。大丈夫?」


と言った、私が


「はい!大丈夫です。」


と言うと、ロジェさんは家の方へと歩き出した。転ばないようにゆっくりと歩いていると、ロジェさんが、


「少し、持つ。」


と言った。とてもありがたいけれども、少なくとも今のロジェさんは絶対に無茶をして持つだろうと思い、


「大丈夫です。」


と言うとロジェさんは、


「本当に?リンの大丈夫、大丈夫、違う時ある。」


と疑わしく言った。しかし、「でも、」と言ってロジェさんの方を見ると、ロジェさんは、少し悩んだ後、


「……ごめんね。」


と言った。まだ、少し先ほどの出来事を引きずっているのだろうか。少し落ち着きがないように感じる。そうして少しずつ歩き始めたところで、ゲルーノくんが声をかけてくれた。


je,rinn(リン先生) und() je,roje(ロジェ先生), uii konn (手伝い)zer heifen(ます).」


と提案をしてくれた。


morke(ありがとう)geru-no(ゲルーノ)!」


というと、ゲルーノ君は少し、恥ずかしそうに顔を逸らした後、ゲルーノくんは私の上に乗っている紙袋へと手を伸ばしてきた。私が少ししゃがんだ。ゲルーノ君は紙袋を何個か持ってくれた。ゲルーノ君は、礼儀正しく、本当にいい子なのだなと思った。


先ほどよりも、ゲルーノ君のおかげで手が軽くなったので、先ほどよりも快適に動くことができる。ゲルーノ君に感謝をしながら、帰りの道を歩いた。


 ロジェさんが少し床に荷物を置き玄関を開ける。ロジェさんが


「先に、いいよ。」


と言ったので、「ありがとうございます。」と言って先に家の中に入る。そして荷物を置いた後、外で待っているロジェさんとゲルーノ君の元へすぐに行った。ロジェさんとゲルーノ君が何か話しているようだった。


je,roje(リン先生) , geru-no(ゲルーノ)!」


と声をかけると、二人は会話をやめ、こちらに気づいたようだった。ロジェさんとゲルーノ君は気が合うのだろうか。気づいたら、二人で会話をしていることが多い気がする。後で声をかけたほうが良かっただろうか。


「えっと、……uii() 、えっと、後の方がいいですか?」


ポリット語でなんと言うのかがわからなくて、ロジェさんにそういうと、ゲルーノ君は何の話かと思っているように首を傾げていた。ロジェさんは、


「大丈夫。」


と言ったので、ゲルーノ君から荷物を受け取ろうと思い、ゲルーノ君に


morke(ありがとう)!…… ve(それ) zu hafen(持つこと)!」


と言うと、通じたらしく、ゲルーノ君が私に荷物を手渡してくれた。まだ、ポリット語は語彙を知らなすぎると言うことを改めて実感する。荷物の単語もわからない。


(ロジェさんに後で聞いてみよう)


と思った。グルーノ君の荷物を受け取り、部屋の中に入り、また荷物を置いた。そしてまた戻ろうとすると、ロジェさんとゲルーノ君はまた話しているらしく、また邪魔してしまうのではないかと思い、しばらく、二人のことを見ていた。結構二人の会話が聞こえてくるが、ゲルーノ君とロジェさんは私には難しいような単語を話しており、全く内容については分からなかった。


ロジェさんが私の気配に気づくと、ゲルーノ君の頭を撫で、「morke(ありがとう)!」と言って別れていった。私も続いて「morke(ありがとう)!」と言うと、ゲルーノ君は笑顔で返してくれた。


「あの、さっきの会話途切ってしまいましたけど、大丈夫ですか?」


ロジェさんにそう聞くと、ロジェさんは笑って答えた。


「大丈夫。ゲルーノは、私の、学校のこと、聞くしたい。みたい。」


「学校のことですか?」


ロジェさんに聞くと、ロジェさんは


「学校は、研究?するところ。私はそこの、生徒?」


大学のようなものなのだろうか。ロジェさんは21歳と聞くけれど、この世界、そもそもこの時代自体が大学に行く年齢が違うのかもしれないが、ロジェさんが卒業しているとしたら、相当すごいことのように思う。


「ゲルーノは昔の文明が、気になる。みたい。」


「昔の文明。ジパングみたいな感じですか?」


ロジェさんはうなづく、


「特に、アルビオン。」


「アルビオン?ですか?」


「別の名前で、ブリタンニア。」


「ブリタンニア!?」


「知ってる?」


知っているの何もイギリスのことなのではないかと思う。確かローマ帝国時代の名前だったような気がする。英語はじゃあ存在していると言うことなのだろうか。


「英語……じゃなくて、ブリタンニア語はあるんですか?」


ロジェさんはうなづく、そして、


「昔の言葉、だから、今は研究する人だけ、話す。」


と言った。


「研究する人は多いんですか。」


「ジパングよりも多い、分かる、人で100人はいる。」


「そんなにいるんですね。」


もし、その人たちに会えれば、英語で通じるのかもしれない。ただ、おそらく英語も古代語になっているのだろう。だから、現代使いをしている人はいないはずだ。ロジェさんが少し不安そうな顔をした。


「会う、したい?」


なぜ、不安そうなのかは分からなかった。ロジェさんの知り合いの英語を学んでいる人は何か危険な人なのだろうか。ロジェさんがこれで安心するかは分からなかったけれど、


「今は大丈夫です。」


と言うと、ロジェさんは少しホッとしたような顔をして、


「じゃあ、荷物、しまう、手伝う、いい?」


と言ったので、


「はい!」


と返事をした。

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