表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/46

第二十七話『ティレのお祭りについて』

 その後、ゲルーノくんたちと同じくらいの子たちにロジェさんが教えた後、私はディーヴさんに捕まっていた。ゲルーノくんは先に帰ったようだった。


ロジェさんは少し他の子達と話しているようだ。ディーヴさんは私が一人になったところに来たので、ディーヴさんがなんの話をしているのかについてはさっぱり分からないけれど、ディーヴさんはそれでも大丈夫なのだろうかと思っていると、ディーヴさんが、


「リン!was(ワズ) motest (モーテスト)zer(ゼア) ****?」


といった。


「えっと、」


ディーヴさんが何を言っているのかはさっぱり分からない。すると、ディーヴさんは私が分からないことに気づいたのか、私が知っていそうな単語を使いながら、ジェスチャーで何かを始めた。


kirutto()


と言いながら、服を指さし、


kirune(マフラー)


と言いながら、首元のマフラーを指さし、


kiruhed(手袋)


と言いながら、ディーヴさんが手に持っていた手袋を指さし、


kiruherud(ニット帽?)


と言いながら、頭の毛糸で編まれた帽子を指さして、最後に


was(ワズ) motest(モーテスト) zer(ゼア) toreten(トレーテン)?」


と二つの棒を持って何かを編む動作をしながら聞いてきたので、「何を編みたいか?」ということなのだろうかと考える。もし、その予想があってしたとして何でなのだろうという気持ちが湧いてきた。


とりあえず一番簡単そうな、マフラーにしようかなと思い、


kiruen(マフラー)


と答えると、ディーヴさんはニコニコしながら、「***!」と何かを言った。他の子達と話終わったのか、ロジェさんが来て、私の方を見て、ディーヴさんを見た後、私に


「どうしたの?」


と聞いてきた。ロジェさんに


「何を編みたいか?みたいな話をしてました。」


というとロジェさんは少し不思議そうにした後に、納得したような顔をした。そしてディーヴさんと何か会話をしていた。ディーヴさんは先ほどの私との会話をロジェさんに説明しているようで、ボディーランゲージとして編む動作があったので、多分、マフラーを編む話かなと思っていると、ロジェさんが私に


「マフラー、編む、したい?」


と聞いていたので、やっぱりそういう意味だったんだと思い、うなづくと、


「誰に、あげる?」


と聞いてきたので、どういうことだろうと思い、


「誰に、ですか…?」


と聞くとロジェさんはハッとしたような表情をした後、ディーヴさんにも何かを話していた。すると、ディーヴさんもハッとしたような顔をしていたため、なんだろうと思っていると、ロジェさんが


「リン、ティレの、お祭りの話、知らないから、分からない、ごめん。」


と言われたので、いきなり編み物を編むという話はなんだったのだろうということが、お祭りにちなんだ話だったのかと少し納得した。


「今日は、ティレのお祭りの、30日前、だから、用意する。」


「用意ですか?」


ロジェさんはうなづく、


「ティレのお祭りの日、大切?な、人に、ものをあげる。だから、レチアノール、編む、する?聞いた。大切、な人に、あげるため。」


なるほどと思い、うなづきながら聞いていた。30日後にティレのお祭りがあって、その日には何か物をあげるらしい、だから、ディーヴさんは何か編むという話を私に持ちかけたし、ロジェさんは誰に贈るのかということを聞いてきたようだった。


「…私も参加していいんですか?」


私みたいな、外部の人間が参加していいのかはとても疑問だったため、ロジェさんに一応聞いておこうと思った。ロジェさんがその質問の意図がつかめないというように不思議そうな顔をしたので、


「えっと、私は別の世界から来たのに、地域?モリ・ハルドのお祭りに参加、じゃなくて、一緒に、やっていいのかなと思ったので、」


というとロジェさんは


「一緒に楽しむこと、大事!」


と言ってきたので、お言葉に甘えて私も参加することを心に決めた。そしてロジェさんに、


morke(ありがとう)!」


というと、ロジェさんも隣にいたディーヴさんも嬉しそうにうなづいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ