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第3話「異世界の本」

俺は3歳になった。


ようやく歩けるようになって、とても嬉しい。ハイハイは疲れるが新鮮な感じがして嫌いではない。

だが、やはり二足歩行というのは素晴らしい。一番しっくり来る。


そしてついにこの時が来た。俺はこの時を待っていたんだ、ずっと。

なぜかというと、やっと手が届くからな本に!

2階には本棚があり、そこには一冊の本があったのだ。おそらく長いこと放置されていただろう本、ホコリをかぶっていたあの本。

俺はそれが気になって仕方がなかったのだ。何しろ異世界の本だからな、何か有力なこの世界に関する知識があるに決まっている。そうに決まっている


俺はウキウキなテンションで2階に上がり、部屋の左側にあるカビ臭い本棚を見上げた。


「さてと、見てみようじゃないか」


俺は本を手に取り最初の一ページを開いた。


題名:始まりの英雄

:今から300年前、魔王がこの世界を支配していた悪魔の時代。人々は奴隷のように扱われ女、子供関係なく殺し、人々の自由を奪っていた。誰もが絶望し生きること自体が辛くなる。

そんな、逃れることのできない運命に争ったものがいた。英雄ゼクス・ファルガリオンだ

彼は魔法と剣術を使い、一人で魔王を討ち取った。

のちに人々は魔法を極めたものを三魔聖(さんませい)と呼び剣術を極めたものを三刃剣(さんじんけん)と読んだ


簡単にまとめるとこんな感じだ。まぁ、まさに王道というのに相応しい本だった。

俺がこの本から得られたことは少ないが収穫はあった。


一つ目:この世界には魔王が存在すること。

現時点で魔王がいるかはわからんが、いたというだけでも十分だ。


2つ目:魔法と剣術がある

魔法に関しては、母が以前言っていたから知っているものの、本当に存在するのか不安だったのでよかった。

剣術に関しては大体わかっていた。魔法がある世界なんだから剣などを使うのは王道だからな。


3つ目:異世界だということ。

これに関しては、一番重要だ。母が魔法がどうたらとか言っていたけども、実際に見たわけではないため確信が持てていなかった。


4つ目:魔法と剣術のそれぞれの最高峰の者たちがいる

やはり異世界だからそう言った格付けがあるのか。カッコ良すぎる、少し興味が湧いてきたかもしれない。


今んところ分かったのはこの4つだ。前よりかは知識が増えたと思うが、やはり物足りなく感じる。


「この本だけではわからないことだらけだな」

他に本がないか探してみたものの、この一冊のみだった。


どうしたものか....他にも知りたいことがあるのに。いっそのこと親にでも聞くか、でもまだ3歳なんだよなー

せめて5歳ぐらいがベストな感じがするし、保留かなー


ということで作戦変更、俺は今家の手伝いをしている。理由は新たな本を買ってもらうためである。

この世界の本の値段は知らないが、コピー機などがないため、すべて手書きか他の方法を使っていると思うので。

いい値段がすると思う。

仮にこの世界の本の価値が高いとする。果たしてそんなものを、家の手伝いをした程度で買ってもらえるのか。

答えは否だ。ではどうするのか?

その答えは、誕生日である。

俺はこの世界に来てからまだ一度も、誕生日を祝ってもらっていないのである。この世界に誕生日という概念があるかはわからんが。まぁ、あると信じたい


仮にあったとする。誕生日の時に俺は本を頼む。親はきっと悩むだろう。だがおれは、毎日家の手伝いをするいい子供という印象があるため、高価な本を買ってくれる確率は上がるだろう。


そこから毎日俺は、家の手伝いをしまくり、しまくり、しまくった。


ー1年後ー


今年も誕生日がなかった。くそ

「もう一年頑張るしかないのか....うおー」

俺はさらに努力した。


ーさらに一年後ー


「レオン。お誕生日おめでとう」

「おめでとう」



そう母さんたちに言われた。

とうとう俺の誕生日が来たんだ。やっとだ、この世界に来て初めての誕生日。前世以上に嬉しい

机の上には豪華なご飯、親の椅子の下にはプレゼント!

ちなみにプレゼントはあらかじめ何度もそれっぽいのを言ってあるので、期待だ!


美味しいご飯を食べている最中に母親が。


「レオン。はいこれ」


そう言い渡されたのは本であった。本だ!ついにきた。この時を待っていたんだ


「ありがとうお母さん」


そう言い俺は本を開けようとした時、ふと思った。何の本だ?

俺は本の内容に関しては何も言っていない。まずい

(これで変な子供向けの本だったらどうしよう)


俺は恐る恐る本を開き、中身を見た。


「地図?」


世界地図のようないろいろな大陸や都市の名前、情報が載っていた。


「どう?レオンは私の子だから知りたがり屋でしょ?だから世界地図とかがいいと思ったの」


そう、笑顔で俺に母が語りかけてくる。

それに対して俺は笑顔で


「ありがとう、ちょうど欲しかったんだよ」


にしても地図か悪くはないな。地理の知識はなかなか大切だからな、これを読んでさらにこの世界の知識をつけていこう。


俺は誕生日パーティーが終わり次第、自分の部屋に戻り本を読み進めていく。


ー補足ー

誕生日は5歳からなので、5刻みで誕生日があると思う。何歳まで続くかはわからないし、この世界の成人が何歳かはわからない。

前世では18歳だったが、5刻みなところを見ると15歳かもしれない。

前世の今は18歳だが、昔の時代は15歳だったらしいから、可能性はあると思う





















 




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