生きることの意味
1000文字エッセイシリーズ
生きることの意味
僕は生きている。
まだ、生きている。
ただ、それだけの事実があって、それ以上でもそれ以下でもなくて。
生きていて、苦しくて、もがいていて。
それでいて、どこかフワフワとしていて。
毎日、楽しくは暮らしているけど、どこか憂鬱で。
そんな世界の中、誰かを恨むことも、羨むこともしようとしないで。
盲目になって生きているのだ。
どこに行くのか?
自分と云う存在は。
何をすればいいのか?
何もしなくていいのか?
分からないけど、分かろうともしなくなってしまった……
きっと、生きる意味などないのだろうし、生きる意味などその場で生まれてくるものだ。
必死に生きても、もがいても、変わらない現実の中。
ただただ、僕は盲目になろうとしている。
人と云う存在。
自分と云う存在。
どこに。
ああ。
ただ、悟りの境地に達するのか。
全てを悟って、全てを諦めて。
全てを受け入れて。
全てを受け流して。
輪廻転生があるのなら、いったい次は何になっているのか?
ああ。
ただ、僕は……
僕は……
良いことも悪いことも、少しだけ時間が経過してみないと分からないものだ。
そして、僕は今日も生きる。
輪廻転生があるのなら、魂がサイクルを回転していくのなら。
僕はどこに行くのか?
生きている。
呼吸をしている。
食べている。
動いている。
恋なんてもうしなくなって。
愛を云う言葉をどこかで失って。
僕は天を眺めて、途方に暮れているのだ。
天には宇宙があって、別に天界があるわけではない。
神なんてものは創造物なのだ。
科学がそれを証明した時点で、人は神と云うものを信じることをやめてしまった。
天。
人。
地。
謎に包まれたベールは全て明かされてしまったのだ。
その中で、人は何にすがればいいのだ。
何に。
僕は天を眺めて。そして、僕は息を大きく吸った。