void 変身()
本日は作者体調不良により、1話の半分を投稿します。
「今日はお集まり頂き感謝いたしますぞ!」
そう言って大勢集まった騎士団の前に立っているのは翔太。
ついに完成したドライバーのお披露目会を行うのだ。
壇上には堂々とした出で立ちで白衣を羽織る翔太がいた。
ちなみに余談だが、白衣は翔太が作成したもので今までそういった服は無かったそう。
翔太は脇から白い布をかぶせた台を運んできた。
「今回騎士団の皆様にお見せしたいものはこれですぞ!」
そう言ってバサッと布を取ると、そこには隆太の持つ真っ黒なドライバーと対になっている真っ白なドライバーがあった。
その見た目から騎士たちは少しざわめく。
「これは、隆太君の持つドライバーを模倣して作った新たなアイテム。名付けて……」
そう言うと、翔太は頭をひねり、少し黙りこくる。
「そう!『チ―テッドライバー』ですぞ!」
「チ―テッドライバー?変な名前だな……」
「チィトになれるからじゃないのか?」
「まぁ、戦いが楽になるなら……」
翔太が名付けた『チ―テッドライバー』はやや不評だった。
しかし、自身が強くなれる可能性があることから騎士たちは沸き立っている。
そんな彼らに向けて、翔太はやや大きな声で伝える。
「すみませんが、このドライバー、使える人が限られております!適正者を確認するためにひとりずつこちらに並んでください!!」
騎士たちは翔太の言葉通り、少しばかり期待に胸を膨らませながら列を作っていく。
そこにさらっと紛れ込む隆太。
隆太の番になり、隆太が翔太の前に来ると、翔太は苦笑を返す。
「隆太君、君はもう自分のものがありますぞ」
「つい……」
「まぁ、試しにやってみるのもありですな」
そう言って翔太は球形の石を隆太に手渡す。
隆太はそれを手に取るが、何も起こらない。
「……?適正なし?」
「いや、逆ですな。これを持って、痛みが走るようであれば、適正なし、変身できませんぞ」
「なるほど」
それは皆が隆太の石を持った時にする反応であることに気づき、納得したように頷く隆太。