戦闘とレベルアップ
拙い物語を読んでくださいありがとうございます!
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【エンドレスファンタジー~戦闘とレベルアップ~】
EFでの戦闘はそれこそ現実的に無理の無い範囲で想像した通りに動かせる。
と言っても勿論ステータスの補正があるので、レベルが上がり、ステータスが上がれば現実離れした動きも可能になったりはする。
全ては想像力次第で、想像力が足りなければ幾らステータスが上がろうと余り役に立たない時もある。
全てはPCの前に座って遊んでいた時の事なんだけどな。
今現在こうしてこの世界で実際に動いているとまた勝手が違う。
目の前にいるのはモコモコと呼ばれる白い小さなモンスターだ。
儂はそいつに背後からナイフで襲いかかる。
イメージしたのは素早く突き刺し、モコモコがこちらに向き直る前に素早くモコモコの動きに合わせまた背後を取り、ナイフを突き刺す。
だがステータスが足りないせいで思う通り身体が動かない。
勿論現実世界の儂自身と比べれば比べ物にならない位身体は動かせている。
先程試した時も特に違和感無く自分自身の身体として動かせた。
ただ実際戦闘してみて、ゲームの中の儂のキャラと同じ感覚で戦ってみると酷く違和感が大きすぎた。
確かに儂のキャラと今現在の儂ではレベルとステータス、何よりスキルが全然違うのだから当たり前だった。
有頂天になっていた儂はその事に気付かずモコモコに襲いかかってしまった訳だ。
だが、所詮初めて此処に来る者の為のモンスター。
多少失敗したところで大した問題は無い。
実際儂が動けたのは背後からモコモコにナイフを突き立てる所までだった。
付きたてた瞬間、引き抜く動作自体が遅く、引き抜き終わった後もまた動くまでの動作が遅かった。
ナイフを抜いた時点でモコモコがこちらに向き直りその小さな体でタックルをしてきた。
そのタックルで少したたらを踏んだが直ぐに体制を立て直し、もう一度タックルしてきたモコモコを躱す。
躱した瞬間、もう一度真上からモコモコにナイフを突き刺し、光の粒になりながら戦闘が終了した。
一度目にモコモコにナイフを突き刺した時に赤い数字でモコモコの上に『25』と表示され、次に真上から突き刺した時に『32』と表示された。
是が与えたダメージだ。
恐らくモコモコから攻撃を受けた時儂の頭上にも赤い文字でいくつかの数字が浮かび上がっていた筈だが、実際この場所に立ってみると頭上なんて戦闘中に見ている余裕が無いので確認出来なかった。
とりあえず一度ステータスウインドウを開いてみる事にした。
ステータスウインドウを開き確認してみるとHPが100あったところが96になっている。
と言う事はタックルで受けたダメージは4と言う訳だ。
ついでにEXPも見てみると、0だったのが5になっている。
きちんと経験値も入っているのを確認して儂はウインドウを閉じた。
因みに此のゲームEFではHPの自動回復は座らなければ回復しない。
立ったままや動いている状態の時はそれこそ専用のスキルを取得していない場合以外回復しないのだ。
とりあえず未だHPに全然余裕があるので近くにいるモコモコに狙いを定めもう一度襲いかかる。
初めての者達が戦う場所だけあり、モコモコはノンアクティブ、ノンリンクモンスターだ。
だからこそ目の前で戦闘を行ったとしても、目の前の襲いかかって無いモコモコがこちらに襲いかかってくる事は無い。
先程の事を考えて今度はナイフで真横に切りつける。
そしてモコモコがこっちに向き直るのと同時に素早く横に回り込み斬りつける。
流石に二度目に斬りつけた時点でモコモコが儂に追いつきタックルをしてくるが、また横に避ける。
すぐさまナイフで斬りつけたかったが、未だしっかりと姿勢を整えていないのでギリギリ躱すのが精いっぱいだった。
一度躱し、改めて向き直ると、何も考えていないのかモコモコはまたタックルをしてきた。
儂はそれを余裕を以て躱しナイフで突き刺す。
一度目に斬りつけたときにダメージが13、二度目で14食らわせた為、次に突き刺すようなダメージの大きい攻撃をすれば倒せると思ったからだ。
案の定モコモコはナイフを突き刺すと光の粒となって消えて行く戦闘終了。
今回はダメージを食らわずに倒す事が出来た。
だが戦闘時間が最初に倒した時より掛かっている。
実際問題、動けるかどうかの実験中なのでそのあたりは今は未だ気にしなくても良いだろう。
さて次だ。
次に試したいのはナイフ以外での攻撃方法。
儂はとりあえずモコモコに近づくと思いっきり蹴り飛ばした。
いい感じでごろごろとモコモコが吹き飛び、こちらに向き直っては急いでこちらに向かってくる。
ダメージ自体は5とかなり低いが、上手く使えば体制を崩したりに使えるだろう。
実際PCの前でやってた時でもやってた事だが、実際問題この身体になってから出来るかどうかを試しておきたかった。
スキルを取らなくても最低限度の動きは出来るが、やはり隙などが大きくなる為、多様は出来そうにも無い。
とりあえず戻ってきたモコモコが儂にタックルをしてくるのを躱して今度は殴る。
ダメージは2。
やはり攻撃目的では使えないか。
儂はそう考えながらモコモコのタックルを受けた。
殴ったせいで体制が崩れたので躱す事が出来なかったのだ。
ダメージ自体小さいせいか、痛みも大して感じないので問題は無いだろう。
今度は地面の土を無理やり掘り起こし、それをモコモコに投げつける。
顔面に土をぶつけられたモコモコは小さな悲鳴を上げながら儂とは全然違う方向にタックルをかましたりしている。
これも実際使える様だ。
下が土や砂等の地形であれば地面から土や砂を取り相手に投げつける事で一時的な暗闇状態にする事が出来る。
石等があればなげて攻撃する事も出来る。
どっちにしてもきちんとしたスキルでは無いので効果時間は少ないが、一撃食らわせる程度の余裕は出来る。
儂はそれに素早く近づきナイフを突き立てる。
もう一度。
二度突き立ててモコモコは光の粒に変わって行った。
その後何度か戦いある程度身体が今現在どれだけ動けるのかと、ゲームで出来た事がそのまんま出来る事を確認し終えた。
後はとりあえずレベル上げだ。
勿論時々モコモコが落とすアイテムを拾うのも忘れない。
最初のころではかなり重要なポーション(赤)を落としてくれるのだ。
それ以外にモコモコの毛を落としてくれる。
確立としてはポーションが10匹倒して1個落としてくれれば良い方であり、モコモコの毛は2匹か3匹で一個落ちれば良い方だ。
これもLUKによって変動する。
LUK自体にステータスを振っていない儂には大して関係の無い事だ。
モコモコ自体は実際、素早く倒そうと思えば直ぐに倒せる。
何故なら背後から忍び寄り、ナイフを二回突き立てれば倒せるからだ。
動きの確認を終えた儂はその手順でモコモコをダメージを食らう事無く倒していく。
10匹目を倒した時漸くレベルが上がった。
頭上の方で光が爆発したような現象が起き、確認するとレベルが2になり、各ステータスが上がっていた。
サービスポイントが3割り振られているので儂は全てAGIに割り振った。
何故ならば、一刻も早くゲームの中の儂と同じ動きが出来るようにしたいからと、AGIが上がればそれだけ素早く動き攻撃を受けないで済むからだ。
モンスターを倒すのには時間がかかるが、それ以上にやはり命を大事にしなければいけない。
とりあえず儂は只管モコモコを倒していく。
ナイフを突き刺し突き刺し、そしてさらに突き刺す。
更に15匹倒した時点でもう一度レベルが上がった。
次は20匹であがり、最後レベル5になるにはそれから50匹倒して漸く上がった。
是で漸く此の始まりの大地から抜けられる。
儂の視界の端に光の柱が現れた。
あそこから抜けられるようになっている、儂はとりあえず今のレベルアップで得られたサービスポイントを割り振って、現在のステータスを確認した。
名 前:サヤ
種 族:獣人(鳥族)
専用武器:扇
所属C :無し
所属PT:無し
所属大陸:無し
レベル :5
EXP :0
H P:180
M P:90
S P:110
STR :5
VIT :5
AGI :38
DEX :26
INT :5
LUK :5
所持L :500L
重 量:150/2000
こうなっている、重量が増えているのはモコモコの毛とポーション(赤)のせいだ。
今現在モコモコの毛は50個、ポーション(赤)が6個だ。
まだ少しポーション(赤)の数に不安があるのでもう少しモコモコを倒す事にした。
せめて後14個は欲しい。
そんな事を考えてモコモコを倒していると結局ポーション(赤)を全部で20個手に入れた時にはもう一つレベルが上がって6になっていた。
スキル経験値もそれなりに溜まって、上げようと思えば上げられるのだが、未だ扇自体を手に入れていないので保留。
今現在覚えられるスキルの全てが扇が無ければ意味の無い物ばかりだからだ。
先に覚えておいても良いが、それ専用のクエストがあり、覚えていない場合その時にスキル経験値が得られるので我慢のしどころだ。
これも実際公式の情報に乗っている事だが、見ていない奴等は大概レベルが上げられるようになると直ぐに上げてしまう。
スキル経験値の取得だけなので其処まで大きな問題でも無いが、少しでも有利に進めたいと思うのはゲーマーの性だろう。
儂はとりあえず確認を終えると光の柱に向かって歩き始めた。
とりあえず此処で出来る事は終わったからだ。
後はこれから、大陸でそれぞれクエストやモンスター等と戦って自分自身を鍛えるだけ。
特にオンラインゲームらしく何らかの目的を決められたゲームでは無いので何をするにしても自分次第で自由だ。
だからこそ儂は先ず強さを身につける事を目指そうと思っている。
理由は簡単だ、儂自身がただ単純にそうしたいから。
とくに深い理由なんかは本当は無い。
そうしたいと思った事だけが理由の単純な物。
儂は自分で我儘だと思いながら苦笑を浮かべた。
さて、後は何処に出るかを考えるだけだが、それも実は決まっている。
出る場所は中央のチュウ大陸。
モンスター自体は少し厄介だがその分経験値が美味しく、モンスターが落とすアイテムによる金銭面も美味しい。
最初だからそれほど差が出る物でも無いが、小さなものからコツコツとだ。
何より、全ての大陸の中で一番物資と人が集まるから扇が手に入れやすいと言うのも理由だ。
扇自体店売りでは売っていない。
専用武器なのにあり得ないと最初の頃は思った。
いや、実際問題今でも思っている。
だからこそ扇を手に入れる為には最初は誰かから買うしかないのだ。
幸いなのは中級レベルのモンスターが落とすドロップアイテムに扇がある為、そこそこ低価値で売りに出されている点だろう。
まぁ威力の高い扇とかはそれこそ上級レベルのボスとかじゃ無ければだけどな。
と言っても殆どの武器がそうな為、ただ数が少ないのと店売りされていない点を除けばそのあたりは変わらない。
「はぁ、取り合えず扇が儂でも変える値段で売っていれば良いんだけどな」
儂はそうぼやきながら光の柱の中に入って行った。