キャラクター設定
キャラクター設定と言うのはあくまでタイトルであり、人物紹介とかではありません。
本文のつもりで書いておりますので、是非読んでみてください。
お願いします。
【エンドレスファンタジー~キャラクター設定~】
突然、そうその言葉が適切な感じで突然目の前が開けた。
眠りの状態からいきなり覚醒して動きだしていた様な感覚だ。
いまいち良く解らない例えだが、儂はそう感じたとしか言えない。
そして開けた視界の先は白い光溢れる何も無い空間だった。
「さてはて、儂はあれで死んだんじゃないのか?それともまだ生きていて夢でも見ているのかね」
儂はぽつりとそんな独り言を漏らす。
まぁ黙ってつっ立っていても仕方が無いので本当に何も無いかをぐるりと見渡す。
やはり何も無い、そう思って視線を落とした足元にそれがあった。
『キャラクター作成』と書かれた文字とウインドウの様な物が。
儂はとりあえずそのウインドウに手を伸ばしてみる。
それ以外何もやる事が無いのだから仕方が無いだろう。
そのウインドウの様な物に触れるとPCのマウスでクリックしたときの様な感じでウインドウが消え、視界に映る景色が切り替わった。
先程まではただの白い光が溢れるだけの空間だったが、今度は真っ黒い何もない空間だ。
やはり回りには何もない、もしかしてと足元を見ると其処には『キャラクター名』と書かれたウインドウの様な物があった。
同じように触ってみると次に『名前を入力してください』と言うウインドウの下に空白のウインドウが現れた。
どうやって入力したものだが解らないのでとりあえず声に出してみる事にした。
「鞘」
すると空白の部分に『サヤ』と表示されその下に新しいウインドウで『OK』と『NO』のウインドウが現れた。
とりあえず『OK』のウインドウを押すと次に『ステータスのサービスポイントを割り当ててください』と言うウインドウが現れた。
此処まで来て漸く儂は是が今までやり続けたゲームの初期キャラクター作成画面と同じ状態だと言う事に気がついた。
夢を見ているだけなのか、それとも念願の死後の世界でのゲーム世界での暮らしが達成されているのか未だ解らないが、そうと解れば張り切って先へと進める。
儂がやっていたオンラインゲームは『Endless Fantasy』、通称EFと呼ばれているMMORPGだ。
良くあるファンタジー系のRPGと同じ様な感じのEFの特徴と言えばそのアクション性。
通常マウスクリックかキーボード、良くてゲームパッドでの操作しか無かったMMORPGだったが、このEFは思考操作と言う物を使っている。
専用の機械を頭に付け、その機械が思考を読み取り考えたまま動かすと言う物だ。
良くネット上のVRMMO系の小説やSSに出てくるバーチャルリアリティシステムの前段階の機械のように儂は考えていた。
VRと違い、実際そのゲームの中に入る訳でも、視界がリアルになる訳でも無く、当たり前のように画面はPCに移るそれでしか無かったが、それでもその機械は画期的で爆発的な人気を誇っていた。
そして今儂が目の前にしているステータスのボーナスポイントの割り振り、これでこれから進む道が決まると言っても過言では無い。
何故ならこの最初の割り振り、唯の割り振りでは無く、これから伸びて行くステータスの才能値としての効果もあるからだ。
才能値、此のゲームEFはレベルが上がるごとにサービスポイントが3ポイント割り振られる。
それ以外に自然と全能力がこの初期設定のボーナスポイントの割り振り結果に応じて少しずつ上がっていく。
それを知らずに変な風や中途半端にこのサービスポイントを割り振ると後々大変な事になる。
此のゲームのステータスは六種類。
STR。
これは筋力、俗に攻撃力の増加や物を持つときの最大容量の増加が上げられる。
純粋にこのSTRが高くなればなるだけ、相手に与えるダメージの最低値が底上げされるので、前衛系統の職業では必須のステータスだ。
VIT。
これは体力と言うか頑丈さと言うか、そんな感じの物で最大HPと防御力が上がる。
前衛系の耐える型や支援の耐える型にはかなり重要であり、相手から受けるダメージの最大値と最低値を下げられるので、ステータスが余った時、後衛や他の前衛、支援もこれに割り振る事が多い。
その上状態異常の耐性効果もある。
AGI。
これは脚力と反射神経で攻撃を避けたり、素早く動いたり、攻撃速度を速める効果がある。
前衛系と後衛系が回避目的の時に上げる物で、多数の敵に囲まれたりすると危険だが上手く立ち回れば殲滅力の向上効果もあるが、基本的に一撃の大きさはSTRかDEXに比例する。
手数で押し切る為、攻撃力自体が低くてもそれなりの戦力になる。
DEX。
これは器用さ、弓等の遠距離武器や投擲武器、細かな作業が必要とする攻撃や作業、魔法を使う際必須になってくるステータスだ。
弓等の遠距離武器屋投擲武器の場合、DEXを上げるだけで精密さが上がり相手に与えるダメージが上がる。
細かな作業をする攻撃や作業、魔法の場合はその発動速度が速くなる。
それ以外にも、魔法以外の全ての攻撃を充てるために必要な命中率もこのステータスによって変わってくる。
因みに武器によってはクリティカルを出す確率の上昇効果もある。
INT。
これは知力、精神力が上がる為MPとSPが増え、魔法によるダメージ、回復量や効果が上昇する。
基本的に後衛の魔法や支援の為のステータスであり、前衛系であっても技を使うときに使うSP確保の為にある程度上げる事が多い。
勿論魔法に対する耐性効果もあり、知略戦略等の頭脳を使う場合には此のステータスが無ければ話しにならない。
LUK。
運。
それ以外の何物でも無く、アイテムのドロップ率、瀕死時の回避率が上昇する。
これを極めた者はある意味凄いとしか言いようが無い。
何故なら普段、相手との戦闘で此のステータスが役に立つのはそれこそ瀕死時による回避率だけであり、それ自体それほど大した物ではない。
真価を発揮するのはそれこそ戦闘終了後のアイテムドロップのみと言っても過言では無いが、ステータスが余った時、これにステータスを割り振る物好きも結構多い。
この六つのステータスに最初に与えられるボーナスポイント10を割り振る。
此処で注意しなければいけないのが才能値の他に才能値の上限だ。
例えばこのサービスポイント10を全てSTRに割り振るとしよう。
そうするとレベルアップ時の才能値ボーナスとしてSTRに+6のポイントが割り振られる。
基本的に才能値が0の場合、レベルアップ時のボーナスは+1になるので+5増えた計算になる。
だがこれは最初に与えられたボーナスポイントを5しかSTRに振り分け無かった時でも変わらない。
つまりだ、才能値の上限は5までしか上がらない。
だからこそ、最初に勢いついてそんな馬鹿な真似をすると後悔する事になる。
最初の情報収集を甘く見た馬鹿な奴等は此処で殆ど失敗を犯す。
最初に10のサービスポイントをもらえると言う事は、才能値限界までのステータスを二つ作る事が出来る。
勿論中には平均にして始める者や、三種類にする者もいる。
一概に二つだけに絞った奴が強いと言う訳でもないが、それでもやはり二つだけに絞った者の方が強い事が多い。
だからこそ此の情報を知っている殆どの奴はこの最初のボーナスを割り振る時は、最初にどの様な成長をさせるか、どう言ったスキルや武器防具を身に付けるか等を考えてからやる。
かく言う儂もそうだ。
儂は基本的に人と同じ物は嫌だと言う、流行物が嫌いな傾向がある。
まぁだからと言ってあからさまに弱いステータス選択をしたりはしない。
儂が選んだのは珍しい武器を使った戦闘方法を取る事だった。
その武器を使う為に必要なステータスはDEXとAGI。
だからこそ儂は夢が現実か解らない今のこの状況でも、一番慣れ親しんだ儂自身のキャラと同じステータスにする。
サービスポイントの割り振りはDEXに+5、AGIに+5だ。
こうしてステータスの割り振りを終えると、次に使用武器の選択に移る。
この使用武器の種類は十九種類にも及ぶ。
短剣。
ナイフ等の短い刃の片手の武器。
スキルによって両手に一本ずつ装備する事も可能な武器だ。
攻撃速度はかなり早く小回りが利き、場所も取りづらいので予備として持ち歩く者が多い。
片手剣。
片手用の剣で一番扱っている者が多い武器。
スキルによって両手に一本ずつ装備する事も可能な武器だ。
扱いやすさでは短剣、鈍器に次いで三番目となっている。
比較的攻撃速度は速い。
両手剣。
一撃の破壊力は両手斧に次いで二番目。
斧より攻撃できる範囲が広い為、斧より両手剣を使う物が多い。
攻撃速度はかなり遅い。
相応の筋力が無ければ持つ事すら出来ない。
片手斧。
比較的攻撃力が高く、物によっては投擲する事も可能。
片手剣より攻撃力が高い分攻撃速度は遅い。
相応の筋力が無ければ扱えない武器だ。
両手斧。
一撃の破壊力でこの両手斧に勝る物は無い。
ただ攻撃範囲が狭く、かなり重い。
それでもその一撃の破壊力の為、両手剣程では無いが扱う物は多い。
片手槍。
攻撃力は片手剣程度で範囲が広い。
両手剣と同じ程度の間合いであり、攻撃速度は熟練度によって変わってくる。
懐に入られた時の対処のため、盾を装備出来るようになっている。
両手槍。
破壊力は片手剣より少し強い程度だが、急所を突けば一撃で倒す事も可能な武器。
ただし、それ相応の技術と、力が無ければ急所を突く事すらできないので扱いは難しい。
それでもその範囲は両手剣よりさらに広く、距離を持って戦える事から人気は高い。
懐に入られた時の対処方法はそれぞれで身につけなければならない。
片手鈍器。
攻撃力自体は短剣より上であり、片手剣より下程度。
ただし頭を強打させたりすれば気絶させたりすることが可能なため、使い方によっては便利。
木の棒や小さな棍棒が当てはまる。
両手鈍器。
片手鈍器より気絶させられる確率が上がった武器。
モーニングスター等の高い攻撃力を誇る物もあるので、攻撃力の高さは片手剣程度から両手剣までの幅広い物がある。
ただし高い攻撃力の鈍器はどれもこれも扱う難易度が高すぎる為、扱える者は少ない。
片手杖。
攻撃力自体は殆ど無いが、INT上昇効果がある物が多い。
短めの小さな杖であり、もしもの時の為に持ち歩くのが殆どの武器。
両手杖。
攻撃力自体は殆ど無いが、INTが大きく上昇する効果がある。
両手で持たなければならないほど重く長い杖であり、儀式魔法を使う際の魔法陣等を描くにも必要な為、魔法を使う者にとっては必ず必要な物。
本。
様々な本で、料理等の本から果ては魔術書等の類もある。
魔術書を持っていればそれに記載されている魔法を使ったりできるので、INTが高い支援等が持っている事が多い。
料理本等は基本的に趣味で料理を作る者が持っていたりする。
ナックル。
両手に付ける武器であり、格闘武器。
メリケンサック等の己の身を鍛え上げた者にしか真価を発揮させる事が出来ない武器だ。
カタール。
武器の中で一番の素早さを持つ武器であり、独特の形をしている。
扱うにはそれそうの技術が必要だが、その攻撃速度の速さと、毒等の特殊効果がついてる事が多い為人気は高い。
鞭。
攻撃力自体は片手剣と大差ないが、巻きつけたり、絡ませたり等の妨害から、木の枝にぶら下がったり等の事も出来る為、凡庸性が高い。
洞窟等に潜るときには、鞭を扱える者がいるかいないかで難易度が変わる時もある。
弓。
長距離からの攻撃を可能とした武器であり、使う矢によって様々な効果を付ける事が出来る。
稀に弓自体にも特殊効果が付いてる物もあるが、扱う為には技術が必要であり、器用さが無ければ命中させる事すら難しい。
刀。
攻撃力自体は両手剣より少し劣る程度。
ただし、その切れ味から上手く使える者であれば、首を切り落とし絶命させたり、腕や足を切り落とし飛躍的に戦闘能力を下げる事が出来たりする。
ただしその扱いはかなり難しい。
武器自体脆い為、下手な使い方をすれば一撃で折れたりもする。
銃。
一発の威力は高いが、効かない相手もいれば、その一発の弾自体が高価。
比較的に初心者でも扱えるが、金銭面から最初から扱う者は少ない。
扇。
当初物珍しさから取得する者が多かったが、普通に扱った時は攻撃力自体短剣以下で範囲も短剣以下。
普通に振って当てたとしても、鉄扇を使った場合、鈍器より尚低い確率での気絶がさせられるかどうか。
基本的に舞というスキルが無ければ全く使えない武器。
ただし、舞というスキルと、扇自体の扱い方、技術等を身につければ攻撃力が片手斧程度になり、ただ攻撃するだけで中確率で相手を魅了効果にする効果がある。
ただし、その為に必要な技術を得る前に飽きるか、挫ける者が大半の為、かなり扱っている者は少ない。
そして儂が扱っているのが扇。
扱っている者が少ないからこそ選んだ武器だったが、今ではこれ以外の武器が考えられなくなっている。
武器選択を終えると、次に種族選択になる。
ただし此処がEFでもかなり批判の対象になった部分だった。
なぜならば、外見自体殆どの場合が本人そのままになってしまうからだ。
思考を読み取って再現する為、細部に至っては違う部分もあるが、どうしても自分と思い浮かべた時一番初めに思い浮かべるのが鏡を見た時の自分になる。
その為、大半の人が自分そのまんまでEFを遊ぶ羽目になるのだ。
中には自分自身をこうだと思い込んでいる人も居て、そう言う人達は現実の自分と全然違う場合もあったらしいがそんなのは稀だったらしい。
そして選べる種族と言うのがまた酷く、その外見的特徴から候補が自動選択される。
例えば顔立ちの整っている者であれば、エルフ等の種族も選べるが、お世辞にも普通とも呼べない様な者の場合、ドワーフやらホビット、ヒューマン等しか選べない場合もある。
何度も問題になったが、何時も「本人の想像力次第です」という回答で終わり、改変が見られなかった。
それでも人気があり続けたのはやはりその思考でキャラクターを動かせると言ったシステムの為だろう。
因みに種族は七種類ある。
エルフ、一番綺麗な顔立ちや長い耳が特徴。
ハーフエルフ、エルフほどではないが整った顔立ちとヒューマンより少し長く、エルフより少し短い耳を持つのが特徴。
獣人はそれぞれ、猫族、虎族、竜族、犬族、狼族、鳥族の五つがある。
猫族は猫特有の瞳と癖っ毛のある髪と猫耳、尻尾が特徴。
虎族は腕と足に虎も様の毛皮と尻尾が特徴。
竜族は腕と足を多い硬い鱗と太く長い竜の尻尾が特徴。
犬属は黒い鼻と手と足に毛皮が生えており、頭の犬耳と尻尾が特徴。
狼族は鋭い牙と丈夫な爪に尻尾が特徴。
鳥族は背中に生える白い翼が特徴。
ヒューマンは特に特徴は無く、それぞれの想像力次第で好きな顔立ち体型になる。
ノーム、全ての種族の中で一番小さく、老人顔なのが特徴。
ホビット、濃い体毛と大人でも120センチに届かない程度の身長が特徴。
ドワーフ、ヒューマンより少し小さい程度だが、屈強な肉体と厳つい顔持ちが特徴。
そして儂は運の良い事に登録した当初はそれなりに見れる顔立ちと外見だった。
その中で選べる種族はエルフ、ハーフエルフ、獣人、ヒューマンだった。
そこで儂が選んだのは獣人。
獣人の中にも色々あり、その中の鳥族が気にいったからだ。
何故ならば空を飛ぶ事は出来ない物のその背中には綺麗な白い羽が生えているからだ。
儂は舞を舞う時、この綺麗な白い羽があれば効果が上がるのではないかと考え、その種族、獣人の鳥族を選んだのだ。
今回も同じくエルフ、ハーフエルフ、獣人、ヒューマンが選択可能だったので獣人の鳥族を選択する。
次の瞬間、若い頃の顔や肉体に綺麗な白い翼を生やした儂が立っていた。
今の今まで全く気付かなかったがその瞬間まで儂自身の身体は無かった。
不思議な事もある物だと考えながら足元に『やり直し』『OK』の二つのウインドウがあったのでOKのウインドウに触る。
そして次の瞬間儂はEFの始まりの大地に立っていた。