奴隷の押し売りがやってきた
街の外れにある少し大きな家。そこに青年が1人住んでいた。
両親は青年が大きくなったことで「新しい家族を作ってくるからちょっと待ってろ」という言葉と大金を残して旅行に出たきり帰って来ない。ただ、月に一度ラブラブしている様子がありありと想像できる分厚い手紙を送ってくるので生きてはいるのだろう。
そんな好き勝手する両親の能天気な姿を想起した青年は、自分も両親の金を使って好き勝手遊んでやろうと目論んだ。ちょうど、そんな日のことだった。コンコンと鳴る玄関の扉。開けてみるとそこに立っていたのは自分の理想を体現したような獣人だった。
「私を買ってくれませんか?」
「性別は?」
「女です」
「帰れ」
体現したような、獣人だった。
つまり、体現していなかったのである。
両親は青年が大きくなったことで「新しい家族を作ってくるからちょっと待ってろ」という言葉と大金を残して旅行に出たきり帰って来ない。ただ、月に一度ラブラブしている様子がありありと想像できる分厚い手紙を送ってくるので生きてはいるのだろう。
そんな好き勝手する両親の能天気な姿を想起した青年は、自分も両親の金を使って好き勝手遊んでやろうと目論んだ。ちょうど、そんな日のことだった。コンコンと鳴る玄関の扉。開けてみるとそこに立っていたのは自分の理想を体現したような獣人だった。
「私を買ってくれませんか?」
「性別は?」
「女です」
「帰れ」
体現したような、獣人だった。
つまり、体現していなかったのである。