第2話「突然のホリデー」
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新しく増えた妹、セイラをいたく気に入ったのか、サクヤ姉ちゃんがセイラを自分の膝の上に座らせてめちゃくちゃに可愛がっているのを眺めながら(セイラも満更ではなさそうで、ツインテールがふるふる揺れていた)、俺はそろそろヨミが出てくるのではないかと待ち構えていたのだが、果たして予想通りにヨミが現れてくれた。
『ふむ、無事にこの世界の妹とも出会えたようじゃな』
「出たなヨミちゃん!!」
「お風呂場以外にも現れるんだね~」
「うおっ!?突然現れて何者じゃお主は!?
おまけに妾と話し方が被っておるではないか!?」
同じく予想していたのかカズヒとモトカ(モトカの場合は未来視したか)は、大して驚きもせず反応したが、ヨミに初めて会うセイラはかなり驚いていた。
いや、俺の影から呪術『影移動』で突然現れたセイラにもかなり驚かされたがな?
『我のことは先程イツキから説明があったじゃろう?』
「むっ…、ではお主がお兄ちゃま達を【次元航行者】とやらに任じたヨミか」
『うむ、その通りじゃ』
「して、何用じゃ?
ここは妾とお兄ちゃまの、
いや、今日からはお姉ちゃま達も含めた妾達家族の屋敷じゃ、
部外者が用もなく勝手に屋敷内に入ってきてよいものではないのじゃ。
せめてきちんと玄関から入って来るのじゃ」
『ふむ、それは失礼したの。
これからは気を付けよう』
「分かればよろしいのじゃ」
チャイム鳴らして玄関から入ってくるヨミってのもシュールだな…
「それでヨミ、この世界に転生していた妹、セイラとは無事出会えた。
となると、この世界ですべきことはもう無いように思えるんだが、もう次の世界へ行くのか?」
『うむ、その件なのじゃがな、こちらにも色々と事情があっての、
次の世界へ旅立つのは一週間後になるのじゃ』
「一週間?」
「では、その間にわたくし達は何をすればよいのでしょう?」
『自由行動じゃ』
「自由行動?」
『うむ、修学旅行などでもあるじゃろ?
一日だけフリーな日、みたいなのが、あんな感じじゃ』
いきなり自由行動、と言われてもな…
『まぁ、これまでの戦いの疲れを癒すもよし、
魔王ヤミとの決戦に向けて特訓をするもよし、
はたまた“竜の涙”を集める旅に出てもよいが、
とにかく一週間後に皆が無事にこの屋敷に戻ってくるのであれば何をしてても構わん』
さすがに一週間で“竜の涙”を全て集めるのは不可能だな。
それに集めた所で叶う願いは…
そんなことを考えていると、いつの間にかヨミは姿を消していた。
本当に神出鬼没だなアイツは。
「ということのようですが、どうされますか、お兄様?」
「…どうしようか?」
「それでしたら、とりあえず今日の所は家族の皆さんで出掛けられたらどうですか?」
そう言ったのは、新しいコーヒーを淹れてやって来たメイさんだった。
「そうだな、そうするか!」
「いいねー!この世界にも“あるあるCity”的なものあるかな!?」
“あるあるCity”とは、俺達の世界の小倉駅北口を出た所にあるアニメなどのサブカルチャー専門店が多く入る商業ビルのことで、以前マコト達の世界で名前を変えた“コクラアニメ文化シティ”に皆で遊びに行ったことがあった(詳しくはSideBを読んでみてくれ)。
「いいですわね!この世界のアニメ文化、気になりますわ!!」
「ヒーローは!?特撮ヒーローはどんなのがいるかな!?」
「カズヒもイツキもキョウカも盛り上がってるとこ悪いけど、この世界のお金とか持ってないでしょ?」
「そうか、またお金の問題が発生するのよね…」
「うっ…お金…、頭がっ…!」
「ねーねーはお金使いが荒いからにゃー」
「いやいや、あれはだってリンちゃん買うのに貰った全財産注ぎ込んだだけだから!
必要経費だったんだから!!」
「金なら妾がたくさん持っておるぞ?」
「え、セイラ、それってどういうこと?」
「まさか~、現世ではお金持ちの家の子とか~?」
「いや、普通の“吸血鬼”の家に生まれた普通の子じゃが、
先日巻き込まれた事故で両親が亡くなっての、その遺産やら何やらが残っておるという話なんじゃが」
「え!?セイラちゃんの両親亡くなったの!?」
「うむ。…そうじゃな、皆には一応話しておいた方がよいかの」
そう言ってセイラが語った内容はこんな感じだった。
今この世界では、亜人も妖獣も人間も、さらには先の大戦で生き残った魔人達の子孫もが、共に暮らす平和な世界となっているようだ。
そんな時代に、普通の“吸血鬼”の家系に転生したセイラは、ある日両親と共に車で家族旅行に出掛けていたが、その道中で事故にあい、両親は即死、セイラも生死をさ迷う程の重傷を負ったが、その時に前世の記憶を思い出し、同時に魂の覚醒に至って“真祖”としての力も取り戻したことから、医者も驚く程の回復力をみせ、助かったという。
その後、身寄りもないセイラは施設に送られるだろうことが予測されたため、呪術『成人化』で大人の身体となり、自らをセイラの親戚と偽り、一人二役を演じて病院を退院し、両親の葬儀や遺産の相続等を行った。
それから、ふと前世で一番最初に見つけた思い入れのある“竜の涙”のことが気になり、前世の記憶を頼りに、自らが死ぬ直前に封印した場所へと向かうと、封印はそのままだったのだが、封印のための門番として配置していた自らの“幽霊人形”にまさかの反逆を食らい、危うく死にかけたがなんとか“幽霊人形”を倒し、封印していた“竜の涙”を取り戻すことが出来た。
その後はしばらくネットカフェ暮らしをしていたが、なんとなく前世の頃に暮らしていたこの場所のことが気になり、すでに滅びた村で何も無いのは承知の上でやって来たところ、自分達の住んでいた屋敷のあった場所に真新しい屋敷が建っていて、中からは何者かの気配がする。
それでセイラは、自分達の思い出の場所が土足で踏みにじられたと感じ、『影移動』で屋敷に潜入して、今に至るということらしい。
「しかし、冷静になって考えれば、妾達がここに住んでおったのは1000年以上も昔のことじゃし、
新しい人間が住んでおっても何もおかしくはないんじゃよな。
むしろ、ここら一帯だけ1000年前、妾が暴れた当時のまま残されとる方がおかしいわけで」
「え?ここにあった村は“吸血鬼狩り”の人達が滅ぼしたんじゃないの?」
「うむ、村の民を殺し、一部の珍しい妖獣や亜人達を捕らえて売りさばいたりしたのは連中の仕業じゃが、
その後で、村で好き放題しておった連中ごとこの村を焼き払ったのは妾じゃ」
これは後に知ったことだが、その時にセイラがたった一人で腕利きの“吸血鬼狩り”連中を村ごと滅ぼした一件から、後の世の人間が“真祖”には近付くなという戒めのために、ここら一帯を当時のまま保存することに決めたらしい。
ちなみに、俺達の住んでいた屋敷も当時のまま保存されていたらしいが、俺達が今イツキの屋敷ごと転移してきたことで、一時的に屋敷と屋敷が入れ替わっているようだ。
イツキの屋敷が再び転移すれば、ここには元の俺やセイラ達が住んでいた屋敷がこの場所に戻ってくるのだろう。
「さて、話が遠回りしたが、元に戻そうかの。
そういうわけじゃから、妾にはそれなりの財産がある。
一週間程度であれば普通に暮らせるし、遊ぶ余裕もあるぞ?」
「でも、それはセイラちゃんの両親が残してくれたお金だし、
私達が使っちゃってもいいのかな?」
「何、妾の家族のために使うのじゃから、
両親も納得して許してくれるじゃろうて」
「そういうことならお言葉に甘えちゃおうよ、お姉ちゃん!」
「カナンちゃんはもっと遠慮すべきなんじゃないかしら?」
「おじさんから貰ったお金全部使いこんだ人が言うと、ある意味で説得力が凄いぞ」
「だーかーらー!あれは必要経費だったんだから仕方ないでしょー!
普段使いする分にはちゃんと考えて使うからー!」
「本当かにゃ~?」
「本当だってばー!」
「はいはい、カナンお姉様をからかうのはそこまでにしておいて。
セイラさんのご両親の遺産を使わせて頂くにしても、
まずはそのご両親にご挨拶しておきましょう。
セイラさん、ご両親のお墓はこの近くなんですの?」
「わざわざそこまでしてもらわなくても良いのじゃが、
しかしそうじゃな、両親に皆のことを紹介しておきたいしの。
ここからじゃと少し距離があるが、妾の『影移動』であっという間じゃ」
というわけで、まずはセイラのご両親の墓参りをすることになった。
*
メイさんとセイさんとレイさんには、今日から屋敷に住むことになるセイラちゃんの部屋の準備と、今夜の夕飯の支度等で屋敷に残ってもらい、あたし達はセイラちゃんのご両親のお墓参りをすることになった。
「では、まず皆で手を繋ぐのじゃ」
セイラちゃんの指示で、あたし達はぐるっと輪になる形で手を繋いだ。
「よし、このまま手を離すでないぞ?
では、いくのじゃ。
この世に残留せし呪力よ、我に従い我が力となりて、我らが身を望む地へ!」
セイラちゃんが呪文を唱えると、セイラちゃんの影が大きくなっていってあたし達全員の足下に広がっていった、と思う間も無く、あたし達はその影の中に吸い込まれ、一瞬辺りが真っ暗闇に包まれた。
だがその暗闇も一瞬で、直後には浮遊感に包まれ、光が見えたかと思うと、あたし達は墓地にいた。
「着いたぞ」
「す、すごい、本当に一瞬で…」
「これが呪術『影移動』、なのですね?」
「アタシ達の使う精霊術みたいに詠唱がいるんだ」
「ああ、ただ一つ違う点があるとすれば、詠唱の後で術名をわざわざ言う必要は無いという点かな。
精霊術の場合は術名まで含めて詠唱呪文になるが、呪術の場合は必ずしも術名を言う必要はないんだ。
まぁ、様式美で言う人もいたにはいたが」
「妾も攻撃術で気合いをいれたい時なんかには術名まで唱えるのー」
「へー」
あたし達が着いたのは、いわゆる共同墓地というやつで、あたし達の世界で言う大里にある“城山霊園”にあたる場所なのではないか?
「ではついてくるのじゃ」
セイラちゃんを先頭に霊園内に入っていく。
周りにお墓しかないせいからか、昼間にも関わらずひんやりとした空気が辺りに漂っている。
そう言えば、“城山霊園”って福岡じゃ有名な心霊スポットで、噂によると昼間でも“見た”人がいるとかなんとか……
と、そんなことを考えているとキョウカちゃんとリンちゃんがやたらとケモ耳や尻尾をピクピクさせて、周囲を伺っている。
「キョウカちゃん、リンちゃん、どうしたの?
何か気になることでもあるの?」
「えっと、気になると言うか、何かに見られているような感じがするぞ…」
「リンも、何か生暖かい視線みたいなのを感じるのにゃ…」
「それって、まさか幽れ、」
「ちょっとカズヒ!変なこと言わないでよ!?」
「あ、ハルカちゃんの後ろ」
「きゃああああああああああっ!?」
「むぎゃっ!?」
ハルカちゃんが飛び叫びながらキョウカちゃんに抱き付いた。
そういやハルカちゃんは大のお化け嫌いだった
「…と思ったら気のせいだった」
「こんのっ…、バカズヒッ!!」
「あ痛っ!?そんな本気で殴らなくても!?
ちょっとしたジョークじゃーん!」
「ほらほらカズヒさんもハルカさんも、お墓であんまり騒ぐものじゃありませんわよ?」
「だってカズヒが幽霊がいるなんて言うから!」
「幽霊がいるとは、はっきり言ってないもん!」
「でも、何かがいるっぽいのは確かっぽいぞ?」
「ちょっとキョウカまで…」
そんなことを話していると、先頭を歩くセイラちゃんが口を開いた。
「ああ、妖獣であるキョウカお姉ちゃまとリンお姉ちゃまはさすがに感じるか」
「か、感じるって…?」
「まぁ、ご想像にお任せするのじゃ。
妾が言えるのは、ここは霊的なものが集まりやすいスポットで、
呪力もかなり多分に存在しており、感覚に優れる妖獣らにはその辺りを敏感に感じ取れる、ということじゃろう」
うーん、やはり心霊スポット的なものは何処の世界でも同じような感じなのかね~
「リンちゃん、怖かったらねーねーが抱っこしてあげようか?」
「う~ん…、そんなに悪い気配じゃないし、怖いわけじゃないけど、
ねーねーには抱っこしてもらいたいにゃ♪」
甘えん坊なリンちゃんはそう言ってカナンお姉ちゃんに抱き付いた。
…いや、甘えてると見せかけてカナンお姉ちゃんのおっぱいを堪能するつもりだな!?
「ハル姉ぇは自分が抱っこしてあげるぞ!」
「い、いや、さすがにそれだけは勘弁して…、
あ、でも、手!手は繋いでて欲しい、かな…」
「くふふ!いいぞ♪
今日は自分がハル姉ぇのお姉ちゃんだぞ!」
いつもはキョウカちゃんのお母さんしているハルカちゃんも、さすがにこの場所ではそれどころではないようだ。
そんな様子を見ながら、科学の申し子であるサイボーグの二人は幽霊など何処吹く風とばかりに平然としている。
「そーいやボクらの世界でも似たようなオカルト話あったよね?」
「あったあった~
戦場で死んだ兵士の亡霊の魂がどうとか~」
「当時のボクらはそういう話は信じてなかったけど、でも魂の転生とかって話を実際に目の当たりにすると、
目撃されてる幽霊ってのは案外、転生出来ずにさ迷ってる魂なのかもしれないね?」
「そーいうことなのかもしれませんな~」
うん、だとしても怖いのに変わりないような気がするのだけど。
「そう言えば、わたくし達の世界でも、ここ“シロヤマ霊園”にまつわる噂話を聞いたことがありますわ」
「ちょっ、イツキ!?いきなり何話し出すっ、モガガッ!?」
何やらイツキちゃんから面白そうな話が聞けそうだったので、あたしはハルカちゃんの口を塞いで黙らせた。
「モガーッ!!」
「ハルカちゃんは少し大人しくしてよっか♪
さ、イツキちゃん!続きを!」
「ええ。
これは何人もが目撃した話らしいのですが、“シロヤマ霊園”入口にある電話ボックス、
その電話ボックスには夜になると、子供を抱えた女の人の霊が現れるそうなんですの」
「ん?その話、俺も聞いたことあるぞ。
と言っても、俺達の世界の“城山霊園”での話だが、今はその電話ボックスも撤去されてしまって見られなくなってしまったらしいが」
「電話ボックスとな?
ひょっとすると、あそこにあるアレかの?」
セイラちゃんが後ろを振り返りながら元来た道、入口側の方にある電話ボックスを指差す。
つられてあたし達も振り返ると、中には抱っこ紐で赤ん坊を背中に背負った女性がいた…!
「ーーーーッ!?!?!?」
「わっ!?ちょっ、ハルカちゃんが白目を剥いて気絶しちゃった!?」
「はっ、ハル姉ぇーーーっ!?」
「も~、落ち着きなって~」
「あれは普通に電話してる生きている人間だから…」
マコト君の言う通り、電話ボックスにいたのは普通に生きてる女性の方で、電話を終えた後は普通に出て来て、近くで待っていたのか現れた男性と合流して何処かへ去っていった。
その後、しばらくハルカちゃんが目覚めなかったので、お兄ちゃんがハルカちゃんを背負って、セイラちゃんのご両親のお墓へと向かった。
目的地に着く頃にはハルカちゃんも目覚めたが、状況に気付いてからは顔を真っ赤にしてしばらく黙りこんでしまった。
さすがに前世の時みたくお漏らしまではしなかったけど、他の姉妹、特にキョウカちゃんの前で気絶してしまったことにかなり凹んでいるみたい。
そんなハルカちゃんも普段とのギャップがあってカワイイよ、ってあたしが慰めたら、きっと拳が飛んで来るだろうから、ここは空気を読んでそっとしておく。
「お父ちゃま、お母ちゃま、妾の前世のお兄ちゃまと、
そのお兄ちゃまの姉妹の皆さんじゃ。
つまりは、妾にとっても姉妹ということになる」
「初めまして、セイラさんのお父様、お母様、
わたくしはこちらのヨウイチお兄様の最初の妹であるイツキと申します。
家族を代表して、わたくしがご挨拶をさせていただきます」
イツキちゃんが手を合わせて黙祷したのを合図に、あたし達も手を合わせて黙祷した。
それから簡単にお墓を掃除して(まだ作られたばかりだから比較的キレイだった)、これからのことをセイラちゃんが簡単に報告すると、その場を離れ、霊園を出てから再び『影移動』を使ってイツキちゃんの屋敷に戻ってきた。
あたし達は屋敷の談話室に再び集まった。
「さて、両親への報告も済んだことじゃし、改めて今後のことについて話し合うとするかの」
「まずはこの世界にどのような施設があるのかを知らなくてはなりませんわね」
「お嬢様がそうおっしゃると思って、私が調べておきました」
そう言っていつの間にかイツキちゃんの側に控えていたメイさんがさっとテーブルの上に、パソコンから印刷された地図を広げて見せてくれた。
ちなみに説明しておくと、屋敷にはイツキちゃんの部屋や、メイさんの部屋などのいくつかにパソコンが置かれていて、談話室の端に置かれているプリンターも含めて全てがWi-Fiで繋がっている。
そしてどういう仕組みか分からないが、どの世界に行ってもその世界のネットに接続することが出来る(きっとヨミちゃんの不思議パワーのおかげたろう。あたし達の携帯が普通に使えるのもその影響だと思う)。
そんな感じで印刷された地図は、あたし達の世界でも言う小倉北区から門司区の主街区のもので、ところどころに赤い丸が手書きされていた。
「これはこの世界の門司町と小倉町、ヨウイチさん達の世界で言う門司区と小倉北区の一部を切り取った地図ですが、
私が赤丸で示した場所が主な人が集まる施設となっています」
「なるほど、仕事が早いですわね、さすがはメイさんですわ」
「いえ、セイやレイさんにも手伝っていただきましたので」
「へー、あ、この世界でも門司駅の裏側にはゲームセンターあるんだ!」
「あ!この小倉駅の裏にある“あるあるtown”っていうの、自分達の世界にはなかった建物だぞ!」
「あら!それはひょっとしてお兄様達の世界で言う“あるあるCity”のことではありません!?」
「あ!これ!
“チャチャしてぃ”って、リン達の世界にもあったよね!?」
「あー、そういえばあったような?
なんかネットで色々調べものしてた時にちらっと見たような?」
「俺達の世界では“チャチャタウン小倉”って名前だけどな」
「え、王国騎士団のある辺りなんかでっかい商業施設あるんだけど!?」
「あら、本当ね、私的にはあまりいい記憶のない場所だけど…」
「“リバーサイドパーク北九州”~?」
「それ、ボクらの世界にも似たようなのなかったっけ?」
「マコト君の世界のは分からないけど、これあたし達の世界で言う“リバーウォーク北九州”だね!」
施設の名前こそ少しずつ違うけど、内容はあたし達の世界のそれとほぼ同じみたい。
「それで、どうするのじゃ?
妾も案内出来るほど各施設に詳しくはないが、多少なりは先導出来るじゃろう。
後は、何処に行くかじゃが」
「各自で色々と行きたい所はあるだろうしね~」
「皆で全ての施設に行くのもいいけど、これだけの大人数で移動するのも大変だよね」
「でしたら、とりあえず今日の所は何処か一つの施設に皆で行くとして、
明日以降は各自、あるいは何人かずつに別れて行動する、というのは?」
「「「「「さんせーい!」」」」」
てな感じであたし達の異世界での休日が始まった。




