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シスターズアルカディア~転生姉妹とハーレム冒険奇譚~  作者: 藤本零二
第3章~ワールドアイラン~
36/103

幕間3「運命の再会」

*


 わたしとリンちゃんが出会ってから一週間とちょっと経った頃、ついに恐れていたことが起こった…



「食料が尽きました」


「そう言えばこの一週間ちょっと買い物に出たことなかったにゃ。

 じゃあ、今から買い物に行くにゃー!」


「…お金がありません」


「に゛ゃっ!?」



 そこでわたしは、リンちゃんを手に入れるために全財産をつぎ込んだことを説明した。



「にゃ…、にゃんでそんにゃ大事にゃこと早く言わにゃいにゃーっ!?」


「あははは、リンちゃん、にゃにゃばっか言ってカワイイ~♪」


「冗談言ってる場合じゃないにゃー!!」


「ハイ、スイマセン…」


「それでどうするにゃ!?

 お金が無いとご飯も食べられないにゃ!!」



 そうなんだよね~…

 早いところバイト探さなきゃいけないと思いつつ、リンちゃんと一緒に遊ぶのが楽しくてついついお金のことは後回しにしちゃってたんだよね(勿論、その間に転生しているかもしれないリンちゃんのお兄さんに関する情報を得るために動いたりもしていた)。


 それでも食料はそれなりに備蓄があったからしばらくは大丈夫だろうと思ってたんだけど、わたしもリンちゃんもどちらかというとアウトドア派な二人だったから、家の裏から少し登ったところにある山を庭代わりに駆け回ってたらその分お腹が空くのでご飯をたらふく食べて、その後は腹ごなしにまたランニングとかしてお腹を減らして……、の繰り返しであっという間に食料も尽きてしまったのでした、てへぺろ♪



「てへぺろ♪じゃないにゃ…

 本当にどうするにゃ?」


「んー、こうなったら山菜を探して、肉は山の中にいる猪とかを狩ってきてなんとかするしか…」


「まさかのサバイバル生活に突入にゃ…」


「ま、まぁ、近い内にわたしもアルバイトを探すからさ!

 それまでは、ね?」


「だったらリンも働きたいにゃ!」


「いいよ、いいよ、リンちゃんはそこまでしなくても」


「だって、リンのせいでお金無くなっちゃったんでしょ?

 だったら、」



 わたしはリンちゃんの頭の上に手を置いて、優しく撫でながら言った。



「リンちゃんのせいじゃないよ?

 だから、リンちゃんは何も気にしなくていいの、ね?」


「でも、リンも家のために何かしたいにゃ!

 …それに、ねーねーが仕事してる間、ねーねーと離れ離れになっちゃうのも嫌なのにゃ……」



 そう言ってリンちゃんがぎゅっとわたしに抱き着いてきた。

 かっ、カワイ過ぎるんですけど!?

 わたしと片時も離れたくないなんて、そんなん言われたらわたし仕事出来ないじゃん!!



「こ、こうなったら家でも出来るお金稼ぎの方法を探すしか…!

 株?競輪?競馬?うまぴょいするしかないのか…?」



 なんてことを考えていると、わたしの首に巻かれた“隷属輪リング”が一瞬熱を持ち、光を放った。



「にゃっ!?ねーねーの首輪が!?」


「こ、この反応は…、まさか…!?」



 わたしの“隷属輪リング”が反応してる…!?

 それに伴い、わたしの脳内に誰かがわたしを呼ぶ声が響いてきた。



『姉ちゃんっ!!俺の元に来てくれっ!!』



 ま、まさかこれって、『“奴隷”召喚』魔術!?

 でも、なんで…!?


 とわたしが困惑していると、わたしの足下に召喚魔法陣が現れ、そこから眩い光が放たれた。



「ね、ねーねー!?ねーねー!!」



 リンちゃんの姿が光に遮られて見えなくなる。



「り、リンちゃ…っ、」



 次の瞬間、光が消えたかと思うと、目の前にはリンちゃんの代わりに一人の男の子がいた。



「やっぱり…!“アンナ”姉ちゃん!!」


「ま、まさかと思ったけど…、本当にこれ『“奴隷”召喚』魔術…?

 それにあなた…、まさか“ラクサ”ちゃん!?」



 信じられないことに、そこにいたのはわたしの大好きな弟、“ラクサ”ちゃんだった。




*


「“ラクサ”ちゃん、良かった…!

 あなたも生きてこの世界に無事転移出来てたのね!!」



 わたしは嬉しさのあまり、そこが何処で周りに誰がいるかを確認もせずに、ラクサちゃんに思いっきり抱き着いていた。



「あー、いや、厳密にはちょっと違うんだ…」


「どういうこと?」


「あー、えっと、その説明をする前に、“アンナ”姉ちゃんには聞きたいことがあるんだけど」


「聞きたいこと?」


「ああ、リンっていう“猫又”の女の子、知ってる?」


「リンちゃん?

 う、うん、そりゃ知ってる、というかわたしが闇オークションで買った女の子だけど…、

 あっ、で、でも別に変なことはしてないからね!?

 リンちゃんのことは本当の妹みたいに可愛がってるし、リンちゃんだって、」


「良かった!リンを買ったのが“アンナ”姉ちゃんで…!本当に良かった!!」


「えーっと、話が見えないんだけど…?」


「リンは、俺の前世の“妹”なんだ!」


「えっ、ええええええええっ!?」



 ら、“ラクサ”ちゃんがリンちゃんの前世のお兄さん!?

 な、何!?本当に何がどうなってるの!?


 そして、今更になって“ラクサ”ちゃんの周りに数人の女の子がいることに気付いた。

 裸に男物の上着を着た“妖狐ようこ”の女性以外は、皆どことなく“ラクサ”ちゃんに似た顔立ちをしているみたいだけど…


 と、それよりも!



「そ、そうだ!リンちゃん!!

 今リンちゃんが家に一人ぼっちなの!!

 きっと寂しがってる!早く家に帰ってあげなきゃ!!」


「お、落ち着いて姉ちゃん!

 姉ちゃんもリンを買うときに“隷獣”契約させられたんじゃない?」


「“隷獣”契約…!そうだ、『“隷獣”召喚』!」



 わたしは左手の薬指にはまった指輪、リンちゃんとの“隷獣”契約の証である“主人輪マスターリング”に魔力を込め、リンちゃんをこの場に召喚するための『“隷獣”召喚』魔術を発動した(わたしは普通の魔術は使えないが、魔法陣や魔術具を利用した魔術なら使える)。



「リンちゃん!わたしの元に来て!」



 すると、わたしの目の前の地面に魔法陣が現れ、そこに眩い光と共にリンちゃんが現れた。



「うわーん!!ねーねー!!

 いなくなっちゃやだにゃー!!

 ねーねー!!」


「リンちゃん!ごめんね、一人にして!姉ちゃんはここだよ!」


「ねーねー!!」



 きっとわたしがいきなり目の前から消えて、寂しくなり、怖かったんだろう。

 リンちゃんの顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。

 召喚されたリンちゃんは、わたしの姿に気が付くと、真っ先にわたしの胸の中に飛び込んできた。

 そんなリンちゃんの頭を優しく撫でてあげながら、落ち着いたところで、持っていたハンカチでリンちゃんの顔を拭いてあげ、鼻をかんであげてから、“ラクサ”ちゃんのことを紹介した。



「さ、リンちゃん、落ち着いて聞いてね?

 わたしの隣にいるこの人が、わたしの弟で、リンちゃんの、」

 

「…くんくん、この匂いは……、

 ま、さか…、にーにー……?」


「ああ、そうだよ。

 ただいま、“スズネ”」


「に、にーにぃいいいいっ!!

 うわぁあああああんっ!!」



 再び泣きながら、“ラクサ”ちゃんに抱き着いたリンちゃん。



「良かったね、リンちゃん」



 こうして、なんだかよく分からないままに、わたしの“弟”とリンちゃんの“兄さん”が見つかったのだった。

 しかも、それがまさかの同一人物だったという…、



「ん?ということはリンちゃんはわたしの本当の妹ということに?」


「リンちゃんだけじゃなくてあたしも妹だよ、“アンナ”お姉ちゃん!」


「へ?」


「ボクも妹だよ~」


「ええっ!?」


「私はヨウイチ君の性奴隷よ♪」


「性どっ…!?」


「その人のことは気にしないで…

 まぁ、わけがわからないとは思うけど、アタシも妹だし、家に帰ればまだまだ“姉妹”がいるし、

 なんだったら、別の世界にも“姉妹”がいるのよね」


「え、えええええっ!?!?」



 な、何がなんだか意味が分からない!



「とりあえず、一度俺達の家に帰ろう。

 そこで他の“姉妹”の皆を紹介しつつ、経緯を説明するよ」



 よ、よろしくお願いします…

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