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植物の世界  作者: 遠野悠
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序章 植物との共生

 それは突然のことだった。何の前触れもなくある日突然それは起こった。


「…………一体どうなっているんだ」


 世界中でそんな言葉が一斉に呟かれた。


 ある日突然、この世界は緑豊かになった。


 植物が異常な発達を見せ、日を追うごとにどんどん成長していったのだ。

 植物は異常な再生能力と成長能力を身に着け、切っても切ってもすぐに再生してしまう。そればかりか、新たな芽がたくさん出てきて切った以上に成長してしまった。


 植物の成長を止めるには、地面から根を引き抜くしか手段はなかった。しかし、抜いている間にも種がこぼれてまた新しい植物が生まれていくため、人間は植物を駆除するのを諦めた。


 なぜ植物がこのような発達を見せたのか、そしてこの世がこれから先どうなってしまうのかはわからなかったが、とりあえず植物と共生することを選んだ方が賢明だという判断を下した。


 今でも一日に多くの新種が生まれているため、いったいどのくらいの植物がこの世界にあるのか数えることは不可能であった。


 人間は数ある植物を調べ利用し、食べられる植物を探したり、頑丈な植物を組み合わせて家を建築したり、植物を使った衣服を作ったり、植物を使って乗り物を作ったりした。植物が世界を支配して数十年がたった今、この世に植物性でないものはほとんどない。植物の利用は日々進歩していた。


 こうして、今日も植物との一日が幕を開ける。


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