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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第四章 それぞれの決意と失踪
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閑話 買い物班とクラウ

「これとかシルビィに似合いそうじゃない?どうどう、テスタ?」


「そうですね、その白も大変お似合いですがこちらの青もきっとお似合いだと思います」


「なんでウチで着せ替え人形してるのー!?カレラとウルティマも助けてよー!」



 買い物を頼まれたエレン達の班はなぜか衣料品店に入店、試着会が始まっていた。

 普段からおしゃれをしないシルビィを対象にエレンとテスタロッサの2人が中心となって次々と着せ替えていく。

 共に行動しているカレラ・ウルティマの2人はというと救いの手を出すどころか微笑ましく見守っていた。

 店内でわいわい騒いでしまっているものの、元から美女軍団が現れたということで外では一種の騒ぎにもなっていたのだ。

 そんな中、ある貴族らしき男性の一団が彼女らに声をかける。



「そちらの美しいお嬢様方、少々よろしいでしょうか?私は『ご用件は手短にお願いいたします』」


「見てわからないのでしょうか?私たちは婦人服を探しに来ているのです。

 とある男性に見てほしいが為。貴方のような空気も読めない男性の為などではありません。

 ですが何かご用件があるならばお伺いいたしましょう」


「ぐっ…貴族であるこの僕になんという態度…まあ寛大な心で許して差し上げましょう。

 要件と言うのはわかりやすく言うと全員私の妻にならないか?ということです。

 悪くない話でしょう?とある男性と言うのがどこの馬の骨か存じ上げませんが、僕のような財力も大きな屋敷も持っていないはず。いかがでしょうか?」


「そうですね、一般人やそこらの冒険者なら間違いなく食いつくお話でしょうね。その男性が、ですが。

 ですが私たちの言うその男性は貴方程度とは格が違います。お引き取りくださいませ」


「な…言うに事を欠いて、この僕とは格が違うだと!?面白い…その男とやらを紹介してくれないか。

 そいつより僕の方が凄いことを証明して『その必要はありません』…なんだって?」



 突如現れた貴族の男性に対し対応していたのはカレラである。

 煌びやかでかなり派手な服装、細身で長身、それなりに整った顔。好青年という印象だが、自身が貴族であることをいいことに美人な女性を口説きまくるという残念な男である。

 傍から見たら確かに美男美女、バランスが釣り合うようにも思える。だが比較対象が悪かった。



「面倒なので身分をお教えいたします。そちらの2名…エレン様とシルビィ様は『虹の輝き』クランの一員です。

 そしてその男性とはクランマスターのナナシ様です。ガルディア王に認められたSランク冒険者であるナナシ様以上だと言うのであればご紹介しても構いません。どうでしょう?Cランク冒険者様」


「なっ…あのSランク冒険者の一味だと!?貴族でも羨むあの豪邸を持ち、王から多額の報奨金を受け取ったと言われるクラン!

 それにナナシという男も知っているぞ…突如現れ多数の美人を侍らせているという謎の男…」


「些か不愉快な発言が含まれておりますが水に流しましょう。つまり貴方程度、歯牙にかける必要性すら感じられないということなのです。

 ご理解いただけましたらお引き取りくださいませ、私たちも他に行くところもございますし、何よりナナシ様を待たせるわけにも行きませんので」



 そう言ってカレラはエレン達の所へと戻っていく。その場に残された貴族の男性は思わず手を伸ばすも、格の違いを聞かされてしまったショックが大きくすごすごとその店から引き揚げていくのだった。


 エレン班がそういった衣料品巡りをしているさなか、もう一方のサラ班は特に何かするわけでもなく、何も起きず…というわけにもいかず、先ほどの貴族の男性に絡まれていた。

 だがこちらもナナシの身内だと知った男性は整った顔をぐしゃぐしゃにして泣き、見るも無残な表情のまま走り去っていったようだ。


 その頃屋敷に残ったクラウはというと…掃除洗濯などの家事全般をあっという間に終わらせ、屋敷の警備がてら庭で1人鍛錬していたのだった。



「千里の道も…一歩から。ナナシ様に…お仕えする以上…鍛錬はたゆむ事無く…常にベストであれ。

 ナナシ様のお顔に…泥を塗るような…情けない執事では…いられませんからな…、ふう…

 さすがに若い時ほどの動きのキレは中々戻りませんな」



 腕立て伏せ、上体起こし、上体逸らし、スクワット…基礎基本となる筋力トレーニングをこなしていく。

 それだけでなく、暗器を使った素振りや『魔力操作』で体内の魔力を循環させるという高度なトレーニングもこなしている。

 これはナナシが以前行っていた練習方法で、この魔力の循環をスムーズにできるようになれば魔力の効率も良くなり魔法の威力も上がるというナナシオリジナルの訓練だった。



「それにしても…ナナシ様は一体どのようにしてあの強さを手に入れたのでしょう。

 いつの日かナナシ様を超える強さが身に付くか…はたまたこの老いさらばえた身体が滅ぶのが先か。

 年甲斐もなく楽しくなってしまいますな!」



 クラウは見た目こそ壮年だが、100年以上は生きているらしい。

 種族も未だに不明なままだが寿命というものは存在する。寿命が先か本人が納得する強さを手に入れるのが先か…

 それはいつの日か判明するのだろう。

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

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