表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第一章 目覚めと出会い
8/97

第7話 悪魔召喚、契約

「おいおいこいつは…なんつう魔力の持ち主だ。軽くSランク近くはあるんじゃねぇか?」



 ナナシが作り出した円の中心に聳え立つ、召喚に応えし魔物。

 それは魔物と呼ぶには明らかに『おかしい』強さと威厳、そして美貌を持っていた。

 真紅に染まった腰まで伸びる髪、透き通るような白い肌、そして白い肌からひと際目立つ赤い唇。

 髪と同じ色の眉毛は凛々しく整い、その瞳は紅く、微笑を携えながら召喚主のナナシを見つめている。

 身長はナナシより少し低いが、宙に浮いているためナナシを見下ろす形になっている。

 紅い魔力の渦が全て消え、ゆっくりと地面に脚をつける。

 魔力の渦によって見えなかった身体が露になる。

 胸元を大きく開いた黒の上着、膝上までの長さの赤いスカート、そこから伸びるしなやかな白い脚。

 黒いハイヒールを履く、ナナシによって召喚されたその美しい女性。

 傍から見ると人族にも思えたが、圧倒的に違うモノが頭部に存在した。

 左右のこめかみから後ろに向かって伸びる1対の角。そう、彼女は魔物ではなかった。


「まさかこの私が召喚されてしまうなんて…あなたが召喚主ね。初めまして。

 私の名はアスモデウス。『色欲』の名を持つ7つの罪の悪魔の一人よ」


 そう、彼女は天使と相対する者。『悪魔』と呼ばれる、人々の罪が具現化した存在。

 彼女は『色欲』の罪により生まれし存在だが、残り6つの他にも悪魔がいる。

『傲慢』『憤怒』『嫉妬』『怠惰』『強欲』『暴食』である。

 それに『色欲』を含めた7つの罪、それらを『大罪』と呼ぶ、人々の業である。



「アスモデウス、か。俺の名はナナシ。お前を召喚したのは間違いないんだが…

 魔物を呼び出すはずだよな?なんで悪魔が呼び出されたのかわかるか?」


「ええ、わかるわ。あなたの魔力を元に召喚されたのですから。

 これは…そうね。『あなたの右腕となる存在』をあなたは魔力に込めた。

 あなたの濃密な純粋な魔力…それに応えられる魔力の持ち主が召喚されるの。

 それに適応できたのが私であった、ということになるわね」


「だからお前からは莫大な魔力を感じるってことか…なるほどな。そりゃいい。

 確かに俺は『俺の右腕』を求めて召喚した。お前の魔力の量なら願ったり叶ったりだ。

 早いとこ『契約』したいんだが…お前の求める内容はなんだ?」


「そうね、本来の召喚に応じるなら『契約』が必要になるわね…

 ならこうしましょう。あなたの魔力を私に流し込んでみて頂戴。

 その量と質で契約するかどうか決めましょう」



 そう言ってこの悪魔、アスモデウスは右手を握手の形で差し出す。

 ナナシはそれを握り、握手の形をとる。


「んじゃこれから少しずつ魔力を流すが…限界だと思ったら言えよ?吹き飛ぶなよ」


「たかが人族ごときの魔力で私が吹き飛ぶなん…えっ!?」



 ナナシは少しずつ、且つ丁寧に、ごく少量の(つもりで)魔力を流し始める。

 ただし、測定不能のナナシの魔力である。この時点でSランクを優に越していることには気づかない。



(何、この純粋な綺麗な魔力…しかも底の見えない圧倒的な量…これで少しですって!?)


(ふーむ…んじゃ5%くらいまで一気に上げてみるか、ほれどうだ?)


(な、なんなのこの魔力の強さ…悪魔の中でトップの私の魔力を既に超えているじゃないの!?

 これで人族なんて、ありえない…天使なんかと比べ物にならない…)


「ま、待って!これ以上はだめ!あなたの魔力に飲み込まれてしまう!」


「ほほー、そりゃ面白そうだ。んじゃもう少し増やしてみるぞ?」



 グッ、っと魔力の流れを早める。ナナシの中ではまだ余裕というレベルではなく、呼吸をしているのとほぼ同じなのだ。

 常時『賢人』によって抑え込まれているため、今流している魔力が抑え込まれる最大値に近いのだが、それを解除した僅か数%の魔力の量で『色欲』アスモデウスが耐えられないのである。



「も…もうだめ…あなたの勝ちでいい、わ…これ以上、は…耐えられないの…魔力を、流すのを…やめて頂戴…」


「ん?もういいのか?んじゃやめるが、俺と『契約』でいいんだな?」


「するっ、スるから!お願いもうやめて…私がワタクシで…なく、なる…」



 息も絶え絶えになってしまったアスモデウスは、恍惚とした表情で、真っ白で綺麗な肌を紅く染め上げていた。

 ナナシが魔力を流し込むのをやめ、手を離すとアスモデウスは肩で呼吸をしながら、離れる手を寂しそうに見つめていた。



「んじゃこれからよろしく頼むぜ、アスモデウス…って名前が長いな。これからは『アスモ』だ。

 俺の右腕として頼むぞ、アスモ」


「は、はい…我が主、ナナシ様…いいえ、我が愛しき旦那様、ナナシ様!」


「おう、よろし…ってなんで旦那様になるんだよ!」


「あんな美しい魔力に抱かれ…我が身も心も溶かしつくされてしまいました。

 あの魔力に惚れ込んでしまいました。その魔力の持ち主であるナナシ様に惚れ込むのも自然というもの。故にナナシ様は旦那様なのです!あぁ、愛しいお方…」



 ナナシは思った。『コイツヤベェ奴だ!とんでもねぇ!』と。

 だが、同時に『使いようによっては使える』とも思った。ちなみに鑑定結果はこうなっていた。



 名前:アスモデウス(アスモ)

 種族:最上位悪魔【色欲】

 状態:正常

 特殊スキル:『解析』

 常用スキル:『魔力感知』『超視覚』『超聴覚』『魔力操作』『魔法知識(元・闇)』『詠唱破棄』『念話』

 ステータス

 腕力:A

 魔力:SS

 敏捷:B

 抵抗:S

 幸運:A



 ---『解析』(アナリシス)スキルは、『鑑定』(サーチ)スキルの下位互換になります。名前、種族、状態、常用スキルの把握が可能です。『念話』スキルは、現在マスターのみと可能となっており、マスターがスキルを『吸収』し次第使用可能となります---


(『鑑定』の下位互換スキルか、悪くない。それにしてもアスモは大当たりだな、ステータスはおろか魔法知識も光以外使えるし、使い勝手のよさそうなスキルもある。コピーさせてもらおう)


「アスモ、お前の所持する『念話』と『詠唱破棄』のスキルをコピーするが文句はないか?」


「な、なぜ私のスキルを!?コピー自体は許可なく自由にお使いいただければいいのですが…

 他人のスキルを見ることができるなんて、『解析』スキルをお持ちなのですか、旦那様!?」


「あー、俺は『鑑定』だ。お前のステータスも見えている。特殊スキルもな。

 とどのつまり…っと、人の気配だ。ちょっと待ってろ。『念話』で会話する」



「ナナシくーん、さっきとてつもない魔力を感じたってエレンが言ってたけど…

 ナナシクンの仕業だよね?そこに隠れてる人…?のことも気づいているけど」


「ん、さすがに気づいたか。さすがエレンだな。ちっと実験がてら魔法を試していてな…

 それにつられて出てきたんだ。アスモという。同性同士仲良く…」


「同性?どういうこと?ナナシクン。ウチという女がありながら…」



 黒い殺気にも似たオーラを纏わせながら笑顔でナナシに問い詰めるシルビィ。

 そこに追い打ちをかけるように、



「初めまして、旦那様より紹介された『アスモ』でございます。以後お見知りおきを…シルビィさん」


「だ、だ、旦那様あああーーー!?」

10時、14時の2回に分けて1日2話ずつ投稿を目標にしています。

読みづらい、こうした方がいいなどのアドバイスがあればコメントいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ