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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第三章 邂逅
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第67話 テスタ参戦、王の訪問

 ナナシ達が森の異変を鎮めたその夜は、ナナシの部屋にサラ・アスモ・テスタの3人が泊まることになった。

 サラとアスモはよく同じ部屋に寝泊まりに来るのだが…テスタまで一緒とは思わなかったナナシは思わずリビングへ戻ろうとした…が、サラとアスモにより阻止されてしまった。

旦那様(マスター)、今日はテスタと寝てください!』

 どうしたもんか、とふと扉の方に視線をやると…既に寝間着で部屋の中に入って来ていた。

 いつものメイド服のように赤ではなく女性…というか女の子らしいピンクの寝間着に身を包み、少し恥ずかしそうにもじもじしながら部屋の隅へと移動していた。



「ここはマスターの寝室です。部屋主が別の場所で寝るなんておかしいです。諦めてください」


「そうですわ、旦那様。そもそも自分から呼んでおきながら別の仕事を押し付けたのがいけないのです。

 わざわざテスタにではなくカレラにでも任せればよかったのですわ」


「うぐっ…それにしてもそこまでテスタを推すのはどうしてだ?なにか理由が『あります』」


「本当にマスターは鈍感なのですね。いい加減マスターは自分がどれだけ魅力的な容姿をしているか自覚してください」


「それに美しいと言わざるを得ない綺麗な魔力、他を寄せ付けない圧倒的な能力値も持ち合わせているのですよ?

 一般人、貴族の娘、亜人、一国の姫、それに私悪魔である魔族と分け隔てなく『家族』と認めていらっしゃる。

 そんな男性は旦那様くらいしかいませんわ」


「そ、そうです!ナナシ様は私たちを呼び出したその日から名前を憶えてくれました。

 普通は全員の名前を憶えることなどしません!ナナシ様は特別なのです…」



 3人に言い寄られて思わずたじろぐナナシ。ここまで言われてもまだ自覚が出ず、『そうかな…』と頭を悩ませるのだった。


 ベッドは4人で寝るにはさすがに狭く、アスモが譲る形で3人で寝ることになったのだが…右腕にはサラがしがみつき、左腕にテスタが恥ずかしがりながら丸まっていた。

 サラがここまで大胆になるのは初めてなのだが、恥ずかしがっているテスタが可愛く思えてしまい、寝るどころではなかったのだ。

 だが気づけばナナシは寝ており、ナナシが寝たのを確認した3人は笑っていた。

 普段見ることのできない主の寝顔を見れたテスタは満足そうに名無しの腕の中で眠るのだった。


 翌日4人が起きたのはもう昼近くだった。いつもなら朝食時にメイドの誰かが起こしに来るのだが、テスタが部屋に泊まることを既に知っていたため誰も起こしにはいかなかったのだ。

 ナナシが身体に重さを感じ目を開けるとアスモがナナシの上でくつろいでいたのだった。

 はぁ…と溜息をつくと、突如部屋の扉をノックする音が響く。

『ナナシ様、おはようございます。申し訳ございませんが、来客対応をお願いします』とクラウの声が聞こえてくる。



「来客?一体誰…まさか王か?おい、全員起きろ。もういい時間だし客が来たらしい」


「マスターが一番遅く起きたのですよ…おはようございます」


「ナナシ様、お着替えはこちらにご用意しております…私は準備がありますのでお先に失礼いたします」


「旦那様、可愛らしい寝顔でしたわよ?テスタも満足そうにしておりましたわ」


「ったく…着替えるから2人もさっさと準備してくれ。…やっぱりガルディア王か」



 ナナシが『万能感知』で調べると、やはりガルディア王が屋敷の門前へと来ていた。

 近くに誰かがいる気配もなく、約束通り1人で馬車に荷物を載せやってきたようだ。


 ナナシが着替えを終え、玄関へと向かうと既にテスタもメイドたちを引き連れ整列していた。

 いつもと同じように冷静さを保っているが、少しだけ表情が柔らかくなっていたのだった。

 遅れてサラとアスモがエレンやシルビィ達を連れてくる。その中にはダンジョンで保護した『聖女』マリアの姿もあった。

 マリアはダンジョンから出た後、エルが名乗り出て世話をしていたらしい。何やら夜更けまで話をしていたらしく、2人とも眠そうにあくびをしていた。



「よ、昨日の昼ぶりだな。…来客だが、ガルディア王直々に来てくれたぞ。

 話をするのは俺とリスティル、それにマリアと付き添いでエル。クラウも来てくれ」


「な、ナナシさん!?私も王様とお話しなきゃいけないんですか!?初日にあったとは言えさすがに…」


「エルさん、ナナシ様は…貴族の娘が挨拶に来ないでどうするのか、ということだと思います。

 冒険者になりナナシ様の婚約者となっても、私と違って家を捨てたわけではありませんから」


「ま、そういうことだ。リスティルは不本意かもしれんが…本物か偽物か見極めるために来てほしい。

 それにマリアの紹介にもエルがいたほうが心強い。仲良くなったようだしな」



 ナナシはエル、リスティル、マリア、クラウを引き連れて門前で待機しているガルディア王の下へと向かう。

 そこにあった馬車はとても豪華で、太陽の光に反射してキラキラ輝いているようだった。

 王家御用達の馬車なのだろう、王の訪問を町中に目立つようにしていたのだった。

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

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