表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第三章 邂逅
69/97

第64話 龍種、魔道具の出処

「おーいユキー?絶望するのは自由だが…今度はお前の番だぞ、龍族について詳しく教えてくれ」


「…我にとっては死活問題になりつつあるのだぞ、主…

 だが主が決めたことなのであれば従う他あるまい…不本意だがな。

 さて、龍族についてだが…まず種類と特徴から話すべきだろうな」



 飛龍種:一対の翼を持ち、自由に空を飛び回ることが可能。ユキもこちらに入る。

 地龍種:翼は無く、代わりに太く発達した後ろ足で立つことができる。

 海龍種:翼も足もないが、水かきのついた両手と尾ひれでかなりの速度で泳ぐことができる。



「大きく分けてこの3種になる。陸海空それぞれで分かれているが故に争いはほとんど起きぬが、それぞれの頂点たる存在が数百年に一度会合する習わしがあった。

 我が封印される前は我がその役目をしていたが…封印されてからの期間はさすがにわからぬ。

 だがそこでのびている地龍は先刻も言ったがまだ若造な上にやんちゃな派閥の子孫に違いない。

 穏健派はそもそも数匹で群れを形成しておるはずだからな」


「なるほど。なぁ、地龍のトップは穏健派だったのか?この様子だとトップが入れ替わっていてもおかしくないと思うんだが」


「主の言う通りだ。我も頂点が穏健派から代わっていると見ている…実に嘆かわしいことだが。

 今ある領で満足していたのが穏健派、それを強引に拡大しようと飛龍・海龍に喧嘩を売っていたのが強硬派だったのだ。

 強硬派も最初はほんの数匹が暴れていただけだったのだが…力を試したいと思い始める若輩者が増えてからは穏健派によるお歯止めが利かなくなってきていたのだ。

 もしかしたら既に穏健派は少数派…いや、むしろ消滅してしまっているかもしれぬ」


「私たち魔族よりも大変なのですね、龍族は。

 それにしても…あの地龍が操られていた理由がよくわからないですわね。魔道具によって無理矢理意思を…魔道具?まさか…」


「ん、どうしたアスモ。何か心当たりでもあるのか?まさか魔族が作った可能性があるとでも言うのか?」


「そのまさかですわ、旦那様。それぞれの『大罪』の配下に魔道具を作ることができる配下を一部隊は持っていますの。

 魔法に関して優れている魔族であればその部隊も多くなります。私で30名ほどの部隊でした。

 ですがここまでのものとなると…おそらく【強欲】が裏で手を引いている可能性がありますわ」


「ふむ、何かしらの取引が行われてその魔道具の実験台になっていた…という可能性があるのか。

 実に短絡的な思考だ、まさに強硬派らしい。魔族と取引をするなぞ龍族として恥だ。

 …主よ、我は地龍の穏健派と会わなくてはならぬようだ。それに…おそらく海龍とも、な」


「ちょ、ちょっと待て。さっきアスモが倒した奴が【暴食】で、今度は【強欲】だって?

 最上位悪魔同士で争ってるとか言ってなかったか?」


「え、ええ…そのはずなんですけど…裏で手を組んていたとなれば話は変わってくるかと。

【暴食】は食事を目的に、【強欲】は何か欲しいと思ったものを取りに…ということならばあり得ますわ」



 それぞれの最上位悪魔たちの住む城には研究者たち、学者たちで構成された魔法研究を主に行う部隊がある。

 その中で生活に使うための魔道具を製作して生活水準を上げているのだ。

 だが優れた技術者が集まっている中、主の命令に逆らえないという特権を悪用すれば今回の魔道具も簡単に作れてしまうという。


 目的は不明だが、今回地龍を狂わせたのは魔道具であることは間違いなく魔族であるという。

 人族は基本的に魔道具を作ることができない。技術はおろか、魔法に関する知識が圧倒的に足りないのだ。

 上級魔法以上の魔法を扱えるのは一部しかおらず、特級魔法を使える人物となると各国の王が研究という名目で監禁してしまっているため魔道具作成に回すことがまずなかった。



「なるほどなー。俺はスキルで魔道具なんて一瞬で作れてしまうけどな…魔界はともかく人族のこの世界では魔道具は貴重な物なんだな。

 だがそれならばダンジョンで使われてた認識阻害の魔道具も合点がいくな。バックに魔族が控えているってことがわかればなおさらだ」


「龍族はその身体の大きさ故細かな作業ができぬ。魔法も我は特級を使えるが、他の龍族のほとんどが魔法を使うことができぬのだ。

 我のように数千年も生き、戦いに明け暮れていたような龍族なぞ他におらんからな。

 だが…この地龍の長が魔法を求めて取引したのであれば話が繋がってゆくな」



 3人が情報交換を行っている時、地龍は既に眠っていた。

 時刻にして20時を回った頃になる。辺りは既に真っ暗で、数m先が既に見えなくなっているのだ。

 ナナシはこの事態をどうグリーグに伝えるか悩んでいた。魔族がこちらの世界に侵攻し始めているなんて伝えれば世界が荒れる可能性が高い。

 それに自身はSランク冒険者でもある。呼び出しがかかり自由に行動することもできなくなるのだ。

 ガルディア王国から出国し、世界を回ろうと思っていたナナシは思わず頭を抱えるのだった。

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ