第62話 時空間魔法、サラの大きな変化
また投稿ボタンを押し忘れてしまいました…本当に申し訳ございません( ;∀;)
「あー…そっか、あいつは俺の指示を守るためにまともに動けてないのか」
「旦那様、あの女を捕らえて連れてきましょうか?そうすればサラも…」
「いや、サラはそれを望んでいないみたいだぞ?ほら、もうすぐだ…まぁ見てろ」
そうナナシが言うとサラの動きが段々と遅く、そして最低限の動きで突進や尻尾の薙ぎ払いを避けていく。
そして何度目かの突進をかわし、距離が取れたところでサラは魔力を消費し、逃げ出そうとしていたベリアを捕らえておくための簡易的な結界を構成した。
耐久性もそこまでなく、認識阻害の効果もないが今のベリアでは破壊することができないようだ。
「ふう…これで安心して戦えますね。意識操作系の魔道具の場所も特定できましたし…あとはそれを破壊するだけですね。
ヒントを頂き感謝します、アスモ。貴女のおかげでマスターの命令を遂行できます」
「わ、私のおかげ…?聞きましたか旦那様!サラの役に立てましたわ!
それにお礼まで言われるなんて…珍しいこともあるものなのですね!」
「お前…普段どんだけ迷惑かけてたんだ?さすがにサラに同情するわ…」
「アスモさんはねー、家事一切できないのにいつもサラさんにいろんなおやつ作ってもらってるんだよ?
サラさんは表情も変えずに作っては出してって繰り返してるけど…そういうところじゃない?」
「こ、こらシルビィ!旦那様の前でそんなことを言うな!…あの、旦那様?何やら冷たい視線を感じるのですが…」
「アスモ…3日間のおやつ抜きを命じる。サラやシルビィにねだるのも禁止だ。いいな?」
「はうっ!?そ、そんな…ひどいですわ旦那様…」
「主よ…そのようなことよりサラはよいのか?さすがに信頼しているとはいえ相手は龍族、いくらなんでも…」
「ん?心配なんてしてないさ。ああ見えて俺の次にこの世界で強いはずだぞ?
あんな獣みたいな行動しかしない奴に万に一つも負けるわけがない」
アスモは毎日3食しっかり食べ、その上間食を数回、そして夜食まで食べるのだが…それら全てをサラに作らせていたのだ。
食料は大量にあるから問題ないとはいえ、調理・後片付けなど全てサラ任せにしているのだ。
家事が絶望的なまでにできないアスモは自分の城でも同じような生活をしていたらしい。
さすがに何かしら手を打たないとだめだと感じたナナシは少しばかりの制裁としておやつ抜きを命じたのだ。
ナナシ達がアスモについて会話をしている中、地龍と戦闘中のサラは一切目もくれず魔道具を破壊するタイミングを計っていた。
位置は掴んだのだが硬い皮膚に埋め込まれている形で刺さっているらしく、抜くことは困難を究める。
だが単純に破壊するとなると神経を傷つける可能性もある。だからこそ手をこまねいていたのだ。
そこにナナシの声とともにポーションがサラに向けて投げつけられる。
「サラー、『あの魔法』試してみたらどうだ?うまくいくと思うぞ。多分魔力足りないと思うからこれ飲んどけ」
「アレですか、少し自信がありませんが試してみます。…魔力回復のポーション、ありがとうございます」
「ナナシクンまた新しい魔法作ったの?ほんと天才なんだから…」
「何っ、主は魔法を作り出すこともできるのか!?なんというすごい人物なのだ…」
「いや、大した魔法じゃない。ただ…細かい座標調整と物体を正しく認識できる観察眼、それに緻密な魔力操作が必要になるんだ。
俺やサラは使えるし、アスモも練習次第で使えるようになるだろうさ」
「は、はあ…一体どのような魔法なのですか?かなり高度な術式に思えるのですが…」
「まあ見てろ。多分そろそろ使うはずだから」
そう言ってナナシがサラの方を指さす。するとサラが詠唱を始めていた。
サラもナナシと同じく詠唱破棄することが可能なのだが、初めて使う魔法のため一度詠唱する必要があるのだ。
サラの詠唱はまるで歌うかのように軽やかで、そして綺麗に響き渡る。
「…我、サラ・ソウマが命ずる。彼の者より悪しき物質を異次元へと転移させたまえ…『ワームホール』」
サラの詠唱が終わると、地龍の背中の一部が細長く黄色く輝く。
あれが地龍を狂わせていた魔道具の正体のようだ。光が一瞬強くなると光ごと消え去り、異次元へと飛ばされたようだ。
特級時空間魔法:ワームホール
ナナシとサラの共同で開発された新魔法。指定した場所・形の物質全てを亜空間へと転送させる。
対象の位置及び形を正確に把握する必要があるため使用難度が高い。
「ギャツ!?ゴアア…グウウウ…」
「はあ、はあ…成功した、ようですね…マスター、この魔法は…改善すべき、です…」
「ああ、魔力効率がかなり悪い。魔力だけでなく集中力もかなり使うから体力消費も激しいな。
だが…1発で成功させるとはさすが俺のサラだ」
「えっ、あっ…はい、ありがとう、ございます…」
素直に褒められると思ってなかったサラがほんのりと頬を赤く染め、僅かばかりだが声のトーンを上げお礼を言う。
『俺のサラ』発言がそうさせたのだが、ナナシもサラも気にしていなかったのだ。
唯一気づいたのはアスモただ1人だった。すこし悔しそうにしつつ、あの魔法を成功させた更に感嘆の意を示していた。
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