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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第三章 邂逅
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第56話 悪魔同士の戦い、アスモの本気

気づけば総アクセス数3000突破しておりました!

いつも読んでいただきありがとうございます、趣味程度の作品ですが投稿が途切れないよう頑張らせていただきます!

近いうちにタイトルも仮名ではなく正式なタイトルにしようと考えております。

いくつか候補は出てきましたが、最終決定まで仮名のままで申し訳ないのですが暖かく見守っていただければ嬉しいです。

「久しいな、【暴食】の。何故貴方が人族の世界にいるのですか?門は封印されたままのはず」


「これハこれハ、【色欲】ではアリませんか。貴女こソこちラにいるト思イませんデシタよ。

 簡単なコトです。人族…もとイ亜人族ハとても良い味ヲしてイルのです。私ハ『食事』をシに来てイルのですヨ」



 アスモはベルゼブブの目的を探り出すことに成功した。だがその目的は『人族を食べる』ことだった。

【暴食】であるベルゼブブは職すことに無上の喜びを感じるのだが、反対に食べなければ怒り狂うほど感情が高まりやすく不安定である。その怒りが我慢の限界を迎えた時が過去に数度あるが、その度に魔界のいくつかの町や城が跡形もなく消滅しているのだ。

 だがそれは魔法や攻撃による破壊行為ではなく、全てベルゼブブが『食べた』のである。

 彼に食事を与え続けなければその町や国が地上から消え去る危険性があったのだ。


 2人は会話をしているのだが、一切立ち止まることなく移動し続けお互いに魔法を撃ちあっている。

 魔法戦にはアスモに分があるはずなのだが、効果的な攻撃が見つからず防戦一方になっていたのだ。

 アスモがいくら魔法を放とうと、ベルゼブブに直撃する瞬間『食われてしまう』。

 なんでも食料とすることができるわけではない。だが魔法は魔力の塊なのだ。魔力を体内に取り込むことならば不可能ではないが、他の悪魔が真似をしようとすればたちまち魔法の餌食になるだろう。



「くっ…まさかそんな方法で私の魔法を防ぎきるとは、恐れ入ったわ【暴食】の。

 このままでは打つ手なしで魔力切れで負け、ね」


「ええ、トても美味シイ魔力でしタ。ですガ少し変デスね…昔の貴方ナラばもう半分ほど魔力ヲ消費してイルはずなのニ、全然減った気ガしまセン」


「それは当然ですわ。貴方と違い私は…【色欲】アスモデウスは満たされているのですから。

 満たすことのなかった欲情、性愛、全てを旦那様…ナナシ様によって!」


「ナナシ様?それハ誰ですカ?まさカあの黒髪の男デスか?

 フム…なるほど、とテモ美味しそうナ匂いがシます。貴女を食らっテからあの男も食ラウとしまショウ」


「うふふ…それは叶うことは確実にありませんわ。何故なら貴方はおろか私や他の『大罪』でも傷一つ負わせることなどできませんから。

 それに…旦那様!『準備は整った、好きにやれ』かしこまりました!」



 お互い本気は出していないものの、ベルゼブブはこの場にいる全員が食料としか考えていなかった。

 実力が同格と思われるアスモも、実力が未知数のナナシも、そして依頼を果たしてきた盗賊も。

 アスモがもしナナシに出会っていなければ餌として食われてしまっていただろう。

 だがナナシに召喚され、身も心も満たされている状態のアスモに敵はいなかった。

 防戦一方にも見えた戦いであったが、実はわざとそう見せていたのだ。

 ベルゼブブに一縷の望みを与えつつそれを真正面から砕き戦意を折る、そのために。


 アスモに意識を集中させることによって、出現とほぼ同時に2人を捕縛したナナシとサラが強力な結界を張ることを成功させる。

 実はベルゼブブだけを隔離することもできたのだが、アスモ自身が引導を渡したいと言い出したので思う存分暴れられるようにしたのだ。

 サラだけでは少し不安だったため、ナナシも追加で結界を重ねがけする。その強度は内部で核爆発が起きてもヒビ一つ入らず、放射能も一切漏れない密度である。

 その上上空にはユキが人の姿で見張っており、異変を感じ取ったらすぐさま対応できるよう警戒を怠らない。その警戒対象はベルゼブブではなく、奴隷となっていた狐人の女性である。



「むっ、これhドの結界を展開スるとは…あの男ハとんでもナイ存在のヨウですネ。

 食材とシテこれ以上ナい素晴らしイ人族です!連れてキてくれテ感謝しマスよ、【色欲】」


「…我、闇に生きる全ての存在の王。闇を司る頂点。全てを食らう蛇王よ、我の命に従い対象を食らいつくせ…『ヒドラ』」



 アスモは普段魔法の詠唱を行わない。それは上級魔法までならば詠唱せずとも魔法の行使が可能だからである。

 だがそのアスモがナナシの前で初めて詠唱を行いとある闇魔法を放つ。


 特級闇魔法『ヒドラ』

 魔力によって身体を構成された白き大蛇を呼び出す。対象を食らい尽くすまで何度も再生し捕食行為を繰り返す。


『ヒドラ』を唱えたアスモは残存する魔力のほとんどを失い、立つこともままならず地面に膝をつく。

 そして現れた魔法陣から首が3つ生えた白い大蛇が現れる。『何かが来る』そう直感していたベルゼブブは攻撃の手を止め思わず身構えたが、それが仇となり大蛇の猛攻を受けることとなる。

 術者であるアスモが死亡すれば魔法も消え去るため攻撃し続ける、もしくは捕食すれば助かっただろう。だがそれに気づけなかったのだ。


 一本の首を食らう。背後から別の首が襲い掛かってくる。それを弾き飛ばす。そして頭上から3本目の首が大口を開けて襲ってくる。

 いくら蛇の頭を潰そうと即座に再生、何度も攻撃を繰り返してくる。


 ナナシとサラはアスモを結界から連れ出し、大蛇とベルゼブブの戦いを見届ける…が、徐々にベルゼブブの身体が食われ始めていく。

 右腕を失い…左足を食われ…そして背中に隠されていた翼も食いちぎられる。

 ベルゼブブも再生を繰り返して何度も首を飛ばすも、少しずつ動きが鈍っていく。

 アスモと違い魔力の総量はかなり少なく、Bクラス程度の魔力しか所持していなかったのだ。



「こ、こんナ…こんな蛇如キにィィィ!コの私が…『大罪』マで登り詰めタベルゼブブ様が負けルなん…テェェ!」


「ふふ、【暴食】の…貴方はやはり7柱としては未熟だったのですね。

『ヒドラ』に苦戦するような柱なんていませんよ…さようなら」



 そしてその場にベルゼブブの悲鳴が轟く。バキッ…ゴリッ…ゴキツ…鈍い音が強くなるにつれて悲鳴は小さくなり、やがて何も聞こえなくなる。

 大蛇は満足したのかアスモの方へ向き直り、まるで一礼するかのように首を下ろし魔法陣の中へ消え去っていく。

 終わってみればアスモの圧勝となった。だが…戦いはまだ終わっていなかったのだ。

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

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