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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第二章 王都を乱す男
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第47話 奴隷解除宣言、リスティルの選択

「それじゃ地上へ帰るとするぞ…それと全員、一種の覚悟をしておいてくれ。この国を敵に回す覚悟だ」


「この国を敵に!?ナナシ様、まさか王に…いえ、なんでもありません、奴隷の言葉など…」


「あ、そうそうリスティル。奴隷契約は解除されてるぞ?俺が復活したとはいえ死んだからな、もう俺の奴隷じゃないんだ。

これからは好きにするといい…俺らはこの国を出るけどな」


「えっ!?リスティルさんはもう奴隷じゃないんですか?だけど好きにしたらいいなんてそんな言い方…」


「そう…だったんですね。そうですか、私はもう奴隷じゃ…ないんですね…」



国を敵に回す、そう宣言したナナシだったがリスティルは別の意味でショックを受けていた。

『もう奴隷ではない』そう言われたのだが、これはナナシからの信用を全て失ってしまったことになる。

ナナシは好きにしていいと言ったが、リスティルは迷っていた。

王である父がナナシに脅された上で仲間たちに手を出したのだ、既に愛着や情など存在しなかった。

実の娘でもある自分にさえ手をかけようとしていたのだ、無理もないだろう。


だがこの国には愛着がある。いつも迷惑をかけていた侍女や剣術指南を受けていた騎士たち、姉、母。

今までの人生で関わってきた全ての人たちと縁を切るなど考えたくなかったのだ。

だからこそリスティルはどうすべきか悩んでいたのだ。



「リスティル、俺について来るも国に戻るも自由にしていい。

俺について来るならば今までの生活は全て無くなり、冒険者というより旅人のようなものになる。

ただ国に戻るならば俺はこれからこの国の王を潰す。殺すかは態度次第だが…少なくとも王家は滅亡するだろう。

その上でどうするべきか決める時間と思って帰り道を過ごすといいさ」


「ナナシさん、かなり酷な選択を選ばせますね…でも私もまさか王様が約束を破るとは思いませんでした。さすがの私も怒ってます」


「旦那様がそこまで腹を立てるとは愚王と言わざるを得ませんね。どういう状況だったかは私も知っていますので、あの状況と戦力差でまだなんとか手込めにできるなどと考えていたとは愚の骨頂。

人族の王というのはあそこまで愚かな考えしか至らないのでしょうか」


「ふふ、アスモさんもすごい言うんだねー、でもウチも同じくらいダメ王と思っちゃったよ。

さすがに2度目は許されないよね…ね、ナナシクン」


「ナナシ…あたしたちはあんたに従うってもう決めてるの。だからナナシのしたいようにして。

それでもあたしたちはナナシの隣にいたいと思ったんだから」


「お前ら…そうか、もう既に心は決まっていたんだったな。

ユキは問答無用で連れていくとして、サラは俺の相棒だし…あとはリスティルだけなんだ。

俺たちの味方になって国と縁を切るか、俺たちの敵になって俺たちと戦うか」



ナナシはリスティルにそれだけを伝え、全員を引き連れて帰り道の方へ引き返し始めた。

少し遅れてリスティルがついていくが、その表情は暗く思い悩んでいるようだった。


道中は特に苦戦することもなく、ローチも出現はしたものの数は少なかったため問題なく通り抜けることができた。

ボス部屋に至ってはナナシが出現直後に殲滅してしまったため、何もさせる暇も与えられなく消滅していった。

その光景を見ていた仲間たちはナナシの実力の一端を見て少し驚いていた。それでもまだ1割も出していないのだが。



やがて1階層へと辿り着く。だが明らかに雰囲気がおかしかった。

10階層以下の階層はおろか、2階層までも冒険者の気配が感じられなかったのだ。

この違和感にナナシ、サラ、アスモの3人は気づいていたため動揺することはなかったが、エルやリスティルは恐怖のようなものを感じていたようだ。



「うーん…これはおそらくというか確実に王の命令に違いないだろうな。

王に逆らう逆賊、みたいな感じで俺らを指名手配した上でダンジョンを包囲しているのだろう。

さて…ここでリスティルに問おう。この状況下でリスティルはどういう選択をする?」


「えっ!?あ…その…」


「リスティルさん、ナナシさんは決して意地の悪い質問をしたわけじゃないですよ。

私の予想ですが…リスティルさんが1人で出て行ったところですぐ襲われる可能性があります。

その上でどうするのが正解か、と言ってるんです」


「そ、その通りですね…もはや選択肢は私にはなかったようです。それに吹っ切れました。

私は…リスティル・ガルディアは、ガルディア王家の名を捨て、ナナシ様…ナナシさんと共に旅立つことを決めました。

奴隷としてでは無く、一冒険者として。1人の仲間として。ナナシさん、行動を共にする許可をください!」


「何言ってるんだリスティル。俺たちは既に仲間だと思っていたぞ?

だが…改めてよろしくな、リスティル。俺たちの仲間として、いや家族の一員として」



リスティルはガルディア王家を捨て、ナナシ達と共に行くことを決意した。

それはガルディア王にとっても誤算で、『リスティルならば戻ってくるだろう』と踏んでいたのだ。

だがリスティルは最初からナナシ側につくと謁見の間で明言している。それを破ることはなかった。

『虹の輝き』クランに新メンバーとして新たに増えた仲間となった。

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

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