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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第二章 王都を乱す男
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閑話 ザイラス王の苦難

今回はだいぶ短めになりました。

 儂は王都ガルディアを治める第15代ガルディア王、ザイラス・ガルディアだ。

 交易を大々的に行い、過去類に見ないほどの財を王都に齎した賢王と呼ばれるほどにまでなった。


 かつての王たちが行ってこなかった海運も見事にうまくいき、今では一大貿易国家とまでなったガルディアだ。

 近場に『ラビリンス』もあるため冒険者たちも集うようになり、王都は益々発展していくだろう。



 だがそんな時、ファスターに向かわせていた我が配下から連絡が入った。

 Sランク冒険者が突如現れたというのだ。ただその者の出身も生い立ちも不明。

 突如ファスターの町に颯爽と現れ、現役Aランク冒険者のグリーグ所長を決闘で倒したという。


 決闘に使われたギルドの訓練場は立ち入り禁止とされたらしく、部下は見れなかったらしいのだが…

 話に聞くと目にも止まらぬ速さの一撃にて仕留められたというのだ。

 正直その話を聞いた瞬間は耳を疑った。グリーグと言えば武闘派で有名な冒険者なのだ。

 そんな彼が手も足も出せずに敗北などあり得ぬ、と考えていたのだ。


 その情報を調べ始めて数日、一通の手紙が届いたという。差出人はグリーグの娘からだ。

 簡潔に内容を述べるならば、『これからSランク冒険者とダンジョンへ向かうために王都へ参ります』

 とのことだ。貴族の娘として正しい行動ではあるのだが…そこには『婚約も果たしました』とも書いてあったのだ。

 相手は件のSランク冒険者、名前をナナシと言うらしい。

 王としてそのような実力者を是非とも我が手中に収めておくべきだと行動するのが正解だろう。

 そう思った儂は配下の諜報部隊や近衛兵を用いて脅しをかければ例えSランク冒険者といえど逆らうことはできないだろう、そう考えていたのだ。


 だがナナシという男は違った。これだけの人数差、逃げ場のない謁見の間なのだが…一切臆することなく、堂々と『従う気は無い』と宣言したではないか。

 15代続いた王の配下になれるなど他の冒険者からすればこの上ない評価なのだ。

 だがそれを『過小評価』だというではないか、そんなことはない…そう思ったのだ。

 その刹那だった。儂の背後から首元に刃物が当てられているではないか!


 下手なことすれば首が飛ぶ、そう判断せざるを得なかった。

 簡単に命を落としてよい立場ではないため、要求を全て受け入れるしか選択肢が無いのだ。

 滞在拠点、それだけだった…だが屋敷を用意しろと言われたのだ。

 下手に小さな屋敷や薄汚れた屋敷など用意すれば逆恨みで命を狙われるかもしれない、そう感じた儂は王家が長々と使用していた貴族の持つ屋敷より大きなものを譲ることにした。


 その時、娘からの伝言を思い出したのだ。『ナナシ殿と行動を共にしたい』と。

 このような危険な男に大事な娘を連れて行かせるなどあり得ぬと思ったが…娘の意思は固く、どうしてもついていくと聞かなかった。

 そして娘が入ってきて『奴隷でも構いません』と言うではないか。

 儂は娘に監視役としてなら許可を出すつもりでいたのだが、それでは儂の考えが全て無に帰すことになるではないか。

 だが…娘ももう一人前、自分の意思をここまで強く持つと思わなかった為に奴隷契約の許可を出してしまった。


 奴隷契約も恙なく済み、ようやく解放された儂はすぐさま監視の任を諜報部に出した。

 だが情報を得るどころか、骨折や火傷などの外傷を受けるだけで何一つ掴むことができなかったのだ。


 ギルドは情報漏洩は徹底しているため入手できる情報もなく、娘は奴隷契約を結んだ以上何も漏らすことは無い。

 全てにおいてナナシという男ただ1人に抑え込まれたのだ。


 だが儂は諦めぬ。あの男の存在1つあれば他の王を圧倒することができると睨んでいるからだ。

 私利私欲のためではない、王都ガルディアの、15代続いた王族のための手駒なのだ。

 それを手放すことなぞあり得ぬのだ…

毎朝10時に投稿しております。1日1話確実に投稿しております、楽しく読んでいただければ幸いです。

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