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ナナシの使い(仮)  作者: りふれいん
第二章 王都を乱す男
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第25話 使用人、クラン設立

 ナナシがガルディア王と『交渉』して手に入れた屋敷の散策も終わり、それぞれが使う部屋割も決まったところで、全員に招集をかける。

 会議室のような大きな丸テーブルのある部屋だ。一番奥にナナシが座り、右隣にアスモ、左隣にエル。、エルの隣にサラが座り、アスモの隣にシルビィ、そしてナナシの反対にエレンといった並びになった。

 何かしらの議題ができた時にこの部屋を使うことにした。そして最初の議題はというと。



「この屋敷は広い、正直広すぎるくらいだ。だから使用人を数人一気に雇おうと思う」


「それは正しい案ですわね、ナナシ様。ですが雇うといっても1人2人じゃこのお屋敷の広さは賄えないかと思いますし…それに雇うのであれば人数に応じてお金もかかりますわ」


「その通りよ、ナナシ。何人も雇えるようなだけのお金もないのよ?それに期間だって伸びれば伸びるほど出費がかさむじゃない…一体どこからそのお金が出てくるっていうのよ」



 一般的な執事やメイドなどの使用人を雇うとなると1人当たり毎月金貨3枚ほどかかる。

 ガルディア城ではおよそ20人雇っているが、税金や交易による儲けの一部で事足りる程である。

 だが、数十万人にも及ぶ人口と国を挙げての交易による財力なので、比べようがない。



「普通なら金の問題やら雇用人数やらで悩むところではあるだろう。だが俺には秘策があるんだ。

 ただ、決してこの国には頼らない。サラはわかっているだろうし、アスモも想像つくんじゃないか?」


「旦那様、まさかとは思うが…また『召喚魔法』を使って呼び出すのか?さすがに魔物はともかく魔族も執事の真似事は難しいと思うが…」


「実は新しいスキルが使えるようになってな。それを組み合わせれば執事やメイドも出せるんじゃないかと思ったわけだ」


「またナナシクンが変なことをしだしたよ…ウチはもう慣れてきたけどね」


「ほんと規格外というか読めないというか…呆れて溜息しか出ないわよ」



 ナナシはミコトから新たに授けられた『スキル生成』によりとあるスキルを作り出していた。

 アスモを呼び出した『召喚魔法』とは別の『召喚陣』というスキルだ。今回それを試そうというのである。


 説明するより見るほうが早いということで、全員で屋敷の庭へと出ていた。

 早速ナナシはスキル『召喚陣』を使用する。

 魔力を消費したのではなく、ナナシ本人の持つ精神力で生成したため、今までの赤ではなく虹のように色とりどりの光が魔法陣を描く。

 そうして魔法陣からある一人の男性が出てきたのであった。



「試しに執事として1人だけ生み出してみたんだが…うまくいったと思うが。自己紹介を頼む」


「はい。私めは主であるナナシ様により生み出されし執事。名をクラウディウスと申します。クラウ、と及びください」



 クラウディウスと名乗ったその男性は、身に纏う雰囲気もさることながらナナシよりも背が高く、壮年の見た目をしているにも関わらず高い戦闘能力を兼ね備えているようだった。

 だがその表情は優しく微笑んでおり、敵意がないことを思わせるには十分だった。

 続いてナナシは新たな魔法陣を作り出す。今度は複数纏めて生み出すようだ。


「さて、これでうまくいくかな…っと。出てこい、俺たちのメイドたち!」


 ナナシがそう叫んだあと、5つの人影が魔法陣に浮かび上がってくる。

 フリルの付いたロングスカート、同じくフリルが付いたカチューシャを全員身に着けている。

 ただ、それぞれの人影の髪型や色、衣装の色まで別々になっており、背中からでも区別がつくようにしていたのであった。

 虹色の光が消え、魔法陣から出てきたのは5人のメイドだった。美人ぞろいであり、顔のタイプは違えど1人残らず美形だった。

 赤、青、緑、ピンク、白の五色である。戦隊モノでも組めそうな色合いだった。



「初めまして、ナナシ様及び仲間の皆様方。我らメイド部隊、ただいま参上いたしました。

 赤の私はテスタロッサ、テスタとお呼びください。青がウルティマ、緑がカレラ、ピンクがベレッタ、白がエスプリとなります」


「ということだ、みんなよく見てくれたか?これが俺の新しいスキル『召喚陣』だ。

 実を言うと『召喚魔法』とよく似ているんだが、『召喚魔法』は同じ世界、もしくは直接繋がっている世界から呼び出す。

 俺の『召喚陣』は完全に別次元の世界から呼び出す。わかりやすく言うなら『召喚魔法』の上位版だと思ってくれたらいい」


「いや、ナナシ。アンタとサラさん以外全員理解するどころか現実逃避してるわよ…アタシもだけど」



 ナナシに声をかけたのはエレンだったのだが、信じられないといった様子で頭を押さえていた。

 サラ以外の他のメンバーは心ここにあらず、といった表情で空を仰いでいた。

 その間、クラウやテスタ達使用人勢はどうしていいかわからず、立ち尽くすだけになってしまっていた。

 さすがに呼び出しておいて仕事を与えないのもどうかと思ったナナシは早速、この屋敷がナナシの持ち物であることを伝え、ここの管理を頼んでおいた。

 水を得た魚のように生き生きとしだした使用人たちは、ナナシに対し恭しく礼をし、屋敷の中へと入っていったのであった。

 使用人たちがいなくなってようやく気を取り戻せたメンバーたちは、ナナシに『まだ大事な議題がある』と言われ、先ほどの会議室へと戻っていく。

 屋敷内部では既に清掃が行われ、十分綺麗だったロビーがピカピカに輝いていたり、時々クラウが残像を残しつつ高速で移動するのが見えたような気がしたりした。


 会議室に同じ座席で全員が座るとナナシはもう1つの議題を取り出すのであった。



「もう1つの議題というのは、だ。エレンとシルビィ、いつパーティ名が決まるんだ?」


「ギクッ!わ、忘れてたわけじゃないのよ。いくつか候補もあったんだけど結局決まらなくて…

 そして気づいたらこんな大人数になっちゃったじゃない?だからなおさら決まらなくって…」


「『結局ナナシが決めるでしょ』って言いながら相談してなかったよ、エレンは。ごめんねナナシクン、いつまでも決められなくって」


「ちょっとシルビィ!?アンタも何一つとして案出さなかったじゃない!アタシだけ悪者扱いはひどいわよ!」


「あー、そんな気がしてたから別に責めようとか思ってないし、俺自身こんなに人が増えると思わなかったからな。想定の範囲内ってやつだ。

 そこで俺から提案になるんだが…この人数だともはやパーティどころじゃないんだよな。それで、ギルドにプレートを取りに行ったときに気づいたんだが…『クラン』を立ててそれに全員加入って形でいいんじゃないか?」



 ファスターの町を出発する前にギルドからSランク冒険者の証となるミスリルプレートを受け取った時に、ギルド受付の人から『Aランク冒険者以上の代表の方1名を筆頭にクラン設立が可能になる』という説明があった。

 ナナシ、サラ、アスモの3人がSランクなのでクラン設立の最低ラインは達成できている。問題は人数だった。

 ナナシ、サラ、アスモ、エレン、シルビィ、エルの6人しかいなかったのだが、『最低7人以上が設立に必要な人数』でもあったのだ。

 王都ガルディアにて、奴隷としてだがリスティルが加入したため人数の問題もクリアとなった。

 他にも問題があったのだが、ファスターの町の出発直前にグリーグ・ベルモンドから直筆の手紙を預かっていた。

『ナナシ殿及びその仲間たちの実力をグリーグ・ベルモンドの名において真実であることを示す』といった内容である。この手紙を各冒険者ギルドへ持ち込めば身分を正しく証明されるようだ。



「そこで、俺からクランの名前を提案する。俺の考えた名前はこれだ」


 そしてその名前がクランの名前となり、王都ガルディアを始めとした各都市に脅威となる集団となるのだった。


「クランの名前は『虹の輝き』だ」

10時、14時の2回に分けて1日2話ずつ投稿を目標にしています。

読みづらい、こうした方がいいなどのアドバイスがあればコメントいただけると幸いです。

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