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5撃目 つかなくてはならない嘘

格技場を後にした俺は、今病院の前にいる


もう、太陽は沈んでおり街頭がついていた

雨が降っていたのだろう、地面が湿っている


俺は病院に入ると来賓用の窓口で受け付けをすませ、ある病室に向かった


病室に入ると、そこにはベッドに寝ながら、雑誌を読んでいる一人の少女が居る


「夏美、今日は元気そうだな」


「うん、ありがとう。お兄ちゃん」


「ほら、新しい雑誌。あと花も買ってきたから花瓶に挿しとくよ」


そう、今ベッドに寝ているのは、俺の妹である椎名(しいな) 夏美(なつみ)で俺より3つ年下の14歳


「うん、ごめんね。毎日ばかり迷惑かけて」


「俺が好んでやってることだ、気にしなくていい。それに、できるだけ傍にいてやりたいからな」


「もう、私が寂しがりやみたいなこと言わないでよ!」


「えっ、寂しがりやじゃないのか?」


「むー・・・・」


クスクス


「心配するな、来るなと言われても、無理やり来るから」


「はは、やっぱお兄ちゃんには敵わないや」

夏美は心境を俺に悟られたのが、少し悔しいようだ


「・・・それより、来週の手術なんだが」

話しを切り出すと突然、夏美の顔が曇る


「お前なら、やれる。頑張れ!すぐ近くで応援してるから」


それを、聞いた夏美は緊張が和らいだのか、肩をおとした


「うん!負けるはずないよ!」


実は、夏美はある病気にかかっているのだが、その病気は新種らしく、現在は治療方がわかっていない。

気付いた人もいるだろう、何故俺が金を必要としているのか・・・

夏美の治療は見つかっていないので、あらゆる手をつくしているのだが、未知の病気であるため、保険がきかないのだ。

治療にかかる費用は最低でも、一億円は懸かるらしい、そこで借金をして治療費を払っているのだ。

利子は両親が払っているが、なんせ額がすごいため、なかなか返せないでいるのだ。

だから、俺が頑張って金を集めているのだ。


つまり、俺は借金を返すまで喧嘩をやり続けなければならないのだ。バイトでは返済が追い付かない。

そして、借金については夏美には何も話していない。




「ねえ、お兄ちゃん。明日も来てくれる?」


「もちろんだ!兄ちゃんが来ない日があったか?」


「ううん、ない」

夏美は笑顔で言った


「じゃあ、今日はもうそろそろ帰るね。何か明日持ってきて欲しい物はある?」


「えっ!?お兄ちゃん、そんな毎日何か買ってきて、お金大丈夫なの?」


ギクッ


「大丈夫だよ、アルバイトしてるから」

俺は嘘をついた。絶対に喧嘩なんかして稼いであるとは言えない。


「そっか、無理しないでね。あと、欲しいものはないよ。」


「そうか、じゃあまた明日な」

俺は夏美の頭を軽く撫でた


「もう!子供扱いしないでよ!」


「はいはい」

俺は笑いながら、病室を後にする


「ほんとにもう・・・」










病院を出た俺はそのまま家に帰ることにしたのだが、たまたま俺を見かけた人物に気付かなかった


「あれって、椎名君じゃ・・・」







家に着いた俺は、すぐに風呂に入った

家には兄と二人暮しで、両親はほとんど帰ってこない

しかも、兄は勉強ばかりしていて部屋に籠りぱなしでほとんど顔を合わせないため、実質一人暮しに近い


風呂から上がり、ビールを煽る

そのまま夕食である、ラザニアを作り、兄の部屋へ食事を運んだあと一人で席について食べる


テレビでちょうどプロ野球中継が流れていた


野球かー、懐かしいな


俺は、中学まで野球をしていたが、高校に入ってすぐに、夏美が体調を崩したため、部活などしている余裕がなかった

もちろん、夏美を責めるつもりは全くないが、ピッチャーで中学の全国大会まで行ったのに、諦めるのは何か心苦しいものがある


テレビでは、ルーキーが完投をしていた

もし自分が野球を続けていたならば、プロになれたかもしれないと思ってしまう

そんな、複雑な心境で夕食を片付け、日本酒とキムチを取り出してテレビの前でオヤジくさく飲む










俺は酒を飲み終えると、今日の成果を見ることにした


「今日の成果は・・・」


37万円!


俺はこの一年で一億を8000万まで減らした!もちろん、両親も利子以外に少しは手伝ってくれている




残り、

7963万円!


頑張れ俺!


飲酒の場面がありましたが、あくまで、フィクションですのでお酒も煙草も20からですよ。それと、今後投稿が遅れると思いますので、よろしくお願いしますm(__)m

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