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13撃目 正義の予兆

翌日、俺は朝早く起きて軽い散歩がてら、ジョギングをしていた

ただし、軽くと言ってもあの重りを装着しているので普通の人はまず走ることすらままならないだろう


そして、汗だくになるまで走り、濡れた下着気持ちが悪いのでシャワーを浴びた。こう見えても、意外とそういうところは几帳面なのである


シャワーを浴び終えた俺は、兄貴と自分の昼飯を作り、俺の分は弁当にして、朝食に取り掛かった。しかし、時計を見るとけっこうやばい事に気付き、急いで簡単なオムレツとウィンナーを焼いて、食べた。兄貴の分はラップをしてテーブルの上に置いておき、登校の準備をした

準備と言っても、教科書などはおきべんをしているので必要ない。しかし、髪を整えたり重りを付け直したりと、けっこう時間がかかるのだ


「よし、OK!」

自分の姿を整えるのを確認すると、俺は家の鍵を閉めて家から出ていった


登校中、昨日の事を思い返していた


(正義を目指そう)



何故自分がそんな事を言ったのか、理解ができなかった。普段の自分であれば絶対にそのような事は言わないのだ。もともと不良なのに、正義という言葉は、デヴィ夫人が安売りのバーゲンセールにいるくらいありえないのである。


ちなみに、不良には二種類あると俺は考えている。1つ目はただモテたいがためにだらし無い格好や染色、喫煙などをしてカッコつけている奴、そして2つ目は何らかの事柄により、グレてしまった奴


俺は後者であった、理由は夏美の事や家庭状況である、現在はこれでもだいぶ治まったのである


そう考えていると、俺は(正義を目指す)という事がどうでもよく思えてきてしまった。しかし、昨日のあの場所では確かに正義という言葉になんの抵抗もなく口にしていた自分がたしかにいた


しばらく、俯いて考えていると後ろから頭を叩かれた


シュバッ!


俺はとっさにその手を掴み、折ろうと関節を決めようとしたところで、見たことのある顔が目に入った


「ゆ、由奈!」


「おはようシー君!というか、びっくりさせようと思ったのに、逆に驚かされてちゃったよ」


「俺の背後に立つなって昨日言っただろ!もう少しで骨を折るところだぞ!」


「ごめん、ごめん。それより何考えてたの?」


「ん?ああ・・・、昨日の事なんだけどさ・・」


「何?」


「やっぱ、俺は正義とかよくわからないなって。俺、不良だし、よく考えたらそんな事をして何になる?」


「言ったでしょ、人を活かすって」


「じゃあ別の質問。なんで不良の俺を選ぶんだ?」


「それは、・・・シー君が強いから」


「それだけ?」


「それに、シー君は試合以外で自分からケンカを仕掛けることはないし、お金だって不良からしかとらないでしょ」


「・・・昨日会ったばかりなのに随分と詳しいんだな」


ギクッ


「だってシー君有名だから・・・」


「それで、俺を利用する前に実力を知るため、闘技場に連れていき、俺を挑発させて本気を出させたという寸法だろ?」


ギクギクッ!


由奈はおどおどして焦っていた


「どうやら図星だな・・・でも、部活には名前貸したげるよ。なんか、興味あるし」


「あっ、ありがと・・・」


俺の返事が予想外だったのか、由奈は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていた



「さて、今日から部員を集めなくちゃな」


「うん、そうだね。でも、そこまでしなくていいよ!」


「遠慮するな、一人じゃ大変だろ。それに、ある程度強い奴を入れるには、人数が多いに越したことはないからな」


「それって、力ずくって事じゃ・・・」


「当然!」


「ダメだよ!正義の集団がそんな事しちゃ!」


「そうか?俺には正義ってのがよくわからないからな・・・」


「とりあえず、まだ5月だし、部活に入ってない1年生を勧誘しよう!」


「勧誘か・・・おもしろい!」

俺は拳をバキボキと鳴らした


「いっとくけど、脅したりしちゃだめだからね!」


「えっ、なんで?」


「やる気だったんかい!

さっきから言ってるでしょ!僕らは正義の集団なの!だから普通の人を怖がらせたり、不正なことはしないの!」




めんど・・・



「じゃあ、今日は学校終わったら僕の所に来てね!勧誘に行くから。人手は多い方がいいし」


「了解」

俺はまんざらでもない感じで返事をした


そんな感じで由奈と登校をして、学校の敷地に入った瞬間、いきなり


「おい、そこのデク坊、最近調子こいてんじゃねーぞ」


三年にケンカを売られた


俺は身長が192cmある、しかしデクの坊ではない、俺はカチンと来て、一発ぶち込もうしたとき


「待って!」

由奈に両手で後ろから抱き着くように止めるられた


「何故だ?」

俺は由奈に問う


「自分から暴力は振るっちゃダメ!活かさなきゃ」


「おっ、この娘カワイイねー、お兄さんがいいとこへ連れてってあげるよ」


その男は、由奈に目をつけ、掴もうと手を伸ばした


「触るな。由奈がけがれる」

俺はその男の腕を掴み、それを制した


「てめっ・・・ぐ、ギャーっっあ!」

そう、俺はその男の腕を握り潰している

忘れてうるかもしれないが、俺の握力は260kgである。つまり、この男は腕を万力で潰されているようなものだ


「どうだ?降参するか?」

俺はまず相手に降伏と改心のチャンスを与えた。普段の俺ではありえないことである


「ぐっ・・・す、すまない・・・離してくれ」


「俺の事をもう二度と馬鹿にするな!そして由奈にも謝れ!」


俺はその手を離した


「はっ!馬鹿が!油断してんじゃねーよ!」

手を離した矢先に男は俺に殴りかかってきた


「哀れな奴だ・・・・」


ゴシャ!


俺は殴ってきた腕を掴み、円を描くように相手の足元まで回した

すると、その男は綺麗に投げ飛ばされ、顔面から地面に叩きつけられた



「さて、行くか・・・」


俺は地面に転がっているその男を踏ん付けて、校内に入っていった


「シー君、やっぱ正義だね」


由奈が意味不明な事を言っている


「??」

俺は?マークを頭から出した


「ちゃんと加減できてるし、一度チャンスを与えてるから人を活かしてるよ」


「そうか・・・」


これでいいのか


「案外、簡単だな・・・」


「そうだね、資質あるよシー君」


俺は由奈に褒められ、いつの間にか教室に着いていた

今日も浅田が奇襲を仕掛けてくると思ったが、何故かいつも通り襲っては来なかった

俺は不思議に思い、浅田を見るとなんと本を読んでいたのだ!普通ならそれがどうしたと言われるだろうが、俺は浅田が読者をしている以上に字が読めたのか!という事で驚いていた

何故なら、浅田は国語などで教科書を読めと言われても読めないのでしばらく沈黙が続くらい重傷なのだ

そして俺は浅田の読んでいる本のタイトルを見た

すると全ての謎が解けた


そこにはこう書かれていた


(見るだけでモテる!男の仕草)



俺の推測では浅田は読んでいるのではなく、ただ見ているだけだということだ


この痛々しい光景をスルーして俺は席に着いた&寝た


朝のSHRを寝ながら聞き、1、2時間目もそのまま突入した

さすがに2時間も寝てると、体制が悪いので腰などが痛くなってしまった


そして、3時間目は体育である、バスケをするのだが、この学校の体育はまさに地獄であることは、まだあまり知られていない・・・

更新が遅れてすいませんm(__)m忙しいもので(汗

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