11撃目 強いのは俺、悲劇に怒る
「いくよ!シー君」
俺は由奈にOKと、目でサインを送った。そして、由奈の前進に合わせて同時に突っ込む。
「やあ!」
由奈は相手の水月、天突、肝臓に抜き手を喰らわせて、沈めた。
「ハッ!」
俺は顎を蹴り上げた後、頸脈とこめかみに中指の第二間接を曲げた状態で突いた。
そのまま、頸動脈を締め上げて落とした。ふと見ると、由奈の方はとっくに片付いといたらしく、倒した男の上に座って、顎に手を付きながら、こちらを見ていた。
「おつかれ!」
「ああ」
由奈は立ち上がってハイタッチを要求してきたので、パーンと思いきり叩いてやった
「いったーい!ちょっとは加減してよ」
「由奈は俺より、強いんだろ?されくらい平気だよな?」
俺は笑顔で皮肉を言ってやった
「もう!シー君は僕より強いって認めるから、やめてよー」
由奈は頬を膨らませて、怒った。かわいい
「わかった。わるかったな」
俺は由奈の頭を撫でた
「子供みたいに扱うなー」
「グボァ」
由奈は俺の腹に正拳をねじ込みやがった
「うっ・・・」
息ができない俺は由奈に(それはないだろ!)と訴えたかったが、軽く無視され、次の対戦者を呼びやがった!
「では、次からは決勝になります!決勝からはバトルロワイヤル方式で、残った全ての組が入って、最後の一人になるまで戦います!最後に立っていた人のチームが優勝となります」
そう言った後、四方にあった扉が開き、俺達含む計8組が入ってきた。
全員、決勝にくるだけあってどいつも強そうだ!
中には、2メートルを越えているだろうと思われる、随分とごつい男がいた。他にも、格闘技の上段者であろう道着を着ている者、ヤバそうな殺気を放ち、目が殺し屋のような鋭い眼光を放つ者までいる
「さすがにやばいな!どうする?」
俺は由奈に聞く
「やるに決まってるでしょ!」
「だな!」
「背中は任せたよ!シー君!」
由奈は漫画などでよくあるセリフを言って、俺も由奈に背中を預けて構えたところで、ゴングが鳴った
いきなり二組、計4人に囲まれた俺達、そこから全員で蹴りやら突きを仕掛けてきた!
俺達はその攻撃を捌いた。由奈はなんかの武術で受け流し、俺は力技で振り払い、防いでいた。
「おらぁ!」
俺は相手が攻撃してきた腕や脚を掴んで、強引にぶん投げた
「ガハッ」
思いきら壁に叩きつけられた相手二人はなんとか起き上がった。しかし、別のペアに挟み打ちにされ、その二人はあっけなくやられた。
「シー君!こっち手伝って!なかなか、手強くて」
見ると、由奈がさっき見た上段者のような人の猛攻を受けていた。由奈はかろうじて捌いていたが、今にも崩されそうだった
そこに俺が顔面ドロップキックをおみまいした。
上段者らしき人は不意打ちだったため、まともに喰らった。
そこへすかさず、倒れた後マウントをとって、殴りまくった。その上段者らしき人は、どうやら空手が流派らしく、倒れてからの足回りがわるく、簡単にマウントからの攻撃が入り、気絶してしまった。しかし、これはバトルロワイヤルなため、俺がマウントをとっているとき、もう一人のペアやその他の奴らが仕掛けてきた。そいつらを由奈が必死で止めてくれた
「サンキュー、由奈」
「僕も助けてもらったしね!お互い様でしょ!」
「だな、・・・っで、残りが俺ら含めて4人か・・・」
2メートル越えの大男と殺しやみたいな奴が他の二人を倒していた。
しかも、殺し屋みたいな奴は刃渡り15センチほどのナイフを持って、ラリっていた
「ねぇ、あの人やばそう・・・」
「ただ、いかれてるだけだろ」
そう言うと、殺し屋と言うより、薬中のような奴は、俺の心臓辺りを目掛けて、突進してきた!しかし、このパターンは浅田で慣れているため、なんなく避け、俺の横を通りすぎようとしたところに、背中に肘打ち、そしてそのまま両手で薬中野郎を固定して、腹に膝蹴りをいれた、うずくまったそいつの頭にかかと落としを喰らわせようと、振り下ろした矢先、誰かに横から止められた。
由奈だった。
「もう、その人は動けないでしょ!人を活かさなきゃ!正義を目指すんでしょ」
由奈の後ろを見ると、大男は俯せにして、倒れていた。驚くことに大男は無傷で気絶していた。
よう考えると、由奈はこれまでの戦いで相手に外傷は与えていなかった。吹っ飛ばしたりはしたものの、ケガはさせていなかった。
「だから、シー君はもっとーーー」
「危ない!」
さっきまでうずくまっていた薬中男が、落としたナイフを拾い直して由奈に投げつけたのだ
「痛ッ!!」
俺はとっさに由奈をどかそうと引っ張ったが、急所はそらしたものの、右腕にナイフが刺さっていた。
「おい!由奈、大丈夫ぶか!?」
「いっつー、大丈夫だよ、心配しないで・・・」
由奈は刺さっている右腕を左手で押さえながら答えた
「・・・なあ、由奈」
「なっ、何?」
痛みを必死で堪えていた
「正義を目指すの、明日からにするわ!」
「えっ!?」
ドゴン!!!
由奈がそう言ってから、コンマ数秒後、薬中野郎は俺の怒涛の一撃で、コンクリにヒビが入る程の威力で地面に打ち付けられ、流血し、失神した。
「由奈、悪い。でも俺にもどうしても譲れないものもあるんだ」
「うん、でも。明日からは目指してよ」
「わかってる。それと、由奈、ちょっと動かないでくれよ」
俺は由奈に刺さっているナイフを抜きとった
「痛いッ」
ナイフを抜き取ると、血が出てきたが、思ったより浅かった。そのまま、ポケットからハンカチを取出し、ティッシュを挟み、応急処置をおこなった。
「後で、水であらいながすかして、消毒が必要だ。レフリー、救護室に運んでくれ」
「ええ、こちらへどうぞ」
さして、俺は由奈をおぶり、救護室へ運んだ。俺は気を使って、室外で待っていると、5分も経たない内に由奈が出てきた
「大丈夫か?どうだった?」
「うん、傷は浅いし、止血しとあるから2週間くらいすれば、ほぼ治ってるって」
「よかったー」
「えー、なにー?そわなに心配してくれてたのー」
由奈が顔をニヤニヤしながら聞いてきた
「いや、そのー・・・・」
俺はなんだか、言いずらかった
「何?、はっきり言わないとわかんないよー」
完全に由奈は俺で遊んでいた
「当たり前だら!心配しない奴の方がどうかしてるだろ!」
「うわっ!開き直った!」
どうやら、ほんとに大丈夫そうだ
こうして、優勝した俺達は、会場に戻り、オーナーから優勝の賞金とトロフィーを貰った
「では、次は全国ですので頑張って下さい」
「へっ?」
俺はオーナーの言っていることが、さっぱり理解できなかった
「そういえば、シー君には言ってなかったね」
「何を?」
俺は恐る恐る、由奈に聞く
「この大会で優勝したチームは、全国のストリートファイトの大会の出場権利が与えられるんだよ!」
「まさか、それに俺達が出るの?」
「うん!」
「マジで!?」
「まぢで。大会は再来月だから!」
「ハー、なんで俺が・・・」
「だって、優勝したら5000万だよ」
ピクッ
「やる!いや、やらせて下さい!」
俺は金の事になると、以上に積極的なるのである
「ハハッ、そうこなくっちゃ!」
こうして、全国に行くことが決まった
会場を後にした俺達は、帰る途中、他愛もない話しをして帰った。そこで、俺がずっと疑問に思っていた事を聞いてみた
「なあ、正義を目指すっていっても、どう目指すんだ?」
「それはねー、部活を作るんだよ!」
「意味がわからない・・・」
俺は由奈の言っていることがぶっ飛んでいて、理解不能だった
「だから!正義を貫く集団の部活を作るの!」
「まて!俺も入るのか、それに!」
「当たり前でしょ!そのためにシー君に声かけたんだよ!」
「ああ、そういう事だったのか・・・」
何故かガッカリする俺がいた
「ていう、事で、明日から部活作りを開始しまーす」
こうして、俺は、正義の階段(?)を登っていくのであった。
どうしても、文章だと上手く書けないものですね(>_<)ここからさらに展開していきますのでよろしくお願いしますm(__)m