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10撃目 俺の行く道

ズシッと重りを地面に降ろした俺に由奈は不思議そうな顔をして聞いてきた


「何それ?」


「ただの重り」


「いや、なんでそんなのつけてんの?」


「うーん」

しばらく考えた後、


「わかりやすく言うと、リミッターかな。まぁ、親父が付けろってうるさいから付けてるんだけど」


「へー、何キロあるの?」

「60キロくらい」


「重くないの?」


「もう慣れたから、これが普通って感じだな」


「じゃあ、強くなった証拠を見せて!」

由奈がそう言って、レフリーに合図をとった




「では、勝ち抜きルールですので、次の対戦者、入場してください」


プシューと煙ガスともに入れ墨を入れた、いかにも

「薬中です」みたいなあんちゃんとストリートダンサー風のキャップを被った小僧が現れた


俺は首をコキコキと鳴らして、トーントーンと軽く跳躍しながら右足を前に右手を曲げ、左足を後ろ、左手はあごの前に持ってきてファイティングポーズをとった


「じゃあ、見せてもらうよ、シー君の実力」


「ああ、でも加減はするぞ」


「なんで?」


「死をじゃうから」


「ハハ、冗談キツイよー」


冗談なんかではない、リミッターが外れた俺はおそらく間違って1撃で人を殺してしまうだろう



ファイティングポーズから先手をとるべく体制を低くして入れ墨の懐に入りこもうとするが、蹴りで威嚇して、なかなか入りこめないでいた。


しかし、そんな事にてこずる俺ではない。

入れ墨の足を左肘の間接で挟み込むと、そのまま金的をグーでかち上げた。入れ墨は白目を向きながら、なんとも哀れな体制でうずくまって動かなくなった


俺は入れ墨に集中しすぎて、小僧に注意がいってなかった。そこを見逃さず、小僧が全身で回転を加えて延髄に回し蹴りを入れてきた。


常人なら沈むだろうが、俺はグラつくそぶりも見せずに、そのまま小僧の足首を掴み、そのまま一本背負いの用に投げた。足から投げたため、小僧は地面に顔面を強打した。さらに俯せになっている小僧の首筋を圧拳で突き、完全に意識を絶たせた



「どうだ、俺の実力は?」

俺は倒し終えた奴らを目て指して、アピールした


「確かに強いね、でもムダが多過ぎだよ!つねに攻撃を回避しなくちゃ!今度は二人でやろう、違いがわかるから」


俺は由奈に見下された様に思えて、またイラついた


「じゃあ、早く次やるぞ!」

少し、口調を荒くいった俺だった


「ゴメン。別に嫌わろようと言ってるんじゃないんだよ」


「じゃあ、なんで・・・」

急に由奈が謝ってきて、俺は予想外だったため少し焦って言ってしまった


「今のシー君は、ムダが多くて必要以上に人を傷つけているの・・・」


たしかに、俺はさっき動けない相手にトドメを刺した


「いい!確かにシー君は強いけど殺人拳は似合わないと思う!だから、不殺活人を目指すためにシー君を鍛えようと思ったの!正義を目指すんだよ!」


「待て!言ってる意味がさっぱりわからん!」

殺人がどうとか言っているが、状況が理解できなかった


「ああ、ごめんね。話しが飛びすぎてたね。わかりやすく言うと、暴れてるだけのシー君を正しい道に示そうと思ったの」


「そんなの、お前の横暴だろ!俺の気持ちや状況は無視かよ!もういい!俺は帰る!」


「ホントにごめんなさい。でも、シー君ってその、あまり評判がよくないし、お金巻き上げたりしてるって・・・」


「ほう、ずいぶん詳しいんだな!だが、俺にだって守らなきゃいけない大切なものがあるんだよ!」


「知ってるよ!夏美ちゃんでしょ!」


「なっ!どうしてそれを!」


「僕のおじいちゃんが夏美ちゃんのとなりの病室にいるのは知ってるでしょ。それで、仲良くなって色々聞いたらしの。そしたら、

「アルバイトで治療費を払ってくれる自慢のお兄さんがいる」って言ってたらしちの。それで話しが繋がったわけね。ホントは全部知ってたんだ」


「じゃあ、お前は最初から全部知ってて俺に近づいてきたのか?」


「うん。ゴメンね。騙すような感じになっちゃって」



「いや、知ってしまったなら仕方がない。でも、俺がこんなことしてる理由がわかるだろ!」


「そんなことして、正しいことだと思ってるの!」


「俺からケンカを売るわけじゃないし、一般の人達には手は出してない」



すると、不意に横からレフリーに声をかけられた


「あの、そろそろ次の対戦をしていただきたいのですが・・・」


「あっ、すいません。どうぞ」

俺達は話し合がエキサイトしすぎて、すっかり空気を読んでいなかった。客達からはブーイングが出ていて、物を投げ付けてくる奴らもいた

俺は仕方なく、次の対戦に出ることにした



次に出てきたのは、顔を忍者の用に隠した二人組だった


「じゃあ、話し戻すね」


「ごめん、何て言ったっけ・・・」


「一般人は手をだしてないとか・・・」


「ああ、そうだった」

俺らは話しながら、対戦相手達の攻撃を捌いていた


「それって、ただ、自分を正当化してるだけじゃん」


「何!俺は夏美のためにやってるんだよ!好きでやってるわけじゃ・・・」


「そう、それだよ!夏美ちゃんが自分のために実の兄がそんな事して喜ぶと思ってるの!」


俺はその言葉が胸に刺さり、隙をつかれて顔を殴られた


(うん。痛い。心も体も)


「だから夏美ちゃんには、アルバイトをしてるなんて言ってるんでしょ!」




また、心にグサリと刺さる


今度はフロントキックを腹に喰らう


「確かに、シー君は夏美ちゃんのために、頑張っている。でも、それは夏美ちゃんが望んではいないでしょ」


「じゃあ、どうすればいい!どうやって、妹の治療費を払うんだよ」

俺はガードもかわしめせず仁王立ちで殴られ続けた


「なんだ、こいつ!全然倒れねー」

どうやら相手は俺が怯まないのが、恐怖に感じてきているようだ


「そんなの、簡単だよ!ここで稼げばいいし、シー君ほどの筋力と体力があれば、アルバイトの掛け持ちもできるよ」


「・・・」

俺はしばらく沈黙した。






そして、


ガッと今まで殴っていた奴の腕を掴み、そのままみぞおちに寸勁を打ち込んだ。

喰らったそいつは闘技場の壁に吹っ飛び、そのまま叩きつけらた


「そうだな!正義を目指そう!でも、今はこいつらを倒すほうが先だな」


「うん!」


二人でファイティングポーズをとった

ここから、砕児の正義が始まります

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