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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
5章

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99/245

99.ヤードック、逃走中にイオアナに殺される



 鑑定士アインが、ヤードックを撃破した、その数日後。


 魔王城の森にて。


「はぁ……! はぁ……! はぁ……!」


 ヤードックは全速力で、逃げようとしていた。


「くそっ! こんなところにいてたまるか! わしは逃げるぞ!」


 先日、アインと戦い、完全に敗北した。


 しかし目を覚ますと、魔王城の地下牢にて幽閉させられていた。


 理屈はわからない。

 だがこれだけはわかった。


 ここにいたら、酷い目に遭うと。


 ヤードックは、負けるはずのないサルに負けてしまった。


 エキドナ、そして他の上級魔族たちからの糾弾は逃れられないだろう。


 いったいどんな処分を受けるだろうか。


「ここにいたら命がいくつあっても足りない! わしは逃げるぞ! 絶対に生き残ってやる!」


 と、そのときだった。


 ドドゥッ!


「ぎゃああああああああああ!」


 ヤードックの右腕が、突如として吹き飛んだのだ。


 右腕から血が噴き出す。

 ヤードックはその場に倒れ込んだ。


「な、なんだ!? いったいなにが起きたんだ!?」


 ドドゥッ! ドドゥッ!


「ぎゃっ! がっ!」


 何かが太ももと脇腹を、凄まじい勢いでつら抜いた。


 あふれ出る血を手で押さえる。

 脇腹に突き刺さったそれを、指で抜き出す。


「こ、これは……銃弾?」


「やぁ、久しぶり、ヤードック」


 すぅ……っと、闇の奥から、誰かが出てきた。


 そこにいたのは、拳銃を携えた1人の魔族だった。


「き、貴様は!? 【イオアナ】ッ!!」


 赤い髪に、小柄な女。

 元上級魔族イオアナだった。


「バカな!? 貴様は死んだはずでは!?」


「は? なに言ってるの? 君だって死んだはずなのに生きてるじゃん」


 にやにやと笑いながら、イオアナがこちらに歩み寄ってくる。


「そ、そうだ……なぜだ!? なぜわしもおまえも! 生きてるんだ!?」


「なにそれ? それが人に教えを請う態度なわけ?」


 憎たらしい笑みを浮かべるこいつは、間違いなくあのイオアナだ。


 負けたと聞いた。しかし生きている。

 ……魔族は何らかの手段を用いて、再生が可能なのだろうか?


「で、ではゴーマン殿もどこかで生きてらっしゃるのか?」


「ああ、あいつ? いないよ。……ボクが殺した」


 邪悪な笑みを浮かべて、イオアナが銃口をヤードックに突きつけてくる。


「貴様ぁ! 仲間を殺してなんだその態度は!?」


「ばーか。あんなやつ仲間でもなんでもないよ。てゆーか、公爵のやつらは全員敵だから。君も含めてね」


 見下した目の奥に、確かな殺意を感じた。


「こっ、こんなところで殺されてたまるか!」

 

 ヤードックは頬を膨らませ、毒をイオアナにふきつける。


 バシャッ……!


 じゅうう…………。


「上級魔族すらも深手を負わす強力な溶解毒じゃ! ゴーマン殿に代わってわしが天誅をーー」


 ドドゥッ!


「うぎゃぁああああああああああああ!」


 ヤードックはその場でもだえ苦しむ。


 腹部には銃弾の痕があった。


「あーあー……汚れちゃったじゃないか」


 無傷のイオアナがニタニタ笑っている。


「な、なぜ!? 毒を受けてなぜ無事なんだ!?」


「ゴーマンの力を取り込んだからだよ」


「力を……取り込んだ? そ、そんなことが可能なのか……?」


「君、なに見てきたの? あの鑑定士だって、精霊や守り手の能力を取り込んできたじゃん。アレと同じ」


 イオアナは実に楽しそうに笑うと、ポケットから何かを取り出す。


 手のひらには、結晶体が乗っていた。


「これが君の魔核。これを失わない限り魔族は死なないんだ。そして……」


 くぱっ、とイオアナが口を開く。

 舌の上に魔核を乗せ、飲み込んだ。


「君の魔核は消えた。もう、再生はできない」


「う、うわぁあああああああああ!」


 ヤードックは必死になって、その場から逃げようとする。


 痛む体に鞭を打ち、這いつくばって前に進む。


「ほらほら、逃げなよ逃げなよ~」


 ドドゥッ! ドドゥッ!


 イオアナがヤードックの手足を、銃弾で撃ち抜く。


 確実に、ヤツはいたぶって遊んでいた。


「聞いたよ? ご自慢の頭脳が打ち立てた作戦を、鑑定士に見事破られたんだって? うっわ、君、だっさいね~」


 凶悪な笑みを浮かべて、イオアナがヤードックを見下ろす。


「頭脳が自慢の軍師様が。その頭脳すらサルに負けるなんて。君に生きてる価値って、あるのかな~?」


 ヤードックの傷口を、イオアナは銃の先でぐりぐりと押し込む。


「お、おねがいだぁ~……見逃してくれぇ~……」


「は? なにその態度? 見逃してください……だろ?」


 自分より遥かに格下。

 しかもこいつは、何度も挑んで負けた敗北者なのに。


 なぜ自分は、そんな態度を取らねばならぬのか!


「は? なにその反抗的な目。むかつくんだけど」


 ドドゥッ! ドドゥッ!


「うぎゃぁあああああああああああ!」


 ドドゥッ! ドドゥッ! ドドゥッ!


 ……銃弾の雨あられを受けて、ヤードックは瀕死だった。


「ひぃ~……ひぃ~……も、もうしわけございませんぅ~……。みのがしてくださぃ~……」


 顔中を涙まみれにして、ヤードックは懇願する。


「あーあ。イスにふんぞり返って知将キャラ感だしておいて、死にかけたら泣いて許しを請うんだもん。なんか萎えたわ」


 イオアナはため息をつく。


「消えなよ。魔界でボクやあの鑑定士の影に怯えながら、こそこそと生きるんだね」


「…………」


 ヤードックは惨めな気分で、その場から這いつくばって逃げようとする。


「やっぱやーめた」


 ドパッ……!


 闘気の銃弾にこめて、イオアナがヤードックめがけて放つ。


 強力なエネルギー弾となったそれは、ヤードックの体を包み込む。


「いやだ! 死にたくない! わしは! わしはぁあああああああああ…………」


 やがて、ヤードックはイオアナの放った闘気弾に飲まれて、絶命。


「イオアナ。処分はすんだかしら?」


 すぅ……と闇の奥から、エキドナが姿を現す。


「見ての通りだよ。役立たずのゴミはボクが消してあげたさ」


「そう。偉いわねイオアナ。これで魔核は2つ。順調に強くなっているわね」


 エキドナは微笑む。

 その笑みに、かつてイオアナに向けていた侮蔑はなかった。


 子を褒める母のような慈愛があった。


「ねえ、エキドナ様。まだ殺しに行っちゃだめ? ボク、早くあのアインを……ぶっ殺してやりたいんだ……」


 イオアナの目には、殺意と狂気に満ちていた。


「ダメよ。今は力を溜めるとき。良いと言うまで、良い子にしていなさい」


 エキドナはそう言って、その場から消える。


 後にはイオアナだけが残される。


「……せいぜい今は調子に乗っているが良いさ、アイン。けどね……」


 銃口を空に向けて、イオアナが邪悪に笑って銃弾を撃つ。


「次は絶対に負けない! 力をつけているボクに敗北の2文字は100%ありえない! 次こそは、確実に息の根を止めてやるから! 覚悟しておくんだねアインぅうううう!」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ほんとに復活しちゃったよwwwww ┐(´-`)┌ [一言] クソエルフとイグアナを密室に閉じ込めて殺し合いさせて、 相打ちになって欲しい
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