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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
3章

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53.鑑定士、傷ついた村人たちを助ける



 サル魔族を全滅させた直後。


 村にて。


『シルバー・コングたちは村人を襲い、エサとして魔界に連れて帰ろうとしていたみたいじゃな』


「魔界なんてものがあるのか?」


『ああ。魔族たちはゲートをくぐって、本拠地から人間界へとやってきては、こうして食料にと人間をさらって帰る』


 なんてやつらだ。


「そ、そこのおかた……」


 老人が俺の元へとやってくる。

 額からは血が出ていた。


「治癒、します!」


 ユーリが顕現。

 老人の頭に、世界樹の雫をかける。


「おおっ! 傷が治ってる! す、すごい!」


 世界樹の雫は傷を全回復する効果があるのだ。


「あんたは?」

「わしはこの村の村長です。あなたがたはいったい……?」


「他に怪我人はいるか? 俺たちが治療する」


「それはありがたいですが……なにぶん貧しい村です。見返りをご用意差し上げられませぬ……」


「気にするな。金なんて取らない」


「ほ、本当でございますかっ?」


 俺も、そしてユーリも、うなずく。


「困ってる、とき、おたがい、さま、です」


「そういうことだ。気にするな」


「おおっ……! な、なんと慈悲深いお方!」


 そんなわけで。

 俺とユーリは、手分けして村の治療へと当たった。


 ユーリの護衛にはウルスラがついているので、俺は重症患者たちの治療に取りかかる。


 村の小屋のなかでは、重症の患者や死者が寝かされていた。


「村の若い衆たちです。われらを守ろうと、あのサルの魔族に戦いを挑んだ結果、返り討ちに遭いまして……」


 魔族にとって人間はエサだが、抵抗してくる人間はエサ以下と見なされて処分されたのだろう。


「この中にはわしの娘もおりまして……」


 スッ……と村長がしゃがみ込んむ。


 活発そうな印象の、若い女の子だ。

 心臓を破壊され死んでいる。


「すまない、ふがいない父で……すまない……」


「村長。どいてくれ」


「いったいなにを……?」


 俺は村長の娘に、スッ……と手を向ける。


 そして俺は【完全再生パーフェクト・リバース】を発動させる。


 部位の欠損を治すだけでなく、死者の蘇生もできる最強の治癒能力だ。

 

 ややあって。


「あれ……? お父さん?」

「ペトラ!」


 村長が自分の娘に、抱きつく。

 ペトラは、何が何だかわからない様子だった。


「お父さん……あたし、どうしたの?」

「魔族に殺されたおまえを、この御仁が助けてくださったのだよ!」



 ペトラは立ち上がると、ガバッ……! と俺を正面から、ハグしてきた。


「ありがとう! 小さな英雄さん!」


 小さなって……いやまあ確かに、ペトラの方が身長高いけど。


 それにこの子、結構胸がある。

 というかめちゃくちゃデカい。


 肌は少し日焼けしてて、上着からちらっと見える胸は、まるでチョコレートプリンだった。


「は、離してくれ……まだやることがあるんだ」


「あ! ごめんね!」


 にこにこーっと笑いながら、ペトラが俺の左腕にひっつく。


「なんだ?」

「んー? 別に! お気になさらずっ♡」


 むぎゅーっと、ペトラがその大きな胸を押しつけてくる。


「他の村人の治療と蘇生をする。悪いが村長はユーリ……外の女の子を手伝ってあげてくれ」


「わかりました! アイン様!」


 だっ……! と村長が出て行く。


 俺は自分の仕事をしようとする。

 だがペトラが、俺に抱きついたままだ。


「離れてくれって、やりづらいから……」


「いやよ! だってあたし、きみのこととっても気に入ったんですもの!」


 頑固そうだ。

 俺は無視して、重傷人たちの治療をしていく。


「ね、ね、きみいくつ? アタシ17歳!」


「15だ」


「じゃあぜんぜんありね! ねえまだ結婚してない? ならあたしの旦那になってよ!」


「気が早すぎるだろおまえ……」


「一目惚れってきみ知らないの? あたしはあなたに救われたとき、確信したね! きみは運命の王子様だって!」


 何を言ってるんだか……。


 ややあって、俺は死傷者すべての治療を終えた。


 ユーリたちの方も終わったらしい。


「アイン様! ユーリ様! このたびは本当に、ありがとうございました!!!」


 村人全員が、俺たちに頭を下げる。


「あなたたちのおかげよ!」「ありがとう!」「ほんとうにありがとうー!」


 村人たちから感謝されて、ユーリが嬉しそうに笑っていた。


 俺はそれが嬉しかった。


 村長は滝の涙を流しながら、俺の手をにぎって、ぶんぶんと上下に振る。


「あなたがたは命の恩人です。このご恩は決して忘れません!」


 村長がユーリの手をにぎって、ぶんぶんと上下に振る。


「あ、アイン……さぁん……」


 慣れないことに、ユーリは困惑してるようだった。


「素直に喜んどけって」

「う、うん……」


 その後も、村人たち全員から手を握られ感謝された。


 彼女は困惑してたが、次第に笑顔になった。


 彼女は今まで他人に優しくしても、恩を仇で返され続けてきたからな。


 こんなふうに、きちんとお礼が返ってきたことが、うれしかったんだろう。


 ユーリが喜んでくれるなら、人助けも悪くない。


「それじゃ……俺たちは帰るな」


「なんと! どうか泊まっていってください! あなたたちのために宴をご用意させてください!」


「俺たちは忙しいんだ」


「そうですか……残念です……」


「悪いな。それじゃ」


 飛翔で帰ろうとした、そのときだ。


「お父さん! それじゃ!」


 ペトラがビシッ! と敬礼のポーズで、村長に言う。


「あたし、この人についてく! お嫁さんにしてもらう!」


「ちょっと!?」


 ペトラが俺の腕にしがみつく。

 谷間に、腕が沈んだ。


「が、がーんっ。お、およめさんこーほが……ふえたっ!」


「いやユーリ落ち着け……。村長、ペトラをなんとかしてくれ」


「いや! アイン様。どうか娘をつれていってくださいませ!」


「あんたまで何言ってんだよ……」


 村長はペトラの肩を叩いて言う。


「あなた様には返しきれない恩を受けました。無償でいいとは言われましたが、それではこちらの気が収まりません。どうか我が娘をあなたのもとへ置かせてください」


「いや責任もてねえよ」


「なにも妻にしてくれと言ってません。あなたのお役に立てればそれで」


「そうそう! あたし料理洗濯お掃除とかめっちゃ得意! あとマッサージもプロ級! ついでに床上手だって有名だよ! 処女だけど!」


「いやいいってマジで……」


「しかし本当に無償ではこちらとしても大変申し訳なく思います! なのでどうか、娘をもらってください!」


「お願いアインくん!」


 ……非常に困った。

 困ったので……。


「さらば!」


 俺は【飛翔】能力で、その場から一目散に逃げた。


 娘もらってとか言われても、責任モテないし、そもそも今回の件だって、ユーリの功績だしな……。


 こうして、俺は村人を救って、その場から逃げてきたのだが……。


 後日。


「やっほー! アインくん! 君を追っかけて王都まで来たよー!」

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― 新着の感想 ―
[一言] ストーカーだ 相手の意思を無視するタイプは苦手だ
[気になる点] 明確に結婚したいと言われているのに それを拒否してる理由はなに? そこら辺に触れないのは不自然過ぎる。 [一言] 主人公の言動に疑問が浮かび過ぎて気になって読んでられないです。
[良い点] 更新くっそはやwwwwww 年末で休んでる人も多いのに 無双好き [気になる点] ちっと強すぎる気が・・・未来予測とか死者蘇生とか もう世界最強じゃないのか?その上万能能力 ハーレム展…
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