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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
3章

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51.鑑定士、精霊たちとサウナに入る



 俺は暗殺者の魔族シャドウを撃破し、【壁抜け】【忍び歩き】【能力無効化領域】の能力アビリティ鑑定コピー


 さらに暗殺者の対人格闘術を習得した。

 

 話はその翌日。


 俺はジャスパーの屋敷にある、サウナに入っていた。


「サウナなんて自宅にあるんだな……ほんと金持ちだなジャスパーって……」


 木でできた部屋。

 熱を発する魔法石がおいてあり、部屋の温度を高めている。


 俺はイスに座って体を休ませていた。


「アイン、さーん♡」


 ばーん! とサウナのドアが開く。


 長い金髪の美しい少女・ユーリだった。


「おまっ、何で入ってくるんだよ! ここ男湯のサウナだぞ!」


「ところがどっこい! 違うんだなぁ~」


 ひょこっ、と小柄なピンク髪のツインテール娘・ピナが顔を覗かせる。


「アタシが幻術を使ってね、お兄さんがいるここはなんと! 女湯なのです!」


 どうやら男湯と女湯の入り口を、幻術で逆に見せていたらしい。


「お、俺は出るからなっ」


 慌てて立ち上がり、サウナの扉に手をかける。


 だが押しても扉が開かなかった。


「わ、わー。たいへん、だあ。扉が、ひらか、ないよぅ」


「誰かが外から閉じ込めてるみたいだね~。わー。これは困ったなぁ~」


「こいつら……」


 おそらく黒姫くろひめあたりが、外から結界を張っているのだろう。


「そんなわけで4人でまったり、しばらくサウナご一緒しましょーってことで!」


「4人……って、あとだれだよ?」


 するとユーリの後に、誰かがいることに気付いた。


 ユーリはその豊満な体を、タオル1枚で包んでいる。


 その後に……紫色の、ショートカットの女の子がいることに気付いた。


「あ、アリス……おまえまでこんなアホなことに付き合ってるのか……」


「……ごめんなさい」


 おずおずと、アリスがユーリの影から出てくる。


 ほっそりとした手足。

 真っ白な肌にしみはひとつもない。


 胸と尻の起伏には乏しい。

 しかし線の細さと、儚げな表情から、美術品のような繊細な美を感じる。


「…………」


 アリスは黙り込んでしまう。

 肌を真っ赤にしていた。


「おい大丈夫か? サウナの外に出た方がいいんじゃ?」


 俺は立ち上がり、アリスの手を引いて、出ようとする。


 きゅっ。


 アリスが俺の手を引っ張って、上目遣いで言う。


「……あなたと一緒に居たい。だめ?」


「いや……ダメじゃないが……」


「じゃ結界が解かれる……けふんけふん、外から応援がくるまで、ここで4人でレッツサウナだよ☆」


「おー♡」


 黒姫のいたずらだろうから、ほっとけばそのうちに結界が解かれるだろう。


 俺は諦めて、サウナ室で待つことにした。

 しかし……。


「あのー……3人とも? なんでわざわざ俺の隣に座るんだ? 他にも空いてるだろ」


「いえいえお気になさらず~☆」

「きにしちゃ、め……ですっ」


 俺の右隣にユーリ、左にアリス。

 そしてなぜか……俺の膝上にピナが座っている。


「ピナおまえ、なんで膝上に乗ってるんだよ?」


「だってほら、座るスペースないし~?」


「どこもかしこも空いてるだろうが!」


 サウナ室はあきれるくらい広い。


 座る場所など腐るほどある。


「いやでーす、アタシお兄さんのそばが好きなの~☆」


 こいつ……俺が好きというより、俺がそばに居ることによって、姉2人をからかうのが好きってことみたいだ。


「わ、わたしも……アイン、さんのおそば……す、すこだもん!」


「すこってなんだよ……わけかわからん」


 タオル1枚の美少女たちが、すぐそばにいる。


 なんか、蒸し暑さにくわえて、とてつもなく良い匂いがする。


 フルーツのような、花のような、ミルクのような……。


 いろんな甘い匂いが混じって、頭がクラクラする。


「あれれ~? お兄さんどうしたの? 顔が赤いですぞー?」


 ぬふふとピナが俺を見上げて笑う。


「な、なんでかな、ピナちゃん? アインさん、まさか風邪?」


「ちがうよー☆ きっと美少女三人の柔らかボディにメロメロになってるんだよーもーえっちぃ~♪」


 確かに3人とも体がぷにぷにしてて気持ちが良い。


 ピナのお尻や、ユーリの乳房。 

 そして……アリスの……アリスの……。


「…………」


 アリスが死んだような目で、自分のストンとした胸を見やる。


「やっばーい☆ ほらお兄さんのせいで、アリスお姉ちゃん落ち込んでるじゃーん。いけないんだー」


「アイン、さん……姉さま、なぐさめて、あげなきゃっ」


 なんかユーリも、最近ピナ化してない?


 これワザと? いや天然入ってるからな……。


「…………」


 アリスがシュンとした表情になる。


「だ、だいじょうだぞアリス。おまえのむ、胸も……その、えっと……あるよ」


「……ごめんなさい」


「謝らないでくれほんと俺の方こそごめんな!」


 ピナがニヤニヤしながら言う。


「アリスお姉ちゃん、ヒトの価値は胸だけじゃないよっ」


「そ、そーですっ。おむねとか、おしりだけが……女の価値じゃ、ない、です!」


 胸も尻もデカい2人が言っても、追い打ちをかけるだけのような気がする……。


 と思ったらやはりアリスがさらに暗い表情になった。


「……胸か」


「あ、アリス、気にすんなって……」


「……ごめんなさい」


「だから気にすんなって!」


 するとユーリが、つんつんと肩をつついてきた。


「どうした?」


「姉さま、落ち込んでます。アインさん……はげまし、てっ?」


「励ますってどうするんだよ」


「いいところ、ほ、めるとか。してあげてっ、おね、がい?」


 ……女性を褒めるなんて、今までしたことなかったぞ俺。


 ただユーリの頼みだし……しかたない。


「あ、アリス。胸なんて……その、気にすんな。おまえはその……普通に、肌とか、めちゃくちゃキレイ……だし、すらっとしてて、美人……だぞ」


 言いながら、俺はサウナで何をしているんだという気分になった。


「おー、お兄さんやるぅ~☆ よっ、無自覚女たらしっ」


「…………」


 俺が褒めた後も、アリスはうつむいたままだった。

 

 褒めるのヘタだったか……と思ったそのときだ。


 とさっ……と、アリスが俺の肩に、頭を乗せてきたのだ。


「はぁ……はぁ……んっ……。はぁー……はぁー……はぁー……」


 アリスの顔は真っ赤だった。

 潤んだ目、しっとりと濡れた肌。


 ふわり……と花のような、濃い香りがする。


「おっとー! 濡れ場来ちゃうかー!?」


「ピナ、ちゃん。ぬれば、って?」


「お姉ちゃんはお子ちゃまだから、ここからは見ちゃ行けませーん」


「むぅ。こども、じゃない、もん」


 その間もアリスの様子はおかしかった。


 俺は彼女の額に手をやる。


「のぼせてるぞ!!」


「あちゃー、刺激強すぎちゃったかー」


「姉さまっ、しっかり! 死なないでー!」


 ……その後、ダウンしたアリスを連れて外に出た。


 しばらく風に当たっていたら、アリスも復活したのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 幻術見破る力あるのでは? しかも見破ってなくても違和感を感じれるんだよね? なんで気づかない? あとアピールがあからさまなのにそれに気づかないことに明確な理由がない。
[一言] 精霊だけど美人3姉妹に囲まれてるのに平常運転の主人公のメンタルが凄いと思う今日この頃(自分だったら平常心で居られないだろうなぁ…)
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