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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
3章

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43.鑑定士、新人たちを迷宮から救助する



 魔族ファルコから、下記の能力を鑑定コピーした。


『疾風(SS)』

『→周囲に追い風を発生させ、移動速度・距離にプラス補正がかかる。また風の足場を作り、空中での立体機動が可能となる』


 ファルコ撃破から数日後。


 俺は王都南西部のダンジョン。

 その迷宮主ボス・モンスターの部屋にやってきていた。


『敵は【人食い薔薇】。Sランク。巨大な薔薇の形をしたモンスターじゃ。無数のいばらを自在に動かし、相手を捕捉しその身を喰らう』


 ウルスラが敵の情報を、自動鑑定してくれる。

 

「「たすけてぇええええええ!」」


『どうやら先客が有ったようじゃな』


 茨に捕捉されているのは、若い女の2人組みだった。


 どうやら冒険者が、ここをうっかり訪れてしまったらしい。


『アイン、さんっ。たすけて……あげてっ』


「了解だ、ユーリ。【超鑑定】」

『→人食い薔薇の動き』


 ……その瞬間、薔薇の動きが、完全に静止した。


 といっても、時間を止めているわけではない。


 動体視力を極限まで上昇させることで、止まって見えるだけだ。


 以前は、Sランクの動きはゆっくり見えた。


 しかしユーリと契約を結び、俺の目【精霊神の義眼】は【神眼】へとパワーアップ。


 上級モンスターの動きが、完全に止まって見えるようになった次第。


 俺は【超加速】、そして【疾風】を使用。


 薔薇からの反撃を受けることなく、俺は捕まっていた冒険者たちを救助する。


 茨を切って、2人の女冒険者を回収。


 救助作業と同時に、俺は薔薇に【仕込み】をしておく。


 十分に離れたところに彼女らを置いて、鑑定を解除。


「あれっ!?」

「わ、わたしたち……捕まってたはずじゃ……」


 女冒険者たちが目を丸くしている。


「おまえら、新人か?」


「そうなんです!」

「ちょっと背伸びしてボスに挑んだら返り討ちに遭っちゃって!」


「地上まで案内してやるから、ちょっとまってろ」


 別にこいつらを助ける義理はない。

 だがウチの精霊ユーリは困っている子を放っておけない優しい子なのだ。


「で、でもっ! まだボスモンスターが!?」


「問題ない。もう終わってる」


 俺の手には、精霊の剣が握られている。

 

 剣先から、細い【糸】が出て、それは薔薇モンスターのもとへと伸びていた。


「ギシャァアアアアアアアアア!」


 薔薇は餌がないことに気付いたらしく、俺たちに茨を伸ばしてきた……そのときだ。

 スパパパパパァアアアアアアアアン!


 薔薇が、細切れになったのだ。


「えぇーーーーーーー!?」

「な、何が起きたのー!?」


 驚く新人たち。


「【鋼糸】でモンスターの体を縛っておいたんだよ」


 剣のように鋭い切れ味の糸を作り出す能力アビリティだ。


 彼女たちを救助する際、ついでに鋼糸を敵に巻いていたのである。


茨の鞭ソーン・ウィップ鑑定コピーしておいたぞ。茨を伸ばし敵を捕縛したり攻撃したりできるそうじゃ』


 ウルスラが能力コピーをしてくれてたようだ。


【神眼】を手に入れたことによる恩恵の1つ。


 いつもは鑑定コピーする際、かなり情報量が脳に流れ込んでくるせいで、激しい頭痛を覚えていた。


 しかし【神】の目を手に入れたことにより、頭痛を感じなくなったのである。


『わたし、治癒、できない。お役目、ごめん?』


「いつも十分にユーリには助けてもらってるよ。ありがとな」


『えへへ~♡ アイン、さん。やさしい、すき~♡』


 ……さて。


 ボスを倒し、俺は新人冒険者を、地上へと連れて行くことになった。


 俺は新人たちの前を歩いていると。


「あ、あの! もしかして【古竜殺し】の英雄アインさんですかっ?」


「そ、そっか! この人ね! 町中に現れた魔獣を倒し、瀕死の住民を全員治癒して見せた、あの伝説の冒険者の!」


「…………人違いだ」

 

 この数ヶ月で、俺はかなりいろんなことをしてのけた。


 氷竜フロストドラゴン、古竜ベヒーモスの討伐。


 そして魔獣となったゾイドを下し、死者を蘇生させた。


 そのせいで、鑑定士アインは、多くの人に知られることとなったのだ。


「いやでもアインさんですよね!? これだけ強いひとそうそういないですし!」


「うわー! 有名人じゃん! サインしてサインー!」


「……だから、人違いだっての」


 色々派手にやらかし、知名度が上がった結果、わずらわしいことも増えた。


 だから、俺は基本的に、素性を隠すことにしている。


『アイン、さん。ゆーめー、じん。わたし、お鼻が、たかいですっ』


 ちなみにユーリの声は俺にしか聞こえてないので、俺の名前は新人たちに知られてない。


「ねーねーアインさんでしょ~? なんで嘘つくの~?」


「嘘じゃねえしアインでもねえ。ほらさっさと帰るぞ」


 俺はダンジョン内をすいすいと歩いて行く。


 ウルスラが出口までの最短ルートを鑑定してくれているのだ。


 ややあって。


「すっごーい! ここ来るとき見た! 出口付近じゃん!」


「さすがアインさんです! お強い上に迷宮のことも熟知なされてるなんて!」


 新人たちが、キラキラした目をおれに向けてくる。


「アインさんっ! ぜひあとでお礼させてください!」


「ねーアインさん。どうやったら強くなれるのか教えてよー!」


「いらん。しらん。ほら帰るぞ」


 ……と、そのときだった。


「あ、アインさんっ! うしろー!」


「うっわ! なにあの巨大鼠ジャイアント・ラットの大群!」


 背後を振り返ると、確かに鼠型モンスターどもが、大挙して俺のもとへ押し寄せてくる。


「……またか」


「ちょっアインさん! なに冷静ぶってるの!? 10や20どころの騒ぎじゃないよ!?」


「……問題ない」


 俺のとなりに幼女賢者たちが転移してくる。


「黒姫はダンジョンやこいつらにダメージがないように、結界で鼠だけを囲え。ウルスラは極大魔法使うから、魔力供給をたのむ」


 俺は左手を、鼠の大群どもに伸ばす。


「【煉獄業火球ノヴァ・ストライク】」


 ドッガァアアアアアアアアアアアアン!


 手から放出された、超高温の爆撃により、鼠どもは全滅。


 結界で衝撃を防いでいたので、地下でも極大魔法が使えるのだ。


 新人たちは、その場に尻餅ついていた。


「立てるか?」


 俺は新人たちに手を伸ばし、ひっぱりあげる。


「「すっ、すっごーーーーーーーい!」」


 新人たちが目を輝かせて、俺を見やる。


「さすがですアインさん! 今の極大魔法ですよね!? しかも呪文詠唱なしで打てるなんて!」


「やっぱ伝説のアインさんじゃん! やっぱ本物はすごいなー!」


 きゃあきゃあ、と新人たちが騒ぐ。


「あたし、ギルド帰ったら、アインさんに助けてもらったって自慢しよー!」


「余計な噂広めるのはやめてくれ」


「「いやです!!」」


 その後彼女らを街まで送り届けた。

 

 すぐに帰ろうと思ったのだが、ギルド連中に捕まり、余計な時間を取られた。


 だから、目立ちたくないんだよ……。

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― 新着の感想 ―
主人公はそんなに素性がばれるのが嫌なら、ローブで隠すとか多少の隠ぺい対策は取るべきだし、あと新人冒険者は命の恩人に対してあまりにも礼儀がなさ過ぎて下品。
[一言] 命の恩人の頼みを自分が自慢したいからって 事で断る奴らって普通に最低だと思う。 ってかそんなに目立ちたくないなら どうせ旅には影響無いんだから、ローブとか 何かで素性隠せば良いのに。 もし…
[一言] 目立ちたくないなら助けた後、隠れたらいんじゃね? 見えてないんでしょ?
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