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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
2章

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33.鑑定士、精霊たちと風呂に入る



 冒険者ギルドでモンスターや素材を買い取ってもらった数時間後。


 俺は拠点である商人ジャスパーの屋敷へと帰還を果たした。


 夜。


 旅の疲れを癒やすため、屋敷の風呂に、俺は来ている。


「すごいな……ここの風呂。外にあるのか……」


 メイドのミラに風呂に案内してもらった。


 ミラ曰く、ここは露天風呂というものらしい。


 岩で囲まれた浴槽は白く濁ったお湯で満たされている。


「アイン、さんっ♡ 月、が、きれー、です……ね!」


 ……金髪の美少女が、ニコニコしながら湯船につかっていた。


「はっ!? ちょっ!? ええ!? おま……何してんだよユーリ!」


 俺は股間を手でかくし、彼女から距離を取る。


「むぅ。なに、ゆえ……逃げる、の?」


「それはね~、お兄さんがお姉ちゃんの裸を見て、欲情しちゃったからだよっ!」


 ユーリのとなりに、桃色髪の美少女が出現。


「ピナ、ちゃん。よくじょー、って? お風呂?」


「ちがうよ~。むらむらしちゃってさぁ大変ってやつだよ!」


「おまえら何してんだよ! ここ男湯だぞ!」


「ぶっぶー☆ アタシたち精霊だし~。精霊に人間の尺度での性別とかナンセンスだし~」


「見た目が女である以上女なんだよ! 出てけ!」


「あれ~? お兄さんはずかしいの? ユーリお姉ちゃんのおっぱいみて嫌らしいこと考えてるとか~?」


「そ……そんなわけないだろ!」


 ……しかしピナに言われて、改めてユーリを見てしまう。


 大きい。

 人間の顔を越えてる。

 しかし形が下品じゃない。美しさすら感じる……。


 ばっちり、ユーリと目が合ってしまった。


「…………ぽっ」


 ぽってなんだ、ぽって。


「これは精霊と人間のハーフが生まれるのも、時間の問題かもね~☆」


 意地の悪そうな笑みを浮かべるピナ。


「……小僧」


 すると……ユーリの前に立ち塞がるように、ウルスラが立っていた。


 ……何も身につけず、全裸でだ。


「ちょっ!? か、隠せよ!?」


「何を慌てておる。別に貴様ごときに見られて恥ずかしいとは微塵も思わぬが?」


「こっちが気にすんだよ!」


 ウルスラは10歳くらいの幼い見た目だ。

 だがうっすらとだが胸にも尻にも肉があった。


 どこもかしこもつるりとした、無垢な体に、思わず目をそらしたのだ。


「それより小僧。今ウチの娘を、汚い目で見ただろう?」


 人殺しの目でウルスラが見てくる。


「いいか貴様、ユーリはわしの宝じゃ。もし手を出すようなマネをしたら、わしは貴様を極大魔法で吹き飛ばす……」


「おかー、さん! や、めて!」


 ユーリが俺の前に立ち、手を広げる。


「わたし……は。アイン、さんに……見られて……ぽっ♡」


「よし小僧。遺書の準備はできてるな? 今日が貴様の命日じゃ」


 右手に魔法の光を宿らせながら、ウルスラが俺に近づいてきた。


「やめ、て! アインさん……にげて!」


「離すのじゃユーリ! わしはおまえのためを思ってこの邪悪なる蟲を消すのじゃ!」


「むしじゃ、ないもん! アインさんは……素敵な人だもん!」


「まさかもう手込めにされたのか!? お、おのれ殺す! 今すぐ小僧を殺してやるぅうううううう!」


 ぎゃあぎゃあと、ユーリとウルスラが取っ組み合いしてる。


 ……どうでもいいが、ふたりとも体にタオルをまいていない。


 だから、非常に目のやり場に困る。

 特にユーリの胸が躍動して、とんでもないことになってる……。


「くすっ♡ お兄さまってば、意外とむっつりさんなのですね~♡」


 俺のとなりに、世界樹の守り手・黒姫くろひめがいた。


「わたしの胸も存分に見て良いんですよ♡」


「胸無いだろおまえ」


「今は無くても大人になればユーリちゃんのようにバインバインになってます♡」


「何千年後の話してるんだよおまえ……」


 この幼女、見た目の割に長生きしてる。


 なにせ太古の賢者ウルスラよりも、前から生きてるからな。


「ここは賑やかで良いですねぇ」


 黒姫が遠い目をする。

 その先でユーリとウルスラ、そしてピナが戯れている。


「ピナをあなたに預けたのは正解でした。あなたのおかげです、お兄さま。ありがとう」


 その目は慈愛に満ちていた。

 例えるなら、母親の目か。


「あんたにとっても、ピナは娘みたいなものなのか?」


「そうですね。守り手が精霊核を作り、そこに人格が宿ったので、まあわたしはピナの生みの親のようなものです」


 確かユーリたちは世界樹は、もとは1つだったと聞いた。


 そこから精霊核が9つに分割されたという。


 ということは、大本の精霊核を作ったのが、9人の賢者だったってことか……。


「あと6組もおまえらみたいな愉快なやつらがいるわけか」


 世界樹はもともと9本。

 1本は遥か昔に枯れてしまった。


 ユーリ、ウルスラ。そしてあと姉妹は6人。


「……いえ。7組です」


「は……? 1本は、死んだんだろ?」


「ええ……。ですが、精霊核が完全に消滅したわけではありません」


「じゃあ、1本目の精霊は生きてるのか?」


「おそらく、1本目……あの子たちの長女【エキドナ】は、この世のどこかにいるはずです。守り手とともに」


「そのエキドナは、どこにいるんだ? 地上にいるなら、なんで地上に出てきたユーリたちの前に姿を現さない?」


「……さぁ、どうでしょう。そこまではわかりません」


 黒姫がため息をついて首を振る。


 こいつも知らないようだった。


「エキドナは行方不明。のこり6人のいる隠しダンジョンの場所もわからず、か」


「途方に暮れてしまいました? もう探索はやめます?」


「いや、まさかだろ」


 俺はユーリを見やる。


「おかーさん……わたし、言いたい! アインさん……と、いつか……結婚したいの!」


「ダメじゃぁあああああああ! 結婚は早すぎるぞぉおおおおおお!」


「けどお姉ちゃんって人間の体で16,7くらいでしょ~? 結婚普通にできるじゃん。しちゃいなよ☆」


「おぬしはだまっとれ! ユーリ! おぬしはずっとわしのそばにいてくれ!」


「いたい! けど……そこに、アインさん、も……一緒がいい!」


「消すぅううううう! やっぱりあの小僧消してやるぅううううううう!」


 ……3人が騒いでいる。

 その中で、ユーリは輝くような笑みを浮かべていた。


 外に出て、妹と出会い、あの子は幸せそうにしている。


「俺のやりたいことは今も変わらねえよ。恩人であるユーリを、家族に会わせてやりたい」


 それが俺の、本心だ。


「まぁ。お兄さまってばユーリちゃんにメロメロなのですね」


「いや……なんでそうなるんだよ」


「おーい、ユーリちゃーん。お兄さまが大好きですってー♡」


「ひゃ~~~~~~~~~~♡」


 ユーリが満面の笑みを浮かべて、くらり……とその場に、後ろ向きに倒れた。


 どっぽーーーーーーーーーーーん!


「ユーリぃいいいいいいい! てめえ小僧ぶっころぉおおおおおおおおおす!」


 ……その後ウルスラが本気で、俺を殺そうとしてきたのだった。

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― 新着の感想 ―
生きて、帰れるだろうか?いや、いろんな意味で・・
[一言] もしかしてエルフの始祖になってしまう? というか別にエルフはすでに存在するのかな? しかし、どこかで不老を手にしないと、皆からすると一瞬で人生終ってお別れになってしまう。 不老と最強の力って…
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