【番外編】
そして夜になった。
ギルドでの仕事を終え、ピナは自宅へと向かっていた。
「もー……ママ何しに来たんだよぅ~……いつの間にかいなくなってるし~……」
ピナは頬を膨らませ、夜道をトボトボと歩く。
張り切って仕事をこなしていたのだが、その頑張りを母が見ることは一度もなかった。
ピナが必死で「仕事してますよーアピール」をしている間、母は他の冒険者と談笑したり、どこかへ行ったりしていた。
で、挙句、そのままどこぞへ消えてしまったのである。
「まじ分からん……はーあ……疲れた~……☆ もう腹ペコ~……」
ピナがガックリと項垂れると、お腹がグゥ~と可愛らしい音を立てた。
彼女が帰ってきたのは、ギルド【天与の原石】の寮だ。
このギルドには、職員ならばタダで利用できる寮があるのである。
そこにピナは部屋を借りて、一人暮らしをしていたのだ。
「ご飯作るのだるー……って、ん? 何この良い匂い……」
部屋の扉を開けた瞬間、鼻腔をくすぐる香りにピナは足を止めた。
醤油と出汁の混じり合った、食欲をそそる芳醇な香り。
不思議と懐かしい、実家の匂いだ。
見れば、部屋の明かりがついているではないか。
不思議に思って、ピナは靴を脱ぎ捨てて部屋の奥へと進む。
すると。
「ママ!?」
「あら、おかえり、ピナ♡」
そこには、家庭的な割烹着を着た母・黒姫が、おたまを持って台所に立っていたのである。
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