【番外編】世界樹ユーリの居場所が知られてない理由
奈落に落ちて、ウルスラのもとで、修行していたころの話。
「うーん……」
「なんじゃ、小僧?」
世界樹のホールの外で、単眼悪魔相手に、修業していた俺。
ふと……気になったことがあったので、ウルスラに聞いてみる。
「なあ、ウルスラ。ユーリの情報が、外に漏れてなかったのって、何か理由があるのか?」
ユーリは、この奈落に落ちてきた人たちを、治療していた。
その際に、世界樹ユーリの枝を折って、葉をむしっていった連中が、そこそこいたという。
なら、そいつらが地上に戻って、世界樹があった! とギルドに報告すれば、世界樹の居場所は直ぐにばれてしまっていたような気がするんだが……。
「純粋にここへ落ちてくる連中の絶対数が少ないのが一つ。もう一つは……」
「もう一つは……?」
「ぎしぃい!」
単眼悪魔が突っ込んでくる。
俺は超鑑定で攻撃を見切って、単眼悪魔に一撃入れる。
「落ちてきた連中っていうのは、正規の手段で迷宮を攻略したやつらではない。ようするに、弱いのじゃ。そんなやつらが、修業もせず、のこのこと世界樹ホールから出たらどうなる?」
……死熊に殺されそうになったことを思い出す。
そうだ。強くならないと、待っているのは……死。
「そっか……」
俺も、もしかしたら、とっくに死んでいたかもしれないのか。
他の冒険者たちと同じで。
「そうじゃ。だから……」
「ユーリに感謝だな」
ユーリがいなかったら、奈落に落ちた時点で死んでいた。
ユーリが頼んでくれたから、ウルスラが俺に修業を付けてくれている。
あの優しい、世界樹の精霊がいなかったら、今頃俺はとっくに死ぬ運命にあっただろう。
だから、ユーリにはふかーく感謝しないと、だな。
「……ふん。わかってるなら、それでいいわい」
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