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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
後日談

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232/245

232.鑑定士、戦いを終え次のステージへ



 俺たちのもつ聖杯のかけらを狙って、かつての敵が徒党をなして襲ってきた。


 だが……俺の火球だけで倒せた。


 俺がいるのは、休暇に訪れていた辺境村の外。


 早朝の草原にて。


「ふぅ……これで終わりか?」


 周辺は草原だったのだが、何も残っていない。

 放った火球ファイア・ボールの影響で焼け野原になっていた。


 ユーリから鑑定コピーした治癒の力で、一瞬で直す。


『さらりとやっているが、広範囲にわたる修復を一瞬で行うこれは、かなり高度な技術じゃからな』


 賢者ウルスラの声が、俺の右目におさまっている賢者の石(通信機のようなもの)から聞こえる。


「え、そうなの?」


『気付かず使っておったのか……。まったく、たいしたやつじゃよおまえは。さすがじゃ』


 さて、と。


「で、どうするイオアナ?」


 草原に一人たたずむのは、白髪の魔族イオアナ。


 こいつとは何度も何度も拳を合わせた、まあライバル? のような存在だ。


「やるじゃあないかアインぅうううう……君の強さが健在でうれしいよ」


 凶悪な笑みを浮かべて、こちらに近づいてくる。


 神眼が封じられていてもわかる。こいつが、かつて戦ったときより強くなっていることを。


「君が強くてうれしいよ……おかげでリベンジマッチが俄然楽しみだ」


「あ、やるの?」


「もちろんさ……! でなきゃ、なんのために生き返ったのかわからないじゃないかぁ!」


 ごおぉ……! とイオアナの体から膨大な魔力、そして闘気オーラが吹き荒れる。


 それが一瞬で混じり合い、さらに強力なパワーを生み出す。禁術という、魔力と闘気をかけあわせ、身体能力を底上げする技術だ。


「いいぜ、やろう。おまえが何のために、誰の意思で襲ってきたのか知らねーけど……」


 俺は剣を構えてイオアナと相対する。


「向かってくるなら全力で立ち向かうまでだ」


「ハッ……! いいねぇ! アインぅうううう! そんな君が大好きさ! 死ねぇえええ!」


 イオアナと俺が互いに飛び出す。


 音を、光を置き去りにし、お互いの拳と剣がぶつかり合う……。


 だが……。


 土煙が晴れると、イオアナはそこにいなかった。


「あれ? どこいった?」


 すると、脳内にイオアナの声が響く。


『ごめんよアイン。帰ってこいってさ』


「なっ。まじかよ……」


 完全にやる気だったのだがな……。


『勝負は次に持ち越しだね』

「まあいいけど」


 俺は無限収納の魔法紋に武器を仕舞う。


「てゆーかおまえ、本当に誰に命令されてるんだよ?」

『それを君に教えると思うかい?』


「いいや。おまえ、俺の仲間じゃないしな」

『わかってるじゃないか、さすがアインぅ……。ボクは好きだぜそういうとこ』


「そりゃどーも」


 しかし死者を復活させ、さらに操ることのできる相手か……。


 厄介なのに目をつけられたようだ。


『君は聖杯の欠片、4つあるうちの2つを回収した。残り半分、それを巡っていくうちに、またボクとぶつかる機会もあるだろう』


「じゃあ、勝負はそんときだな」


『そうだね。それまで……せいぜい死なないでくれよ、アインぅ。ボクのライバル。君を殺すのはボクなんだからねぇ』


 そう言って、イオアナの気配が完全に消えた。


「ふぅー……どう思う、ウルスラ?」


 しゅんっ、と俺の隣に銀髪の幼女が転移してくる。


 丸眼鏡の奥で黄金の瞳がほそめられる。


「裏に誰がいるのか見当がつかぬ。死者を復活させ操る敵など聞いたことがない」


「ウルスラが知らないんじゃな。【それ】が復活した……?」


「わからん。ただ……なきにしもあらずじゃろうな」


【それ】、とは全ての黒幕のことだ。

 ミクトランを、アンリを、エキドナを操り、世界に破滅をもたらそうとした存在。


 俺は【それ】を倒した。

 だがやつの正体は悪意や負の感情、この世から根絶されることはない。


 だから……まあウルスラが言うとおり、【それ】が復活したとしても別に不思議じゃない。


「【それ】を完全に封じる方法ってないんだろうか」


「わしが調べておこう。今は体を休めよ」


「そーだな。お任せするよ」


 こうして、かつての敵との戦いは幕を下ろした。

 それと同時に生じた、新たな疑問とともに。

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