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【WEB版】不遇職【鑑定士】が実は最強だった〜奈落で鍛えた最強の【神眼】で無双する〜【アニメ放送中!】  作者: 茨木野
後日談

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227/245

227.鑑定士、イオアナから忠告を受ける

鑑定士コミックス第1巻が発売されました!


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 俺はウルスラとの釣りを終えて、屋敷に戻ってきた。

 

「アイン様」

「どうした、ロキシー?」


 屋敷の守護霊であるメイドのロキシーが、不安げな表情で俺の元へやってきたのだ。


「アイン様にお客様です」

「客? だれだろう」

「親友を名乗っております」


 ウルスラは首をかしげる。


「おぬしに親友などいたのか?」

「ちょっと凹むんですけど……」


 俺は彼女とともに応接間へと向かう。


「やぁアイン。久しぶりだね」

「げ……おまえかよ、イオアナ」


 白髪の魔族、イオアナがソファに座っていた。


「自分で親友っていってて悲しくならないのかおまえ?」


「何言ってるんだい。ボクらは親友だろ。何度も殺し合った」


「それは親友とは言わん。で? 何の用事だ?」


 こいつは以前の戦いで完全に撃破したつもりだった。

 しかし聖杯のかけら回収の旅の途中で、復活したことを知った。


「つれないな、こうして君に会いに来てあげたというのに」


「なんじゃこやつ、おぬしを好いているのか?」


「やめろ、縁起でもない」


 ややあって。


「こんな立派なお屋敷に住んでるなんてね。買ったのかい?」


「まあ。譲ってもらったみたいな」


「さすが救国の英雄、良い待遇をしてもらっているようじゃないか。うらやましいよ。妬ましい」


 へっ……! と吐き捨てるように言う。


「おまえは……なにやってんだよ」

「ま、裏でこそこそやってるよ。敗者のボクにふさわしいだろ?」


「知らんよそんなこと……で、マジで何しに来たんだ? 戦う気はないんだろ」


「おや? 宿敵が襲いに来たとは考えないのかい?」


「おまえが殺す気かどうかなんて、見てわかるだろ」


「ふふっ、なるほど。気配を読んだわけか。鑑定も使わず、さすが歴戦の勇者だね」


 イオアナがティーカップをテーブルの上に置く。


「今日は君に警告に来た」

「警告?」


「君に倒された者達が今回復活した。そして、君を倒しにやってくるだろう」


「なっ! なんじゃと!」


 隣で聞いていたウルスラが、がたっ! と立ち上がる。


「キングやゼウス、君が葬り去ってきたものたちみんなさ」

「なんでそんなことになってるんだ?」


「詳しくは言えない。けど君に復讐しにくることは確実だろうね」


「……おまえもか」


「そりゃもちろん♡」


 鋭い目つきでイオアナが俺をにらみ付ける。

 以前よりも洗練された殺気。

 ウルスラが思わず額に汗をかくほどだ。


「へぇ、これでも微動だにしないなんて、やっぱりアインはすごいな。……妬ましいよ。ああ、妬ましい」


 平然としているものの、イオアナからは、俺への憎悪が見て取れた。


 こいつもまた俺を殺す気だろう。


「狙いはなんだ? 憂さ晴らしのためだけに、復活なんてしないだろ」


「君が持っている聖杯のかけら。4つあるうちの2つを君が保有している。それをいただく」


「なるほど……じゃおまえらの黒幕ボスに言っといてくれ。渡す気はさらさらねえってよ」


 ニコッとイオアナは笑ってうなずく。


「それでこそアインだ。じゃあね宿敵ライバル。有象無象なんかに、まけるんじゃないよ」


 フッ……! とイオアナは、音もなく、まるで煙のように消え去った。


「ふぅー……」


 ウルスラはソファに腰を下ろし、汗を拭う。


「あやつめ……とんでもなくレベルアップしておったな」

「ああ、けど、問題ない。俺にはみんながいる、この目があるから」


 まける気はしない。

 いざとなれば左目の神眼の封印をとけばいい。


「アインよ。これからどうする?」


「決まってる、みんなの笑顔を俺は守るよ。守り手だからな」


「……うむ、それでこそ、アインじゃ。わしもおぬしに力を貸すよ」


「ありがと、ウルスラ」


「べ、別にな……おぬしのためじゃないぞ。娘のためじゃ……娘のためなんじゃからな!」


「わかってるって」


 こうして、俺はまた新たな戦いに、巻き込まれていくことになるのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 投稿頻度が遅め [一言] 応援しております!
[一言] 誤字報告 「おや? 宿敵が遅いに来たとは考えないのかい?」         ↑ 「おや? 宿敵が襲いに来たとは考えないのかい?」
[良い点] 宿敵と書いて「しんゆう」と読むイオアナちゃんwww
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